営業プロセスとは? 成果を最大化する7ステップと改善策を徹底解説!
営業成果が安定せず、活動が属人化している…そんな課題はありませんか?強い営業組織を作るカギは「営業プロセス」の確立にあります。明確なプロセスは、ムダを省き、活動を標準化することで、組織全体のパフォーマンスを着実に向上させます。
本記事では、「営業プロセス」とは何かという基本的な定義から、具体的なステップ、構築・改善のポイント、役立つツールまで、成果を最大化するためのノウハウを徹底解説します。
営業プロセスとは?
営業プロセスの定義
営業プロセスとは、見込み客を発見してから受注(契約)に至るまでの一連の活動の流れ・手順を標準化したものです。「セールスプロセス」や「営業フロー」と呼ばれることもあります。
単に個々の営業担当者の勘や経験に頼るのではなく、組織として「どのような手順で」「何をすべきか」を明確にすることで、営業活動の効率化と成果の安定化を目指します。
営業プロセスがもたらす5つのメリット
明確な営業プロセスを確立することで、企業は以下のようなメリットを得られます。
営業活動の標準化・効率化
誰が担当しても一定の質を保った営業活動が可能になり、無駄な動きを削減できます。
属人化の防止
特定の優秀な営業担当者に依存する体制から脱却し、組織全体のレベルアップを図れます。
成果の安定化・向上
各ステップでの成功パターンを分析・共有することで、成約率を高め、売上目標達成に貢献します。
新人教育・育成の効率化
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の効果を高め、新人が早期に戦力化することを支援します。
課題の可視化と改善
各ステップの進捗状況やボトルネックとなっている箇所をデータに基づいて把握し、的確な改善策を講じやすくなります。
営業プロセスの7つのステップ
ここでは、多くの企業で採用されている代表的な営業プロセスの7つのステップをご紹介します。自社の商材やターゲットに合わせてカスタマイズすることが重要です。
ステップ1:見込み客発掘(リードジェネレーション)
営業活動の第一歩は、製品やサービスに関心を持ちうる個人・企業を見つけることです。WebサイトやSNSでの情報発信、SEOや広告出稿、展示会・セミナーなどを活用して、自社に合った見込み客(リード)を効率よく集めていきます。
この段階では、ターゲット(ペルソナ)の明確化とチャネル選定が成果を左右します。また、獲得したリードの質や購買意欲の高さ(リードの確度)も評価基準となります。
KPI例
リード獲得数、リード獲得単価(CPL)
ステップ2:アプローチ・関係構築(リードナーチャリング)
次に重要なのは、リードとの関係構築です。電話やメール、メルマガ、セミナーなどを通じて定期的に情報を提供し、信頼関係を深めていきます。この段階はインサイドセールスが主に担う役割で、押し売りではなく「相手の課題解決に役立つ情報提供」を意識することが大切です。
情報の質とタイミングが成果を分けるポイントになります。
KPI例
アポイント獲得率、商談化率
ステップ3:ヒアリング・課題特定
アポイントを獲得した後は、顧客との対話を通じて、現状の課題や理想の状態、意思決定プロセス(予算や導入時期など)を深く理解するフェーズに入ります。ここで重要なのは、聞き役に徹する姿勢。表面的なニーズだけでなく、顧客自身が気づいていない潜在的課題の発見が信頼構築の鍵です。
KPI例
有効商談数、BANT条件確認率
ステップ4:提案・プレゼンテーション
顧客課題が明確になったら、自社がどのようにその課題を解決できるかを具体的に示す段階です。提案書や導入事例、デモなどを活用し、コストや効果、運用イメージを丁寧に伝えます。説明型の一方通行にならないよう、双方向の対話を心がけると、納得感のある提案につながります。
KPI例
提案承認率、見積もり提出数
ステップ5:クロージング
提案に納得を得た後は、契約に向けた最終調整です。顧客の懸念や不安に誠実に向き合いながら、価格・条件の交渉や導入スケジュールの調整を進めます。ここでは「押し切る」のではなく、信頼を前提とした粘り強い対応が成果に直結します。
KPI例
受注(成約)率、受注金額
ステップ6:受注・契約
正式な契約を締結するフェーズです。契約書の取り交わしや発注処理、社内連携など、実務的な作業をスムーズかつ正確に行うことが求められます。小さなミスが顧客の信頼を損なうこともあるため、丁寧な対応が重要です。
KPI例: 契約完了数
ステップ7:アフターフォロー・関係維持
受注後も、顧客との関係は続きます。導入支援や操作説明、定期的なフォロー、新機能の案内などを通じて、顧客の満足度や活用度を高める取り組みが求められます。ここでの支援は、リピートやアップセル、紹介の獲得といった中長期的な成果に直結します。カスタマーサクセスの役割も重要です。
KPI例
顧客満足度、リピート率、解約率、アップセル・クロスセル件数
最適な営業プロセスを構築・改善するポイント
確立された営業プロセスは、一度作ったら終わりではありません。市場環境や顧客ニーズの変化に合わせて、継続的に見直し、改善していく必要があります。
【現状分析と課題特定】
まずは現在の営業活動を可視化し、どこに課題があるのかを分析します。
各ステップの担当者、活動内容、所要時間などを洗い出しましょう。また、営業担当者へのヒアリングや同行を通じて、実際の動きを確認することも重要です。
SFA/CRMなどのデータから、各ステップのKPI(転換率、滞留期間など)を分析し、ボトルネックとなっている箇所を特定しましょう。
【ターゲットとゴールの明確化】
自社のターゲット顧客は誰なのか、営業活動を通じて何を達成したいのか(売上、シェア、顧客満足度など)を明確にします。ターゲットやゴールが変われば、最適なプロセスも変わってきます。
【各ステップの標準化とKPI設定】
分析結果と目標に基づき、各ステップで「誰が」「何を」「いつまでに」「どのように」行うべきかを具体的に定義し、標準化します。曖昧さをなくし、誰が担当しても同じレベルで実行できるようにします。
同時に、各ステップの達成度を測るためのKPI(重要業績評価指標)を設定し、目標値を定めます。
【データ分析に基づく継続的な改善】
設定したKPIを定期的に測定・分析し、プロセスの有効性を評価します。
- 目標未達のステップやボトルネックとなっている箇所はないか?
- 成功している営業担当者の行動パターンは何か?
- 市場や競合の変化に対応できているか?
データに基づいて課題を発見し、改善策を実行、そして再度効果を測定するというPDCAサイクルを回し続けることが重要です。
【部門間連携(マーケティング・カスタマーサクセス)の強化】
営業プロセスは、営業部門だけで完結するものではありません。
マーケティング部門
リード獲得やナーチャリングで連携し、質の高いリードを営業に引き渡します。
カスタマーサクセス部門
受注後の顧客フォローを担当し、顧客満足度向上やLTV最大化を目指します。
これらの部門間で情報共有を密にし、顧客データを一元管理することで、よりスムーズで効果的な営業プロセスを実現できます。
おすすめツール紹介
営業プロセスの実行、管理、分析を効率化するために、様々なツールが活用されています。
SFA(営業支援システム)
主な機能
顧客情報管理、商談管理、活動履歴管理、予実管理、レポート作成など
メリット
営業活動の可視化、情報共有の促進、報告業務の効率化、データ分析によるボトルネックの特定
CRM(顧客関係管理システム)
主な機能
顧客情報の一元管理、メール配信、問い合わせ管理、マーケティング支援など
メリット
顧客との関係性強化、LTV向上、部門間の情報連携強化 (SFA機能を包含するものも多い)
MA(マーケティングオートメーション)
主な機能
リード管理、スコアリング、メールマーケティング、Web行動解析など
メリット
リードナーチャリングの自動化・効率化、見込みの高いリードの抽出
オンライン商談ツール
主な機能
Web会議、画面共有、資料共有、録画機能など
メリット
移動時間・コストの削減、遠隔地の顧客へのアプローチ、商談記録による振り返り
ツール選定のポイント
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 自社の課題を解決できるか | 導入目的を明確にし、必要な機能を洗い出す。 |
| 使いやすさ | 営業担当者が直感的に操作でき、定着しやすいか。 |
| 連携性 | 他のシステム(SFA、MA、グループウェアなど)と連携できるか。 |
| サポート体制 | 導入支援や運用サポートが充実しているか。 |
| コスト | 機能と価格のバランスが適切か。 |
無料トライアルなどを活用し、実際に試してみることをお勧めします。
まとめ
営業プロセスは、安定した成果と強い営業組織を築くための鍵となります。
重要なのは、現状を分析し、データに基づいて継続的にプロセスを進化させることです。最適化された営業プロセスは、貴社の売上向上と持続的な成長に貢献するでしょう。
今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ自社の営業プロセスを見直し、より効果的な営業活動を目指してください。最初から完璧なプロセスを目指す必要はありません。まずは現状を把握し、小さな改善から始めてみましょう。