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更新日 2025年07月25日

【導入成功ガイド】Sales Cloudとは?価格・できること・使い方を徹底解説!

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「チームの営業状況は?と聞かれても、一言では説明できない…」
「Excelでの案件管理は、入力も更新も大変で、もう限界だ…」
「頑張っているはずなのに、なぜか売上が伸び悩んでいる…」

もし、あなたが経営者や営業マネージャーとして、このような課題に一つでも心当たりがあるなら、その原因は「営業活動の属人化」と「データに基づかない非効率な営業」にあるのかもしれません。

この記事では、世界No.1のSFA/CRMツールである「Salesforce Sales Cloud」を導入することで、これらの根深い課題をいかに解決できるのかを、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。単なる機能紹介に留まらず、自社に合った価格プランの選び方から、導入で失敗しないための具体的なステップまで、あなたの会社の営業組織を変革するための「導入成功ガイド」として、ぜひ最後までお役立てください。

Sales Cloudが求められる背景

多くの企業で、長年Excelやスプレッドシートが営業管理の主役でした。しかし、ビジネスのスピードが加速し、顧客の要求が高度化する現代において、その限界は明らかです。

「あの案件どうなった?」が飛び交う会議…情報共有の遅れと属人化

営業担当者それぞれのPCに保存されたExcelファイル。そこには、担当者しか知らない貴重な顧客情報や商談の進捗が眠っています。マネージャーが「あの案件、どうなってる?」と聞かなければ状況がわからず、リアルタイムな情報共有はできません。

これでは、担当者が急に休んだり、異動や退職をしたりすれば、その顧客との関係性やノウハウは一瞬にして失われてしまいます。これは、営業活動が完全に個人のスキルに依存する「属人化」という、極めて危険な状態です。

頑張っているのに儲からない…データに基づかない営業活動の罠

Excel管理では、過去の営業活動をデータとして蓄積し、分析することが極めて困難です。「なぜ受注できたのか」「なぜ失注したのか」という貴重な学びが共有されず、同じ失敗を繰り返してしまいます。

どの顧客にアプローチすべきか、どの案件を優先すべきかといった戦略的な判断も、個人の「勘と経験」に頼らざるを得ません。長時間働いているのに成果が出ない「忙しいのに儲からない」という悪循環は、データに基づかない営業活動が引き起こしているのです。

Sales Cloudとは?

これらの課題を解決する強力な武器が、Salesforce社が提供する「Sales Cloud」です。世界15万社以上が導入する、まさにSFA/CRMの王様とも言えるツールです。

SFAとCRMの違いとSales Cloudの位置づけ

そもそも、よく耳にする「SFA」と「CRM」は何が違うのでしょうか。

システム目的主な機能
SFA(Sales Force Automation)営業支援システム営業活動の効率化、案件管理の可視化商談管理、活動管理、売上予測など
CRM(Customer Relationship Management)顧客関係管理顧客との良好な関係を維持・構築し、LTV(顧客生涯価値)を最大化顧客情報管理、問い合わせ管理、メール配信など

簡単に言えば、SFAは「商談」に、CRMは「顧客」に焦点を当てたツールです。Sales Cloudは、これら両方の機能を高いレベルで併せ持っており、営業活動から顧客管理までを一気通貫で支援できる統合プラットフォームと位置づけられています。

Salesforceエコシステムという強み

Sales Cloudの本当の強みは、単機能の優位性だけではありません。最大の理由は「Salesforceエコシステム」と呼ばれる、その圧倒的な拡張性にあります。

AppExchangeというビジネスアプリのマーケットプレイスには、Sales Cloudの機能を拡張する7,000以上ものアプリが公開されています。これにより、会計、人事、マーケティングなど、あらゆる業務システムと連携させ、自社の成長や業種に合わせて、まるでOSをアップデートするようにシステムを柔軟に進化させ続けることができるのです。

Sales Cloudでできること【主要機能7選】

では、具体的にSales Cloudを導入すると何ができるようになるのでしょうか。ここでは、営業活動を劇的に変える7つの主要機能をご紹介します。

① 顧客・取引先情報の一元管理

Before

名刺や個人のExcelで、顧客情報がバラバラに管理されていた。

After

会社名、担当者、役職、過去のやり取りまで、全ての顧客情報がSales Cloudに集約。担当者不在時でも、誰もが顧客の状況を把握し、スムーズに対応できます。

② 案件の進捗を可視化する商談管理

Before

案件の進捗状況は、担当者の頭の中にしかなく、マネージャーは会議で聞くまでわからなかった。

After

各案件が「アプローチ」「提案」「クロージング」など、どの段階にあるかをリアルタイムで可視化。案件の停滞やフォロー漏れをなくし、的確なタイミングで次の一手を打てます。

③ AIによる高精度な売上予測

Before

売上予測は、担当者の「たぶん大丈夫です」という感覚的な報告に頼っていた。

After

過去の類似案件のデータや現在の進捗状況を基に、AIが客観的で精度の高い売上予測を自動で算出。経営層は、より確実な事業計画を立てることができます。

④ リアルタイムな営業活動の可視化と分析(レポート&ダッシュボード)

Before

営業レポートの作成に、担当者がExcelで何時間もかけていた。

After

蓄積されたデータを基に、個人の活動量やチームの目標達成率、受注率の推移などを、グラフや表で分かりやすく自動で可視化。データに基づいた課題発見と改善アクションが迅速に行えます。

⑤ 見積書の作成から承認プロセスの自動化

Before

見積書を作成し、上長にメールで送り、承認をもらうまでに数日かかっていた。

After

Sales Cloud上で簡単に見積書を作成し、そのままシステム上で承認申請が可能。承認プロセスがスピードアップし、顧客への迅速な提案を実現します。

⑥ モバイル対応で、いつでもどこでも営業活動

Before

外出先での報告や顧客情報の確認のために、一度帰社する必要があった。

After

スマートフォンアプリから、移動中や待ち時間に簡単に行動履歴の入力や顧客情報の確認が可能。隙間時間を有効活用し、生産性を飛躍的に向上させます。

⑦ AIアシスタント「Einstein」による営業活動の最適化

Before

どのお客様に、いつ、何をアプローチすべきか、勘に頼っていた。

After

SalesforceのAI「Einstein」が、過去のデータから受注確度の高い見込み客を教えてくれたり、効果的な次のアクションを提案してくれたりします。AIを優秀な営業アシスタントとして活用できます。

Sales Cloudの価格プランを徹底比較!自社に合うのはどれ?

Sales Cloudには、主に4つのエディション(プラン)が用意されており、企業の規模や必要な機能に応じて選ぶことができます。

【価格表】4つのエディション(Starter, Professional, Enterprise, Unlimited)の違い

エディション月額料金(1ユーザーあたり)主なターゲット特徴
Starter3,000円スタートアップ・小規模企業基本的なSFA/CRM機能をパッケージ化。
手軽に始められる。
Professional12,000円中小企業フル機能のCRM。
本格的な営業管理と予測が可能。
Enterprise24,000円中堅・大企業高度なカスタマイズ性とワークフロー自動化機能が充実。
最も人気のプラン。
Unlimited48,000円大企業・DX推進企業無制限のカスタマイズ、24時間365日のサポート、最高レベルの機能を提供。

※価格は2025年7月現在の税抜価格です。正確な情報は必ず公式サイトでご確認ください。

失敗しないプランの選び方と注意点

スモールスタートなら「Starter」または「Professional」

まずは基本的な営業管理を始めたい、という中小企業には、コストパフォーマンスに優れたProfessionalが最も一般的です。

将来の拡張性を見るなら「Enterprise」

複数部門での利用や、複雑な業務プロセスの自動化を視野に入れている場合は、Enterpriseが最適です。最も多くの企業に選ばれている人気のプランです。

まずは小さく始めて、後からアップグレードも可能

Salesforceの強みは、会社の成長に合わせてプランを柔軟に変更できる点です。迷ったら、まずは下位プランから始めて、必要に応じてアップグレードするのも賢い選択です。

Sales Cloudを導入する5つのメリット

Sales Cloudを導入することは、単なるツール導入以上の、組織全体を変革するインパクトをもたらします。

メリット1:営業活動の属人化を防ぎ、組織の勝ちパターンを構築

トップセールスの行動や成功した商談プロセスがデータとして蓄積されます。その「暗黙知」がチーム全員が学べる「形式知」となり、組織全体の営業力が底上げされます。

メリッ2:データに基づいた科学的な営業戦略が立てられる

「どの業界からの受注率が高いか」「失注の主な原因は何か」といったことがデータで明確になります。勘や経験に頼るのではなく、客観的な根拠に基づいた的確な営業戦略を立案できます。

メリット3:報告業務などの付帯業務を削減し、生産性を向上

日報の自動作成やモバイルからの簡単な入力により、営業担当者は報告業務から解放されます。創出された時間を、顧客との対話や提案準備といった、本来注力すべきコア業務に集中させることができます。

メリット4:正確な売上予測で、的確な経営判断を支援

AIも活用した精度の高い売上予測は、経営層が人員計画や予算配分といった重要な意思決定を行う上での、信頼できる羅針盤となります。

メリット5:拡張性(AppExchange)で、会社の成長に合わせて進化できる

会社の成長フェーズや市場の変化に合わせて、AppExchangeから必要な機能を追加できます。一度導入すれば、陳腐化することなく、常に自社に最適なシステムとして使い続けることが可能です。

Sales Cloud導入で失敗しないための3つのステップ

どんなに優れたツールも、導入プロセスを間違えれば宝の持ち腐れになります。成功への道を歩むための3つの重要なステップをご紹介します。

Step1:目的の明確化「何のために導入するのか?」

最も重要なステップです。「属人化を解消したい」「報告業務を効率化したい」など、ツール導入によって達成したい目的を、具体的な数値目標と共に明確にしましょう。この目的が、プロジェクト全体のブレない軸となります。

Step2:業務プロセスの見直しと要件定義

現在の非効率な業務プロセスをそのままシステム化しても、効果は半減します。Sales Cloud導入を機に、「この報告書は本当に必要か?」「承認プロセスはもっと簡略化できないか?」といった業務プロセスそのものを見直しましょう。

Step3:導入後の定着化に向けた計画と社内体制の構築

ツール導入はゴールではなく、スタートです。「誰が管理者になるのか」「どのような入力ルールを設けるのか」「どうやって社員に使い方を教育するのか」といった、導入後の定着化計画をあらかじめ立て、現場を巻き込みながら進めることが成功の鍵です。

【業種・規模別】Sales Cloudの活用事例

事例1:【IT業界・中小企業】Excel管理から脱却し、受注率を1.5倍に改善

項目内容
課題Excelでの案件管理が限界に達し、案件の取りこぼしや二重アプローチが頻発していた。
施策Sales Cloud Professionalを導入し、顧客情報と案件情報を一元化。
ダッシュボードで各担当者の進捗をリアルタイムで可視化した。
効果営業活動のボトルネックが明確になり、マネージャーからの的確なアドバイスが可能に。
結果、チーム全体の受注率が1.5倍に向上した。

事例2:【製造業・大企業】部門間の壁をなくし、全社的な顧客基盤を構築

項目内容
課題営業、マーケティング、カスタマーサポートでそれぞれ別のシステムを利用しており、顧客情報がサイロ化。一貫した顧客対応ができていなかった。
施策Sales Cloud Enterpriseを中核に、Marketing CloudやService Cloudと連携。
全社で統一された顧客情報基盤を構築した。
効果ある顧客に対する全てのアクションが時系列で把握できるように。
顧客理解が深まり、パーソナライズされた提案が可能になったことで、顧客満足度が大幅に向上した。

よくある質問(Q&A)

Q. Service Cloudとの違いは何ですか?

A. 非常に良い質問です。一言で言うと、Sales Cloudは「営業(商談獲得)」に、Service Cloudは「顧客サポート(問合せ対応)」に特化したツールです。営業部門が中心に使うのがSales Cloud、コールセンターやカスタマーサポート部門が中心に使うのがService Cloudと覚えると分かりやすいでしょう。両方を連携させることで、より強力な顧客管理が実現できます。

Q. 中小企業でも導入できますか?

A. はい、もちろん可能です。Salesforceはもはや大企業だけのものではありません。月額3,000円から始められる「Starter」プランや、多くの中小企業に選ばれている「Professional」プランなど、企業の規模や予算に応じた柔軟な選択肢が用意されています。まずはスモールスタートできるのが大きな魅力です。

Q. 導入にかかる費用はライセンス料だけですか?

A. ライセンス料が基本的な費用となりますが、それ以外に費用がかかる場合もあります。例えば、初期設定や既存データからの移行をパートナー企業に依頼する場合の「導入支援費用」や、導入後の定着化を支援してもらうための「コンサルティング費用」などです。自社の状況に合わせて、どこまでを自社で行い、どこから専門家の力を借りるかを検討することが重要です。

まとめ

本記事では、Sales Cloudの基本的な知識から、具体的な機能、価格、そして導入を成功させるための秘訣までを網羅的に解説しました。

Sales Cloudは、単なる業務効率化ツールではありません。それは、これまで個人の勘と経験に頼りがちだった営業活動を、データに基づいた「科学」へと進化させ、組織全体の働き方そのものを変革する「OS(オペレーティングシステム)」のような存在です。

Excel管理に限界を感じ、営業組織を次のステージへと引き上げたいとお考えなら、Sales Cloudは最も強力なパートナーとなるでしょう。この記事が、あなたの会社の変革への第一歩となれば幸いです。

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