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No.169
更新日 2025年06月26日

SMART原則とは?営業目標設定における効果的な活用法を解説!

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目標達成のためには、明確で実行可能な目標設定が不可欠です。そこで役立つのが、世界中のビジネスシーンで活用されている目標設定のフレームワーク「SMART原則(スマートの法則)」です。

本記事では、「SMART原則」とは何か、そして営業目標の設定にどのように活用すれば達成率を高められるのかを、具体的なステップや事例を交えながら徹底的に解説します。

SMART原則とは?

SMART原則とは、目標達成の可能性を高めるための、具体的で効果的な目標設定を行うためのフレームワークです。以下の5つの要素の頭文字を取って名付けられました。

【Specific(具体的)】誰が読んでも同じ解釈ができるほど、明確で具体的か?

【Measurable(測定可能)】目標の達成度合いを客観的に測れるか?(数値化されているか)

【Achievable(達成可能)】現実的に達成できる現実的な目標か?(高すぎず、低すぎないか)

【Relevant(関連性)】組織や個人のより大きな目標と関連しているか?(やる意味があるか)

【Time-bound(期限)】いつまでに達成するのか、期限が明確か?

SMART原則を用いることで、目標が具体的になり、行動計画が立てやすくなります。また、進捗状況を客観的に把握できるため、軌道修正も容易になり、結果的に目標達成の可能性が格段に高まるのです。

SMART原則を活用する5つのメリット

営業目標の設定にSMART原則を取り入れることで、以下のようなメリットが期待できます。

1. 目標の明確化と行動促進

「何を」「どれくらい」「いつまでに」達成するのかが明確になるため、具体的な行動計画に落とし込みやすくなります。

2. 進捗管理の容易化

目標が数値化されているため、達成度合いを客観的に把握し、進捗状況を容易に管理できます。遅れが出ている場合も早期に発見し、対策を講じることが可能です。

3. モチベーションの向上・維持

達成可能な目標であり、進捗が可視化されることで、達成感を得やすくなり、モチベーションの維持につながります。

4. 達成可能性の向上

現実的な目標を設定するため、達成に向けた現実的な道筋が見え、達成可能性が高まります。

5. チーム内での認識共有

目標が具体的で明確になるため、チームメンバー間での認識のズレを防ぎ、共通認識を持って目標達成に取り組むことができます。

営業目標をSMART原則で設定するステップと例文

それでは、実際に営業目標をSMART原則に当てはめて設定する具体的なステップを見ていきましょう。各要素について、営業活動におけるポイントと例文を解説します。

目標設定の例:「新規顧客からの売上を増やす」

S (Specific - 具体的に)

NG例
新規顧客を増やす。

OK例
担当エリアの未取引企業(従業員50名以上)から、新規に契約を獲得し、売上を達成する。

ポイント
誰が、何を、どのように達成するのかを具体的に記述します。「どの顧客層に」「何を売って」「どうするのか」を明確にしましょう。

M (Measurable - 測定可能な)

NG例
できるだけ多くの新規契約を取る。

OK例
新規に5件の契約を獲得し、合計300万円の売上を達成する。

ポイント
目標達成度を測るための具体的な数値を設定します。「件数」「金額」「割合(%)」「訪問回数」「成約率」などが指標となります。

A (Achievable - 達成可能な)

NG例
新規契約を50件獲得する(過去の実績が平均2件の場合)。

OK例
過去の実績(平均2件/四半期)や現在の市場動向、投入可能なリソースを考慮し、新規契約5件は挑戦的だが達成可能な目標である。

ポイント
過去のデータ、市場環境、競合の動き、自身の能力、利用可能なリソースなどを考慮し、現実的に達成できるレベルかを見極めます。簡単すぎず、かつ無謀すぎない「ストレッチ目標」を意識することも有効です。

R (Relevant - 関連性)

NG例
個人的に興味のある分野の新規開拓を行う(会社の戦略とは無関係)。

OK例
新規顧客からの売上300万円達成は、部署全体の新規売上目標1,000万円(前年比120%)達成に貢献し、会社の重点戦略である「新規市場シェア拡大」とも合致する。

ポイント
設定する目標が、所属するチームや部署、会社全体の目標や戦略と整合性が取れているかを確認します。個人のミッションやキャリアプランとの関連性も考慮に入れると、より主体的に取り組めます。

T (Time-bound - 期限)

NG例
いつか新規売上300万円を達成する。

OK例
〇〇年〇月末までに、新規契約5件、合計300万円の売上を達成する。

ポイント
「いつまでに」達成するのか、明確な期限を設定します。「〇月末まで」「〇〇四半期中」など、具体的な期日を設けることで、計画的に行動できるようになります。

【完成したSMARTな営業目標の例】

担当エリアの未取引企業(従業員50名以上)から、〇〇年〇月末までに新規契約を5件獲得し、合計300万円の売上を達成する。これは部署全体の新規売上目標1,000万円達成に貢献し、会社の重点戦略とも合致する。

このようにSMART原則を用いることで、具体的で行動につながる営業目標を設定できます。

SMART目標設定の具体例

状況Before (曖昧な目標)After (SMARTな目標)
新規開拓新規顧客をとにかく増やす〇〇業界の中小企業に対し、△△サービスを提案し、6月末までに新規契約を10件獲得する。
これはチームの新規契約目標30件達成に貢献する。
既存顧客深耕既存顧客へのフォローを強化する担当する既存顧客上位20社に対し、アップセル・クロスセル提案を行い、
下半期中に既存顧客からの売上を前年同期比15%増(〇〇万円)を達成する。
個人スキルアップ営業スキルをもっと上げる顧客へのヒアリング力向上のため、毎月1冊営業関連書籍を読み、
ロープレを週1回実施し、次回の同行評価でヒアリング項目評価4以上(5段階) を獲得する。

SMART原則を活用する際の注意点・コツ

SMART原則は有効なツールですが、活用する際には以下の点に注意しましょう。

柔軟性を持つ

市場環境や状況は変化します。設定した目標が現状にそぐわなくなった場合は、固執せずに見直す柔軟性も重要です。

目標を共有し合意形成を図る

特にチームで目標を設定する場合、一方的に押し付けるのではなく、メンバーと十分に話し合い、納得感のある目標を設定することが大切です。

定期的な進捗確認とレビュー

目標を設定して終わりではなく、定期的に進捗を確認し、必要に応じて軌道修正を行いましょう。週次や月次でのレビューが効果的です。

「A (達成可能)」と「R (関連性)」のバランス

達成可能性ばかりを重視すると目標が低くなりすぎ、逆に関連性や挑戦ばかりを求めると達成不可能な目標になりがちです。バランスを意識しましょう。

SMARTに縛られすぎない

SMART原則はあくまでフレームワークです。目標によっては数値化しにくい定性的な要素も重要になる場合があります。目的に応じて使い分けることも考えましょう。

より効果的なSMARTER原則

近年、SMART原則にさらに2つの要素を加えた「SMARTER(スマーター)原則」も注目されています。

  • Evaluated(評価):目標達成に向けたプロセスや進捗を定期的に評価する。
  • Reviewed(見直し):評価結果に基づき、目標や行動計画を定期的に見直す。

これにより、目標設定→実行→評価→見直しというPDCAサイクルをより効果的に回し、継続的な改善と目標達成を促すことができます。

まとめ

営業活動において、明確で達成可能な目標を設定することは、成果を出すための第一歩です。SMART原則は、そのためのシンプルかつ効果的なフレームワークです。

今回ご紹介したステップや具体例を参考に、ぜひあなた自身の、あるいはチームの営業目標設定にSMART原則を取り入れてみてください。目標が具体的になることで、日々の行動が変わり、モチベーションが向上し、着実に成果へと繋がっていくはずです。

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