ZoomInfoとは?料金・使い方から競合比較まで徹底解説!
目次
「ターゲット企業のキーパーソンに、どうやったらたどり着けるんだ…」
「手当たり次第のテレアポやメール営業は、もう限界だ」
「ABMやインテントセールスを始めたいが、そのために必要な質の高いデータがない」
BtoBの営業やマーケティングに携わる方であれば、誰もが一度はこのような壁にぶつかったことがあるのではないでしょうか。
その、BtoB営業・マーケティングにおける長年の根深い課題を、圧倒的なデータとインテリジェンスで解決するのが、今回ご紹介する「ZoomInfo」です。
この記事では、ZoomInfoとは何か、その基本から、料金、日本での具体的な活用法、そして国内の競合ツールとの違いまで、専門家の視点から徹底的に解説します。
ZoomInfoとは?
ZoomInfoとは、ひと言でいえば、世界中の企業情報、およびそこで働く人々の部署・役職・連絡先といった情報を網羅した、世界最大級のBtoB向けインテリジェンスプラットフォームです。
ターゲット企業の組織図やキーパーソンの連絡先を瞬時に把握できるだけでなく、その企業が今、何に関心を持っているか(インテントデータ)まで捉えることで、営業・マーケティング活動の精度と効率を劇的に向上させます。
ZoomInfoが解決する根深い課題
- 営業リスト作成に膨大な時間がかかる
- ターゲット企業のキーパーソンが見つからない、連絡先が分からない
- アプローチしても、相手のニーズや検討状況が分からず、的外れな提案をしてしまう
- Webサイトからの問い合わせフォームの入力が面倒で、離脱されてしまう(コンバージョン率が低い)
なぜZoomInfoのデータは高精度なのか?
ZoomInfoの強みは、そのデータの「量」と「鮮度」にあります。AIを活用してインターネット上の公開情報(ニュースリリース、SNS、企業サイトなど)を常にクロールしているだけでなく、電話やメールによる人手での確認、さらにはユーザーコミュニティからの情報提供などを組み合わせることで、高精度なデータを維持しています。
ZoomInfoの主要機能でできること
ZoomInfoは単なるデータベースではありません。営業・マーケティングの各プロセスを効率化するための、多彩な機能を備えています。
FormComplete
自社のWebサイトに設置した問い合わせフォームで、ユーザーがメールアドレスを入力するだけで、ZoomInfoが保有するデータから会社名や氏名、役職などを自動で補完入力します。これにより、ユーザーの入力の手間を省き、フォームからの離脱を防ぎ、コンバージョン率を高めます。
Contact & Company Search
ZoomInfoの核となる機能です。業種、売上規模、従業員数といった基本的な情報はもちろん、「現在利用しているテクノロジー(例:AWSを使っている企業)」や「特定の役職(例:マーケティング部長)」といった、極めて詳細な条件でターゲット企業・人物を絞り込み、質の高い営業リストを瞬時に作成できます。
Intent Data
特定のトピック(例:自社の競合製品名、関連キーワードなど)に関するWeb上の行動(検索、記事閲覧など)が活発化している企業を「インテント(意図)が高まっている企業」として特定します。これにより、顧客が能動的に情報を探し始めたまさにその瞬間を捉え、他社に先駆けてアプローチすることが可能になります。
Workflows
「自社のCRMに新しいリードが登録されたら、自動でZoomInfoのデータを使って情報をリッチ化(拡充)する」「毎朝、インテントデータが急上昇した企業をリストアップし、担当者に通知する」といった、定型的な作業を自動化します。
Chorus.ai
これは、ZoomInfoが提供する「会話インテリジェンス」機能です。オンラインでの商談を録画し、AIがその内容を分析。「トップセールスは、競合の話が出たときにこう切り返している」「この部分の説明で、顧客の反応が良かった」といった成功パターンを特定し、チーム全体の営業力強化や新人教育に活用できます。
ZoomInfoの料金体系
多くの人が気になるのが料金でしょう。結論から言うと、ZoomInfoは安価なツールではありませんが、その価値を理解することが重要です。
ZoomInfoの料金は個別見積もり
ZoomInfoの料金体系は、公式サイトにも明記されておらず、企業の状況やニーズに応じた個別見積もりとなっています。
料金が決まる3つの要素
一般的に、料金は以下の3つの要素の組み合わせで決まります。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| ライセンス数 | ZoomInfoを利用するユーザーの数。 |
| 機能の階層 | 基本的な企業・人物データのみか、インテントデータや会話インテリジェンス(Chorus.ai)まで利用するかなど、契約する機能の範囲。 |
| クレジット数 | データベースから情報を閲覧・エクスポート(出力)できる件数。 |
想定される価格帯と費用対効果の考え方
具体的な金額は提示できませんが、一般的に年間数百万円から数千万円規模の投資になることが多い、エンタープライズ向けの価格帯です。
重要なのは、その費用対効果をどう考えるかです。例えば、これまで1件獲得するのに100件のテレアポが必要だったものが、ZoomInfoの活用で10件のアプローチで1件獲得できるようになった場合、営業担当者の人件費や時間をどれだけ削減できるでしょうか。また、これまでアプローチできなかったような大企業のキーパーソンとの商談が1件でも決まれば、投資額を十分に回収できる可能性があります。「これはコストか、投資か」という視点での検討が不可欠です。
ZoomInfoの具体的な使い方・活用事例
では、この海外製のツールを、日本のビジネスでどのように活用できるのでしょうか。具体的なシナリオを3つご紹介します。
シナリオ1:外資系企業や国内大手企業の「キーパーソン」に直接アプローチする
日本の大手企業では、代表電話に電話しても担当部署に繋いでもらえないことが多々あります。ZoomInfoを使えば、ターゲット部署の部長や課長クラスの氏名、メールアドレス、場合によっては直通電話番号まで特定できる可能性があります。これにより、非効率な受付ブロックを回避し、意思決定者に直接アプローチするショートカットを実現します。
シナリオ2:自社サービスと相性の良いテクノロジーを使っている企業をリストアップする
例えば、自社が「AWS環境のパフォーマンスを改善する監視ツール」を販売しているとします。ZoomInfoのテクノロジー検索で、「日本国内で、AWSを利用している、従業員数100名以上の企業」という条件でリストを作成。極めて確度の高いターゲットリストを基に、効率的なマーケティング・営業活動を展開できます。
シナリオ3:インテントデータを活用し、競合を検討中の企業に先回りしてアプローチする
自社の競合製品名(例:「Marketo」「HubSpot」など)をインテントデータのキーワードとして設定しておきます。ターゲット企業リストの中で、これらのキーワードに関するWeb行動が活発化した企業を検知したら、すかさずインサイドセールスが「〇〇をご検討中のようですが、弊社の製品とはこのような違いがございます」といった、的確な切り口でアプローチをかけることが可能です。
【重要】ZoomInfoと国内競合ツールの違いを徹底比較
ZoomInfoは強力ですが、日本国内にも優れたBtoBデータベースは存在します。自社に最適なツールを選ぶために、その違いを理解しておきましょう。
ZoomInfoを選ぶべき企業、国内ツールを選ぶべき企業
非常にシンプルに言えば、以下が選択の指針となります。
- 海外市場も積極的に狙うグローバル企業、外資系企業をターゲットにする企業 → ZoomInfo
海外企業のデータの網羅性・精度において、ZoomInfoの右に出るものはありません。 - 国内の中堅・中小企業をメインターゲットとする企業 → 国内ツール
日本の企業情報、特に中小企業やニッチな業界のデータに関しては、国内ツールの方が情報量が豊富で、コストパフォーマンスも良い場合があります。
主要な国内競合ツールとの比較表
| 比較軸 | ZoomInfo | FORCAS | uSonar | Sansan Data Hub |
|---|---|---|---|---|
| データ網羅性 | ◎ (海外に圧倒的な強み) | 〇 (国内企業情報に強み) | 〇 (国内最大級の法人マスタ) | △ (名刺交換データが起点) |
| コンタクト情報 | ◎ (メール/電話番号) | △ (役職者情報は限定的) | 〇 (部署・代表電話が中心) | ◎ (名刺情報に基づく) |
| インテントデータ | ◎ (グローバルレベル) | △ (一部機能) | 〇 (国内Web行動が中心) | - |
| 価格感 | 高 | 中 | 中 | 中 |
ZoomInfoを導入する上での注意点
強力なツールだからこそ、導入前に知っておくべき注意点もあります。
データ活用のための社内体制の構築が不可欠
ZoomInfoは、導入すれば自動で売上が上がる魔法の杖ではありません。出てきたデータを分析し、営業・マーケティングの施策に落とし込み、実行する「人」と「組織体制」がなければ宝の持ち腐れになります。データ活用を推進する専門部署や担当者を置くことが成功の鍵です。
日本の個人情報保護法との関連性
ZoomInfoは、GDPRやCCPAといった国際的なプライバシー規制に準拠していることを公表しています。日本で利用するにあたっては、ZoomInfoから提供されるデータ(特に個人の連絡先など)の利用目的を自社のプライバシーポリシーで明確にし、日本の個人情報保護法の定めに則って適切に取り扱うことが企業には求められます。導入前には、法務部門と連携し、利用方法について確認することをお勧めします。
よくある質問 (Q&A)
Q1. ZoomInfoのデータは日本語に対応していますか?
A1. はい、プラットフォームのインターフェースは日本語に対応しています。企業名なども日本語で検索可能ですが、役職名や人物名、その他詳細データに関しては英語表記が中心となります。日本のデータも網羅していますが、やはり北米やヨーロッパの企業情報に比べると、データの深さや網羅性には差があるのが現状です。
Q2. SalesforceなどのCRM/SFAツールと連携できますか?
A2. はい、Salesforceをはじめ、HubSpotやMicrosoft Dynamicsなど、主要なCRM/SFAツールとの強力なネイティブ連携機能を備えています。CRM内の顧客情報をZoomInfoのデータで自動的にリッチ化(情報付加)したり、ZoomInfoで作成したリストをシームレスにCRMに転送したりすることが可能です。
Q3. 無料トライアルはありますか?
A3. 一般的なSaaS製品のような、誰でも登録できるセルフサービスの無料トライアルは、通常提供されていません。その代わり、公式サイトからデモをリクエストすることができます。デモでは、ZoomInfoの担当者が、あなたの会社がターゲットとする実際の企業や人物のデータを画面で見せながら、機能や価値を説明してくれます。
まとめ
ZoomInfoは、単に営業リストを作成する時間を短縮するだけのツールではありません。
それは、これまでブラックボックスだったターゲット企業の内部情報や、顧客の「買う気」のサインをデータとして可視化し、営業・マーケティング活動そのものを「勘と経験」から「科学とインテリジェンス」へと変革するプラットフォームです。
決して安価な投資ではありませんが、適切な戦略と体制のもとで活用すれば、その投資を何倍にもして回収できるポテンシャルを秘めています。この記事が、あなたの会社の営業・マーケティングを新たなステージへと引き上げる、そのきっかけになれば幸いです。