営業職の服装選び!基本マナーからNG例、好印象を与えるコツまで徹底解説
目次
第一印象が勝負を分けることも多い営業活動において、適切な服装選びは成功への第一歩と言えるでしょう。しかし、「どんな服装が正解なの?」「業界や相手によって変えるべき?」「ビジネスカジュアルってどこまでOK?」など、服装に関する悩みは尽きないものです。
本記事では、営業の服装に関するあらゆる疑問を解消し、顧客から信頼され、成果に繋げるための服装術を、基本マナーから応用テクニックまで、男女別・状況別に徹底解説します。
営業時の服装
どんな業界、どんな相手であっても、営業の服装で最も重要なのは以下の3つの基本原則です。
1. 清潔感 (Seiketsukan)
衣服
シワや汚れがないか(シャツのアイロン、スーツのブラッシングは必須)、ほつれや毛玉はないか。
靴
磨かれているか、かかとはすり減っていないか。意外と見られています。
髪型・身だしなみ
寝癖はないか、フケは落ちていないか、爪は清潔か、(男性の場合)髭は整えられているか、(女性の場合)派手すぎないナチュラルメイクか。
匂い
香水や整髪料のつけすぎ、体臭・口臭に注意。無臭が基本です。
2. サイズ感 (Size Kan)
スーツやジャケット、シャツ、パンツ、スカートなどが、自分の体型に合っているか。大きすぎても小さすぎても、だらしない印象や窮屈な印象を与えます。特に肩幅、袖丈、着丈、ウエスト周りは要チェックです。
3. TPO (Time, Place, Occasion)
Time (時間)
季節感(夏はクールビズ、冬はウォームビズなど)に合った素材やスタイルか。
Place (場所)
訪問先の企業の文化や業種、オフィスの雰囲気に合っているか。
Occasion (場面)
初めての訪問か、定例訪問か、プレゼンテーションか、会食かなど、目的に応じた服装か。
【男性編】営業職の服装:アイテム別解説
男性営業職の基本スタイルはスーツです。以下のポイントを押さえましょう。
スーツ
| 項目名 | 内容 |
|---|---|
| 色 | ネイビー、チャコールグレーが基本。 無地か、目立たないストライプやチェック柄。 |
| 形 | 体型に合ったジャストサイズ。 シングルブレストの2つボタンまたは3つボタンが一般的。 |
| 素材 | ウールが基本。季節に合わせてサマーウールなども。 |
| 手入れ | 定期的なクリーニングと日々のブラッシング。 連続着用は避ける。 |
ワイシャツ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 色 | 白無地が最もフォーマルで清潔感がある。 薄いブルーや、派手すぎないストライプも可。 |
| 襟 | レギュラーカラー、ワイドカラーが一般的。 ボタンダウンはややカジュアルな印象になるため、相手先によっては避ける。 |
| サイズ | 首周りと袖丈が合っていること。 首元は指1本入る程度、袖はジャケットから1〜1.5cm出るのが目安。 |
| 手入れ | アイロンがけは必須。襟袖の汚れに注意。 |
ネクタイ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 色・柄 | スーツやシャツとのバランスを考える。 無地、小紋柄、レジメンタルストライプなどが基本。 派手すぎる色やキャラクターものは避ける。 |
| 素材 | シルクが基本。 |
| 結び方 | ディンプル(くぼみ)を作ると立体感が出てこなれた印象に。 長さはベルトのバックルに剣先がかかる程度。 |
ベルト
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 色 | 靴の色と合わせるのが基本(黒い靴なら黒いベルト)。 |
| デザイン | シンプルなバックルの革製のもの。 |
靴下
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 色 | スーツまたは靴の色に合わせる。ダークカラー(黒、紺、グレー)の無地が基本。 |
| 長さ | 座った時に素肌が見えないミドル丈(ロングホーズ)。 |
| 注意点 | 白い靴下、くるぶし丈の靴下はNG。 |
靴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種類 | 革靴。 紐付きのストレートチップ(最もフォーマル)、プレーントゥが基本。 ローファーはカジュアルとされる場合が多い。 |
| 色 | 黒またはダークブラウン。 |
| 手入れ | 常に磨かれた状態を保つ。かかとのすり減りにも注意。 |
その他
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 鞄 | A4サイズの書類が入る、自立するビジネスバッグ(革製またはナイロン製)。 色は黒、紺、茶などが無難。 |
| 時計 | ビジネスシーンにふさわしい、シンプルでアナログなものが好ましい。 |
| アクセサリー | 基本的に不要。結婚指輪以外は避けるのが無難。 |
| 髪型・髭 | 清潔感を第一に。整髪料で整え、髭はきれいに剃るか、整える。 |
【女性編】営業職の服装:アイテム別解説
女性営業職の服装は、男性に比べて選択肢が多いですが、基本は同様に「清潔感」「上品さ」「機能性」です。
スーツ・セットアップ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種類 | パンツスーツ、スカートスーツどちらでも可。 企業の雰囲気や動きやすさで選ぶ。 ジャケット+スカート/パンツの組み合わせも。 |
| 色 | ネイビー、グレー、ベージュ、黒などが基本。 派手な色や柄は避ける。 |
| 形 | 体型に合ったジャストサイズ。 スカート丈は膝が隠れる程度が上品。 パンツはストレートやテーパードが主流。 |
| 素材 | 季節感に合わせたもの。 |
インナー (ブラウス・カットソー)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 色 | 白、淡いピンク、水色、ベージュなど、清潔感のあるベーシックカラー。 |
| デザイン | シンプルなものが基本。胸元が開きすぎていないか、透け感がないか注意。 フリルやリボンが過度なものは避ける。 |
| 素材 | シフォン、サテン、コットンなど。シワになりにくい素材も便利。 |
ストッキング
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 色 | ナチュラルなベージュ系が基本。素肌に近い色を選ぶ。 |
| 注意点 | 黒は業種や場面によってはOKだが、一般的には避けた方が無難。 柄物、ラメ入りはNG。必ず予備を持ち歩く(伝線対策)。 |
靴 (パンプス)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種類 | シンプルなデザインのパンプス。 |
| 色 | 黒、ベージュ、ネイビー、グレーなど、スーツやバッグと合わせやすいベーシックカラー。 |
| ヒール | 高すぎず低すぎない3〜7cm程度が目安。 歩きやすく、疲れにくいものを選ぶ。ピンヒールやウェッジソールは避ける。 |
| 素材 | 革または合成皮革。エナメル素材はTPOを選ぶ。 |
| 手入れ | 汚れを落とし、磨いておく。ヒールのゴムのすり減りもチェック。 |
その他
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 鞄 | A4サイズが入り、自立するビジネスバッグ。 色はベーシックカラーで、服装に合わせやすいもの。 床に置いても倒れないものが便利。 |
| アクセサリー | 小ぶりで上品なものに留める。 ピアスやイヤリング、ネックレス程度。 揺れるタイプや派手なものは避ける。 |
| メイク | ナチュラルメイクが基本。 清潔感と健康的な印象を与える程度に。 派手な色使いや濃すぎるメイクは避ける。 |
| 髪型 | 清潔感があり、顔周りがすっきり見えるようにまとめる。 長い髪は結ぶか、ハーフアップにする。 前髪が目にかからないように。 |
| ネイル | ヌーディーカラーやクリア、薄いピンクなどが基本。 派手な色やデコレーション、長すぎる爪は避ける。 |
状況に応じた服装の使い分け(TPOの実践)
基本を押さえた上で、状況に応じて服装を調整することも重要です。
業界・企業文化
金融、不動産、士業など堅い業界
ネイビーやグレーのスーツスタイルが基本。よりフォーマルさを意識する。
IT、広告、アパレルなど比較的自由な業界
ビジネスカジュアルが許容される場合も。ただし、初回訪問などではスーツが無難。相手先の雰囲気に合わせる。
製造業、建設業など現場に近い場合
作業着や動きやすい服装が求められることも。事前に確認するか、ジャケットの下は動きやすい服装にするなどの工夫を。
訪問相手
役職者や年配の方
よりフォーマルで落ち着いた服装を心がける。
若い担当者やフランクな関係
相手に威圧感を与えない、少し柔らかい印象の服装でも良い場合がある。(ただし、基本マナーは守る)
季節
夏 (クールビズ)
ノーネクタイ、ノージャケットが許可される場合も。ただし、訪問先によってはジャケット持参がマナー。インナーがだらしなく見えないよう注意。ポロシャツ可の場合も企業による。
冬 (ウォームビズ)
スーツの下にベストやカーディガンを着用するのはOK。防寒コートは訪問先に入る前に脱ぐのがマナー。
オンライン商談 (リモートワーク)
画面に映る上半身は特に注意。対面同様、ジャケットや襟付きシャツを着用し、清潔感を保つ。背景にも気を配る。
ビジネスカジュアルの注意点
「ビジネスカジュアルで」と言われた場合、どこまで崩して良いか迷うことがあります。一般的には以下のようなスタイルを指しますが、企業や業界によって基準が異なります。
男性
ジャケット(必須ではない場合も)+襟付きシャツ(ノーネクタイ可)+スラックス/チノパン+革靴
女性
ジャケット/カーディガン+ブラウス/カットソー+スカート/パンツ+パンプス/きれいめなローファー
注意点
初めて訪問する企業で「服装自由」「カジュアルで」と言われた場合でも、念のためジャケットを持参するなど、ややフォーマル寄りを意識すると安心です。ジーンズ、Tシャツ、パーカー、スニーカー、サンダルなどは、指定がない限り避けるのが無難です。迷ったら、少しフォーマル寄りの服装を選ぶのが失敗しないコツです。
これはNG!営業服装の失敗例
- シワシワ、ヨレヨレのシャツやスーツ
- 汚れた靴、すり減ったかかと
- 派手すぎる色や柄のネクタイ、シャツ、スーツ
- サイズが合っていない服(ダボダボ、ピチピチ)
- 露出が多い服装(女性のミニスカート、胸元の開きすぎたインナー)
- カジュアルすぎるアイテム(ジーンズ、Tシャツ、スニーカー ※許容される場合を除く)
- 強すぎる香水やコロン、または体臭
- 寝癖がついたままの髪、フケ
- (女性) 派手すぎるネイルやアクセサリー、濃すぎるメイク
- (男性) 無精髭、伸びすぎた爪
清潔感を保つための日々のケア
- スーツは1日着たら休ませ、ブラッシングする。
- シャツは毎日替えてアイロンをかける。
- 靴は定期的に磨き、修理が必要なら早めに出す。
- 爪を切る、髪を整える、髭を剃る/整える。
- ハンカチ、ティッシュ、予備のストッキング(女性)を携帯する。
まとめ
営業における服装は、単なるマナーではなく、顧客からの信頼を獲得し、ビジネスを成功に導くための戦略的な要素です。「清潔感」「サイズ感」「TPO」という基本原則を守り、相手や状況に合わせた適切な服装を選ぶことで、あなたは自信を持って営業活動に臨むことができます。
今日から、鏡の前で自分の服装をチェックする習慣をつけましょう。その一手間が、あなたの営業成果を大きく左右するかもしれません。