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No.104
更新日 2025年08月29日

営業の基礎知識は?仕事の基本や必須スキルを徹底解説

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「営業部に配属されたけど、右も左も分からない…」
「ビジネスマナーから商談の進め方まで、覚えることが多すぎてパニックだ…」
「自分は営業に向いていないんじゃないか…」

新社会人や、新たなキャリアとして営業の世界に飛び込んだばかりのあなたへ。期待と同時に、このような大きな不安を感じているのではないでしょうか。ご安心ください。今、第一線で活躍するトップセールスたちも、誰もが同じように、不安だらけの「最初の一歩」からスタートしたのです。

本記事では、これから営業の世界に飛び込む、あるいは飛び込んだばかりのビジネスパーソンに向けて、「営業の基礎知識」を網羅的かつ体系的に解説します。読者が営業という仕事の本質を深く理解し、日々の活動における不安を解消し、自信を持ってプロフェッショナルへの第一歩を踏み出せるように支援します。

営業とは?

まず、「営業」という仕事が、会社にとって、そして社会にとってどのような役割を担っているのか、その本質を理解しましょう。

営業の定義

営業とは、単に「自社の商品やサービスを売る」仕事ではありません。その本質は、顧客が抱える課題やニーズを深く理解し、自社の製品・サービスを通じてその課題を解決(ソリューションを提供)することで、対価として利益をいただき、自社の成長に貢献する仕事です。

顧客と会社の間に立ち、双方を幸せに導く、極めて創造的で、価値のある役割なのです。

なぜ、全てのビジネスの起点に「営業」が存在するのか?

どれだけ画期的な製品や素晴らしいサービスも、その価値が顧客に伝わり、購入してもらえなければ、ビジネスとして成立しません。営業は、企業が生み出した価値を、顧客へと届け、対価(売上)に変える、まさにビジネスの最前線であり、全ての活動の起点となる、不可欠な存在なのです。

【社会人の基本】まず身につけるべき、営業のビジネスマナー

営業スキルを学ぶ前に、まず社会人としての信頼を得るための土台となる、ビジネスマナーを完璧にマスターしましょう。

第一印象を決定づける、身だしなみの基本

清潔感が何よりも重要です。シワのないスーツやシャツ、磨かれた靴、整えられた髪型など、相手に不快感を与えない、誠実さが伝わる身だしなみを心がけましょう。

訪問・来客時の、受付から退室までの流れ

コートを脱ぐタイミング、受付での名乗り方、応接室での席次、お茶のいただき方、そして退室時の挨拶まで、一連の流れには全てマナーが存在します。不安な場合は、事前にマナーに関する書籍やサイトで確認しておきましょう。

間違えると信頼を失う、名刺交換の作法

名刺交換は、ビジネスにおける最初の公式なコミュニケーションです。

  1. すぐに取り出せる場所に準備しておく。
  2. 相手が差し出した名刺入れの高さよりも、低い位置から差し出す。
  3. 社名と氏名を名乗りながら、両手で丁寧に渡す。
  4. 受け取った名刺は、すぐにしまわず、商談中はテーブルの上に置いておく。

これらの基本動作を、スムーズに行えるように練習しておきましょう。

ビジネスメール・電話応対の基本

顔が見えないコミュニケーションだからこそ、より一層の丁寧さが求められます。正しい敬語の使い方、分かりやすい件名、簡潔な文章(結論ファースト)などを意識しましょう。

【全体像】成果を出す営業活動の一連の流れ(営業プロセス)

成果を出す営業担当者は、感覚ではなく、体系立てられた「プロセス」に沿って活動しています。ここでは、BtoB営業における基本的な6つのステップを紹介します。

STEP1:【ターゲティング・リストアップ】誰にアプローチすべきかを見定める

闇雲にアプローチしても、成果は出ません。まずは、自社の製品・サービスが、どのような業界の、どのような規模の、どんな課題を抱えた企業(ターゲット)にとって最も価値があるのかを考え、アプローチすべき企業のリストを作成します。

STEP2:【アプローチ】最初の接点を作り、アポイントを獲得する

作成したリストに対し、電話(テレアポ)、メール、問い合わせフォーム、SNSなどを駆使して、最初の接点(アプローチ)を試みます。この段階のゴールは、製品を売ることではなく、まずは話を聞いてもらうための「アポイントメント」を獲得することです。

STEP3:【ヒアリング】顧客の本当の課題を深掘りする

アポイントが取れたら、いよいよ商談です。しかし、ここでいきなり製品説明を始めてはいけません。商談の前半は、徹底的に顧客の話を聞く「ヒアリング」に徹します。顧客が現在どのような状況で、何に困っていて、将来的にはどうなりたいのか、その本質的な課題(ニーズ)を深掘りします。

STEP4:【提案・プレゼンテーション】課題解決策を提示する

ヒアリングで明らかになった課題に対し、「その課題は、弊社のこの製品を使えば、このように解決できます」という課題解決のストーリーとして、製品・サービスを提案します。

STEP5:【クロージング】顧客の意思決定を支援し、契約を締結する

顧客が提案内容に納得したら、契約に向けた最終的な意思決定を支援します。「もしご導入いただければ、〇〇という未来が実現できます。ぜひ、お任せいただけませんか?」と、顧客の背中を押し、契約を締結(クロージング)します。

STEP6:【アフターフォロー】受注後から、次の信頼関係を育む

契約して終わりではありません。受注後も、顧客がスムーズに製品・サービスを活用できるようサポートしたり、定期的に連絡を取ったりする「アフターフォロー」を通じて、長期的な信頼関係を築きます。これが、次の追加受注や、顧客紹介に繋がっていくのです。

トップセールスに共通する7つの必須スキル

上記のプロセスを成功させるために、全てのトップセールスが共通して持つ7つのスキルを紹介します。

スキル1:顧客の課題を自分ごと化する「課題発見力」

顧客の話の中から、顧客自身も気づいていないような本質的な課題を発見し、それを「自分ごと」として捉える能力。

スキル2:相手の本音を引き出す「ヒアリング能力(傾聴力)」

自分が話すよりも、相手の話を聞くことに長けています。巧みな質問と深い傾聴で、顧客の本音や潜在的なニーズを引き出します。

スキル3:価値を分かりやすく伝える「プレゼンテーション能力」

製品の機能を羅列するのではなく、それが顧客にとってどのような「価値(ベネフィット)」をもたらすのかを、分かりやすく、魅力的なストーリーとして語る能力。

スキル4:信頼関係を築く「コミュニケーション能力」

ロジカルな会話だけでなく、雑談や共感を通じて、相手との人間的な「信頼関係(ラポール)」を築く能力。

スキル5:目標達成から逆算して行動する「セルフマネジメント能力」

与えられた目標(数字)から逆算し、達成のために「今日、何をすべきか」を自ら計画し、実行する自己管理能力。

スキル6:自社製品・サービスに関する「深い専門知識」

顧客からのあらゆる質問に、自信を持って的確に答えられる、自社製品・サービスに関する誰にも負けない深い知識。

スキル7:失敗から学び、行動を改善し続ける「学習能力」

失注や失敗を、単なる落ち込むべき出来事ではなく、次への改善点を見つけるための「学習の機会」と捉え、常に行動を改善し続ける能力。

現代の営業担当者が知っておくべき必須ツール

現代の営業は、気合と根性だけで戦うものではありません。テクノロジーを賢く活用することで、その成果を何倍にも高めることができます。

SFA/CRM:顧客情報と商談プロセスを管理する

SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)は、顧客情報や、商談の進捗、日々の活動内容などを記録・管理するためのツールです。これにより、勘や記憶に頼らない、データに基づいた効率的な営業活動が可能になります。

オンライン商談ツール:移動時間をなくし、効率を高める

ZoomやGoogle MeetといったWeb会議システムを活用すれば、遠隔地の顧客にも、移動時間ゼロでアプローチできます。1日にこなせる商談件数が飛躍的に向上します。

名刺管理ツール:人脈を資産に変える

交換した名刺をデータ化し、いつでもどこでも検索・閲覧できるようにするツールです。個人の人脈を、会社全体の共有資産に変えることができます。

新人営業が抱えるQ&A

Q. 目標(ノルマ)が達成できず、辛いです。どうすれば?

A. 一人で抱え込まないでください。 まずは、正直に上司や先輩に相談しましょう。目標が未達である原因を、データ(活動量、商談化率、受注率など)に基づいて一緒に分析してもらい、具体的な改善アクションを考えることが重要です。

Q. お客様に何を話せば良いか、分かりません。

A. あなたが話す必要はありません。まずはお客様に「質問」することから始めましょう。 「普段、お仕事でどのようなことに一番時間を使われていますか?」「もし、〇〇が改善されたら、嬉しいですか?」といった、相手に関心を持つ質問を投げかけることで、会話は自然と始まります。

Q. 営業に向いていないかもしれません。どう判断すれば良いですか?

A. 少なくとも、半年〜1年は全力で取り組んでから判断しても遅くはありません。 最初は誰でもうまくいかないのが当たり前です。本記事で紹介した基礎を一つひとつ実践し、小さな成功体験を積み重ねていく中で、少しずつ仕事の面白さが見えてくるはずです。それでも辛い場合は、上司に相談し、営業の中でも新規開拓ではなくルートセールスなど、別の役割を検討するのも一つの手です。

まとめ

本記事では、営業の基礎知識として、その心構えから、マナー、プロセス、スキル、そしてツールまでを網羅的に解説しました。

覚えるべきことが多く、不安に感じるかもしれません。しかし、営業という仕事は、顧客の課題を解決し、「ありがとう」という最高の言葉をもらいながら、自社の成長に直接貢献できる、他に代えがたい、やりがいに満ちた仕事です。

この記事が、あなたの輝かしい営業としてのキャリアの、確かな第一歩となることを心から願っています。

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