オンライン営業を成功させる全技術を徹底解説!
目次
「対面ならうまくいくのに、オンラインだとどうも顧客の反応が悪い…」
「画面越しの商談では、相手との距離が縮まらず、手応えのないまま終わってしまう…」
「自己流のオンライン営業に限界を感じている。もっと成約率を上げるための『勝ちパターン』を知りたい」
働き方の多様化やDXの推進により、今や「オンライン営業」は、業界を問わずあらゆる営業担当者にとって必須のスキルとなりました。しかし、その一方で、対面営業との違いに戸惑い、思うような成果を出せずに悩んでいる方が非常に多いのも事実です。
本記事では、現代のビジネスシーンにおいて必須スキルとなった「オンライン営業」について、その基本的な考え方から、成果を出すための具体的なコツ、そして活用すべきツールまでを、網羅的かつ体系的に解説します。
オンライン営業とは?
オンライン営業とは、ZoomやGoogle Meet、Microsoft TeamsといったWeb会議システムなどを活用し、顧客と直接会うことなく(非対面で)行う営業活動全般を指します。「リモート営業」や「オンライン商談」も、ほぼ同義で使われます。インサイドセールスが担う電話やメールでのアプローチも含め、広くは非対面での営業活動全体を指す言葉です。
オンライン営業のメリット
移動時間の削減による効率化
1日に対応できる商談件数が飛躍的に増加します。
交通費・出張費の削減
営業コストを大幅に削減できます。
エリアの拡大
距離の制約がなくなり、国内外の顧客にアプローチできます。
商談の記録・分析が容易
録画機能を使えば、後から自身の商談を客観的に振り返ったり、チームで共有して分析したりすることが可能です。
デメリット
信頼関係(ラポール)の構築が難しい
画面越しでは、非言語情報(表情の細かな変化、身振り手振り、場の空気感など)が伝わりにくく、人間的な繋がりを築きにくい側面があります。
コミュニケーションのタイムラグ
わずかな音声や映像の遅延が、会話のテンポを悪くさせることがあります。
相手の集中力が途切れやすい
顧客はPC画面を見ているため、別の通知や作業に気を取られがちです。
通信トラブルのリスク
不意の通信障害で、重要な商談が中断してしまう可能性があります。
デメリットを克服することが成功への第一歩
オンライン営業で成果を出す鍵は、メリットを最大化することはもちろん、これらのデメリットをいかにして技術と工夫で克服するかにかかっています。
オンライン営業は「準備」が8割!商談前にやるべきこと
対面以上に、オンライン営業は事前準備の質が成果を大きく左右します。
コツ1:徹底した事前リサーチと商談ゴールの設定
顧客のWebサイトやSNS、過去のやり取りを徹底的に見直し、「今回の商談で、顧客にどうなってほしいのか」というゴールを明確に設定します。「製品を理解してもらう」といった曖昧なものではなく、「〇〇の機能に対する懸念を払拭し、次回、決裁者同席のデモのアポイントを取り付ける」といった、具体的で測定可能なゴールを設定しましょう。
コツ2:相手が一目で理解できる「シンプル」な資料作り
画面越しに見る資料は、対面で見るよりも視認性が落ちます。文字を詰め込みすぎず、図やグラフを多用し、「1スライド=1メッセージ」を徹底した、シンプルで分かりやすい資料を準備しましょう。重要な箇所はフォントサイズを大きくしたり、色を変えたりする工夫も有効です。
コツ3:アジェンダを作成し、事前に共有する
「本日は〇〇について、約30分間お時間をいただきます。最初に…次に…最後に…という流れで進めさせていただきます」というアジェンダ(議題と時間配分)を作成し、商談前にメールなどで共有しておきましょう。これにより、顧客は安心して商談に臨め、議論の脱線を防ぐことができます。
コツ4:最強の第一印象を作る「環境」の整備(背景・照明・音声)
オンライン営業におけるあなたの「背景」や「映り」は、対面営業における「身だしなみ」と同じくらい重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 背景 | 生活感のある部屋が映り込まないよう、バーチャル背景や物理的なスクリーンを活用しましょう。 |
| 照明 | 顔が暗く映ると、不健康で自信のない印象を与えます。 リングライトなどを使い、顔を明るく照らしましょう。 |
| 音声 | 最も重要な要素です。 PCの内蔵マイクではなく、クリアに音声が拾えるマイク付きイヤホンやヘッドセットを必ず使用しましょう。 |
コツ5:本番を見据えたリハーサルとツール操作の習熟
「いざ画面共有しようとしたら、操作方法が分からずにもたついてしまった…」といったトラブルは、プロフェッショナルな印象を大きく損ないます。使用するWeb会議システムの操作(画面共有、録画、マイクのミュートなど)は、事前に完璧に習熟しておきましょう。できれば、同僚とロールプレイングを行い、本番さながらのリハーサルをしておくのが理想です。
【実践編】画面越しでも顧客の心を掴むコミュニケーション術
入念な準備ができたら、いよいよ実践です。画面越しでも顧客の心を掴むための具体的なテクニックを紹介します。
コツ1:【冒頭】アイスブレイクで「心理的距離」を縮める
いきなり本題に入るのは厳禁です。商談開始後の最初の2〜3分は、意識的にアイスブレイクの時間を設けましょう。相手の背景に映るもの(ポスター、本棚など)について触れたり、事前にリサーチした相手の趣味や関心事について話したりすることで、場の空気が和み、心理的な距離がぐっと縮まります。
コツ2:【ヒアリング】相槌・うなずきは「3割増し」で行う
画面越しでは、こちらの反応が相手に伝わりにくいため、普段よりも少し大げさなくらいの相槌やうなずきを心がけましょう。「なるほど!」「おっしゃる通りですね」といった言葉でのリアクションと、はっきりとしたうなずきを組み合わせることで、相手は「しっかり話を聞いてくれている」と安心して話すことができます。
コツ3:【プレゼン】一方的に話さない。「対話」を意識した進行
オンラインでの一方的なプレゼンテーションは、相手の集中力を最も削ぐ行為です。5分に一度は「ここまでで、何かご不明な点はございますか?」「〇〇様の場合、この機能はどのようにお使いになれそうでしょうか?」といった問いかけを挟み、顧客を巻き込みながら「対話」形式で商談を進めましょう。
コツ4:【画面共有】マウスカーソルを「指し棒」のように使う
資料を画面共有している際は、マウスカーソルをレーザーポインターのように活用し、「今、この部分についてお話ししています」と視覚的に示すことで、相手の理解を助け、どこを見ればいいか迷わせません。
コツ5:相手のエンゲージメントを高める「問いかけ」の技術
「はい/いいえ」で終わる質問(クローズドクエスチョン)だけでなく、「〇〇について、具体的にはどのような点でお困りですか?」(オープンクエスチョン)といった、相手が自由に話せる質問を投げかけることで、対話を深め、真のニーズを引き出すことができます。
コツ6:【クロージング】ネクストアクションを明確に合意する
商談の最後には、必ず「では、次のステップとしまして、〇月〇日までに本日のお打ち合わせ内容を反映したお見積書をお送りしますので、ご確認いただけますでしょうか」というように、「誰が」「いつまでに」「何をするか」というネクストアクションを明確にし、双方で合意形成しましょう。
オンライン営業の効果を最大化するおすすめツール
オンライン営業は、適切なツールを組み合わせることで、その効果を何倍にも高めることができます。
Web会議システム(Zoom, Google Meet, Microsoft Teams)
オンライン営業の必須ツールです。画面共有や録画機能はもちろん、ブレイクアウトルーム(参加者を小グループに分ける機能)や投票機能などを活用することで、より双方向性の高い商談が可能になります。
営業支援ツール(SFA/CRM)
SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)を導入することで、顧客情報や過去の商談履歴、オンライン商談の録画データなどを一元管理できます。これにより、担当者以外でも顧客の状況を把握でき、組織的な営業活動が可能になります。
ドキュメント共有ツール・電子契約サービス
提案書や見積書をクラウド上で安全に共有できるツール(Google Drive, Dropboxなど)や、契約書への捺印・署名をオンラインで完結できる電子契約サービス(クラウドサイン, DocuSignなど)を活用することで、契約プロセスを迅速化できます。
多くの人が陥るオンライン営業の失敗例
失敗例1:いきなり本題から入ってしまう
対面以上に、オンラインでは相手との心理的な距離を縮めるプロセスが重要です。アイスブレイクを省略し、挨拶もそこそこに製品説明から入ってしまうと、相手は警戒心を解くことができず、本音を引き出すことはできません。
失敗例2:資料をただ読み上げるだけのプレゼン
画面共有した資料を、上から順に読み上げるだけの「朗読会」になってしまうケースです。これでは、相手はすぐに飽きてしまいます。資料はあくまで話の補助線と考え、重要なポイントを自分の言葉で、熱意を込めて語ることが重要です。
失敗例3:相手の反応がなくてもお構いなしに進めてしまう
相手の表情や反応が見えにくいため、つい自分のペースで一方的に話し続けてしまうことがあります。意識的に「間」を取り、相手が話すきっかけを作ったり、「〇〇様、いかがでしょうか?」と名指しで問いかけたりして、相手の反応を確認しながら進める姿勢が不可欠です。
オンライン営業に関するQ&A
Q. 相手がカメラをオンにしてくれません。どうすればいいですか?
A. 無理強いは禁物です。まずは、こちらから「よろしければ、お互いの表情が見えた方がコミュニケーションが取りやすいかと思いますので、カメラをオンにしていただけますと幸いです」と、丁寧にお願いしてみましょう。それでもオフの場合は、相手の事情を尊重し、その分、声のトーンや相槌をより意識して、相手が話しやすい雰囲気を作ることに注力しましょう。
Q. 通信トラブルが起きてしまいました。最適な対処法は?
A. 慌てず、冷静に対応することが第一です。まずはチャット機能などで「申し訳ございません、音声が途切れております」と状況を伝えましょう。改善しない場合は、「一度、再接続させていただきます」と伝えて一度退出・再入室を試みます。それでもダメな場合は、「大変恐縮ですが、お電話に切り替えさせていただいてもよろしいでしょうか?」と代替案を提示するのがスマートです。
Q. オンラインでの名刺交換はどうするのがスマートですか?
A. バーチャル背景に自身の名前や部署、連絡先を記載した名刺画像を設定しておくのが一般的です。また、商談の冒頭で、オンライン名刺交換ツール(Sansanのバーチャルカードなど)のURLをチャットで送ったり、商談後の御礼メールに署名と合わせてプロフィールページのURLを記載したりする方法も有効です。
まとめ
本記事では、オンライン営業で成果を出すための具体的なコツを、準備から実践、ツール活用に至るまで網羅的に解説しました。
オンライン営業は、もはや一時的な代替手段ではありません。効率性やエリアの広がりといった大きなメリットを持つ、これからの時代のスタンダードな営業手法です。対面営業で培った顧客との関係構築力に、本記事で紹介したオンラインならではの技術を掛け合わせることができれば、あなたの営業パフォーマンスは、間違いなく次のステージへと進化するはずです。
オンラインの特性を理解し、それを味方につけること。オンライン営業を制する者が、これからの営業を制すると言っても過言ではないでしょう。