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No.12
更新日 2025年08月12日

リードとは?獲得から育成までの全手法を徹底解説!

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「Webサイトのアクセス数は増えても、一向に問い合わせに繋がらない」

「広告費をかけて見込み客リストは集まるが、営業からは『このリストは使えない』と不満ばかり…」

マーケティング活動において、このような課題を抱えている担当者の方は少なくありません。その課題の根底にあるのが、マーケティングの起点でありながら、多くの人がその本質を捉えきれていない「リード」の存在です。

この記事では、マーケティング活動の起点となる「リード」について、その基本的な意味から、リードを獲得(ジェネレーション)、育成(ナーチャリング)、選別(クオリフィケーション)するという一連のプロセス、そして管理手法までを網羅的かつ体系的に解説します。

今さら聞けない「リード」とは?

まず、全ての基本となる「リード」という言葉の定義と、その重要性について正確に理解しましょう。

リードの定義

マーケティングにおける「リード」とは、一般的に「見込み客」を指します。より具体的に言えば、自社の商品やサービスに関心を示しており、将来的に顧客になる可能性のある個人や企業、およびその連絡先情報(氏名、会社名、電話番号、メールアドレスなど)のことです。

展示会で名刺交換した相手、Webサイトから資料をダウンロードした人、セミナーに参加した人、これら全てが「リード」にあたります。

なぜリードが重要なのか?

ビジネスを継続的に成長させるためには、常に新しい顧客を獲得し続ける必要があります。リードは、その未来の顧客候補のリストであり、企業の売上を生み出すためのいわば「源泉」です。この源泉が枯渇してしまえば、事業の成長は止まってしまいます。そのため、質の高いリードを安定的・効率的に獲得し、管理していくことが、現代のマーケティングにおいて最も重要なミッションの一つなのです。

リードの質を見極める3つのフェーズとMQL・SQLという指標

獲得した全てのリードが、すぐに顧客になるわけではありません。リードは、一連のプロセスを経て、徐々に購買意欲の高い「優良顧客」へと変化していきます。

マーケティングと営業を繋ぐ共通言語「MQL」「SQL」とは?

リードクオリフィケーションの過程で重要になるのが、「MQL」と「SQL」という2つの指標です。これは、マーケティング部門と営業部門が連携するための「共通言語」となります。

MQL (Marketing Qualified Lead)

マーケティング活動によって創出された、「マーケティング部門が有望だと判断したリード」のこと。例えば、「ホワイトペーパーをダウンロードし、かつ役職が課長以上」といった基準で定義されます。MQLは、リードナーチャリングの対象となります。

SQL (Sales Qualified Lead)

MQLの中から、さらに営業担当者がアプローチすべきだと判断した、「営業部門が有望だと判断したリード」のこと。MQLに対してインサイドセールスなどがヒアリングを行い、「具体的な課題があり、予算も確保されている」といった基準で判断され、フィールドセールス(営業担当者)へと引き継がれます。

このプロセスは3つのフェーズに分類されます。

フェーズ1:リードジェネレーション(Lead Generation)

リードジェネレーションとは、リードを新たに創出・獲得する活動全般を指します。Web広告を出稿したり、SEO対策でサイトへの流入を増やしたり、展示会に出展したりと、自社のことや商品・サービスを知らない潜在顧客にアプローチし、接点を持つ段階です。このフェーズの目的は、まずリードの「量」を確保することです。

フェーズ2:リードナーチャリング(Lead Nurturing)

リードナーチャリングとは、獲得したリード(見込み客)に対して、メールやセミナーなどを通じて継続的に有益な情報を提供し、購買意欲を育成していく活動のことです。「Nurture」は「育てる」という意味で、文字通りリードを育てるフェーズです。まだ購買意欲が低いリードに対し、一方的に商品を売り込むのではなく、信頼関係を築きながら、徐々に興味・関心を高めていきます。

フェーズ3:リードクオリフィケーション(Lead Qualification)

リードクオリフィケーションとは、育成したリードの中から、より購買意欲が高く、有望なリードを選別する活動のことです。全てのリードを営業担当者がフォローするのは非効率です。そこで、特定の行動(料金ページの閲覧、見積もり依頼など)や属性(役職、企業規模など)を基にリードをスコアリングし、一定の基準を満たした「質の高いリード」だけを営業部門に引き渡します。

リード獲得の具体的な方法10選

リードを獲得するための具体的な手法は、オンライン・オフラインを問わず多岐にわたります。ここでは代表的な10の手法を紹介します。

オンラインでのリード獲得手法

1. コンテンツマーケティング (SEO)

顧客の課題解決に役立つブログ記事などを作成し、検索エンジンからの自然流入を集め、資料ダウンロードなどに繋げてリードを獲得します。

2. Web広告

リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などを活用し、ターゲット層に直接アプローチします。

3. SNSマーケティング

FacebookやX(旧Twitter)、LinkedInなどで有益な情報を発信し、フォロワーとの関係を築きながらリードを獲得します。

4. ウェビナー(オンラインセミナー)

特定のテーマに関するセミナーをオンラインで開催し、参加者をリードとして獲得します。

5. ホワイトペーパー/資料ダウンロード

調査レポートやノウハウ集などの有益な資料をWebサイトに用意し、ダウンロードと引き換えに個人情報を入力してもらいます。

6. プレスリリース

新商品や新サービスの情報をメディアに配信し、認知度を高め、Webサイトへの流入を促します。

オフラインでのリード獲得手法

1. 展示会・イベント出展

業界関連の展示会に出展し、ブース訪問者と名刺交換を行うことで、一度に多くのリードを獲得します。

2. セミナー(オフライン)

独自のセミナーを開催し、参加者リストを獲得します。

3. テレアポ(テレマーケティング)

企業リストなどに基づき、電話で直接アプローチします。

4. マス広告

テレビCMや新聞・雑誌広告など、幅広い層にアプローチし、ブランド認知を高め、指名検索などを促します。

自社に合ったリード獲得手法の選び方

最適な手法は、ターゲット顧客、商材の価格帯、予算、企業のフェーズによって異なります。BtoBであればウェビナーやホワイトペーパー、BtoCであればSNSマーケティングやWeb広告が有効な場合が多いです。複数の手法を組み合わせ、効果を測定しながら、自社の「勝ちパターン」を見つけていくことが重要です。

獲得したリードを「優良顧客」に変えるリードナーチャリングの技術

リードは獲得して終わりではありません。むしろ、そこからが本当のスタートです。

なぜリードナーチャリングが不可欠なのか?

現代の顧客は、営業担当者から話を聞く前に、自らインターネットで情報収集と比較検討を行います。すぐに購買に至らない「そのうち客」が大半を占める中で、彼らとの関係を絶やさず、いざという時に「第一想起」してもらうためには、中長期的な情報提供(ナーチャリング)が不可欠なのです。売り込みをせず、顧客の課題解決に寄り添い続ける姿勢が、最終的な信頼と受注に繋がります。

MA(マーケティングオートメーション)を活用したシナリオ設計の基本

リードナーチャリングを効率的に行う上で、MA(マーケティングオートメーション)ツールは非常に強力な武器となります。MAを使えば、「Aという資料をダウンロードした人には、3日後にその導入事例メールを送る」「料金ページを閲覧した人には、営業担当者からフォローコールの通知が行く」といった、顧客の行動に応じたアプローチ(シナリオ)を自動化できます。

有効なコンテンツの種類

ナーチャリングで提供するコンテンツは、顧客の検討段階に合わせて変えることが重要です。

認知・興味関心段階

ブログ記事、業界レポート、調査データ

比較検討段階

ホワイトペーパー、製品資料、導入事例集、ウェビナー

最終決定段階

価格表、無料トライアル、個別相談会

リード管理を成功させ、売上に繋げるための3つのポイント

リードの獲得から育成までの一連のプロセスを成功させるためには、適切な「管理」が欠かせません。

ポイント1:リードの「質」の定義を、マーケティングと営業ですり合わせる(SLA)

マーケティング部門と営業部門の間で、「どんな状態のリードをMQL/SQLとするのか」という「質の定義」を明確にし、合意することが最も重要です。この共通理解がないと、「使えないリードばかりだ(営業)」「せっかく渡したリードをフォローしてくれない(マーケ)」といった対立が生まれます。この定義を明文化したものをSLA (Service Level Agreement)と呼び、円滑な連携の基盤となります。

ポイント2:CRM/SFA/MAツールを活用し、リード情報を一元管理する

獲得したリードの情報、ナーチャリングの過程、営業のアプローチ結果など、全ての情報をExcelなどでバラバラに管理していては、全体像の把握は不可能です。CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)、MAツールを連携させて活用し、リードに関する全ての情報を一元管理することで、部門間のスムーズな情報共有と、データに基づいた改善活動が可能になります。

ポイント3:リード獲得単価(CPL)とROIを計測し、施策の改善を続ける

各施策(広告、展示会など)からリードを1件獲得するために、いくらのコストがかかったかを示すCPL(Cost Per Lead)を計測しましょう。さらに、その施策から得られた売上が、かかったコストを上回っているか(ROI:投資対効果)を分析します。これにより、効果の高い施策にリソースを集中させ、マーケティング活動全体の費用対効果を最適化していくことができます。

リードマネジメントに関するQ&A

Q. リードの「質」とは、具体的に何を基準に判断すれば良いですか?

A. リードの質は、一般的にBANT条件などで判断されます。Budget(予算)Authority(決裁権)Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)の頭文字を取ったものです。これらに加え、役職や企業規模といった属性情報や、サイトへのアクセス頻度、メールの開封率といった行動情報を組み合わせ、「スコアリング」を行い、一定の点数を超えたものを質の高いリードと判断するのが一般的です。

Q. 獲得したリードに対し、どのタイミングでアプローチするのが効果的ですか?

A. 最も効果的なのは、顧客が最も関心を示した瞬間です。例えば、「料金ページを閲覧した」「特定の製品に関する資料をダウンロードした」といった行動は、購買意欲が高まっている強いサインです。MAツールなどでこれらの行動を検知し、即座にインサイドセールスや営業担当者がアプローチすることで、商談化率を大幅に高めることができます。

Q. BtoBとBtoCでリードの定義や考え方に違いはありますか?

A. 基本的な考え方は同じですが、いくつか違いがあります。BtoBでは、リードは「個人」だけでなく「企業」という側面も持ち、検討期間が長く、関わる決裁者も複数いるため、ナーチャリングの重要性がより高くなります。一方、BtoCでは、個人の感情的な判断で購買が決まることが多く、リードの数も膨大になるため、マス向けのコミュニケーションや、より自動化されたアプローチが中心となります。

まとめ

本記事では、マーケティングの起点である「リード」について、その定義から、獲得・育成・選別・管理という一連のプロセスを網羅的に解説しました。

リードマネジメントとは、単にリストを集める作業ではありません。それは、まだ見ぬ顧客との出会いを創出し、丁寧なコミュニケーションを通じて信頼関係を育み、最終的に自社のファンになってもらうまでの一大プロジェクトです。

マーケティングと営業が連携し、このリードマネジメントのプロセス全体を最適化することこそが、企業の売上基盤を安定させ、持続的な成長を実現するための最も確実な鍵となるのです。

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