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No.219
更新日 2025年07月20日

Salesforceはなぜ選ばれるのか?強み・弱みを徹底解説!

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「Salesforceは機能も豊富で評判も良い。しかし、価格が高いのがネックだ…」
「多機能すぎて、うちの会社では使いこなせないのではないか?」
「競合の安価なツールと比べて、価格に見合うだけの決定的な強みはどこにあるのだろう?」

CRM/SFAの導入を検討する中で、Salesforceを候補の一つとして挙げながらも、このような疑問や懸念から、あと一歩が踏み出せない。そんな意思決定の重要な局面で、多くの企業の担当者が同じジレンマを抱えています。

この記事では、数々の企業のDXを支援してきた経営コンサルタントの視点から、Salesforceが持つ表面的な機能の優位性だけでなく、競合他社にはない「本質的な強み」と、多くの方が懸念する「弱み」への具体的な対策を、客観的かつ戦略的に徹底解説します。

なぜSalesforceは、価格が高いと言われながらも選ばれ続けるのか?

多くの企業が直面する「ツール選びのジレンマ」

CRM/SFAツールを選定する際、多くの企業は「機能の多さ」と「価格の安さ」という2つの軸で比較検討します。しかし、この天秤に乗り切らない、より重要な比較軸が存在することを見落としがちです。それは、「将来のビジネスの変化や成長に、そのツールがどれだけ対応し続けられるか?」という時間軸の視点です。

目先の機能や価格だけで選んだツールが、3年後、5年後にビジネスの足かせとなってしまうケースは少なくありません。

結論:Salesforceの最大の強みは「変化に対応し、成長し続けるプラットフォーム」であること

なぜSalesforceが選ばれるのか。その結論から先にお伝えします。
Salesforceの最大の強みは、個別の機能の優劣にあるのではありません。それは、
ビジネス環境の変化や自社の成長に合わせて、システム自体が柔軟に進化し続けることができる「プラットフォーム」であること、そしてその進化を支える巨大な「エコシステム」にあります。

Salesforceは、一度導入したら終わり、という買い切りの「ツール」ではなく、企業の成長と共に歩む「ビジネスOS」のような存在なのです。この記事では、この結論を一つひとつ丁寧に紐解いていきます。

データで見るSalesforceの客観的な強み

その強さを裏付ける客観的なデータとして、市場シェアを見てみましょう。

米国の調査会社IDCのレポートによれば、Salesforceは世界のCRMアプリケーション市場において、10年以上連続でトップシェアを維持しています。これは単なる人気投票の結果ではありません。

この圧倒的なシェアは、世界中の多種多様な企業の厳しい要求に応え、成果を出し続けてきたことの証です。それは、豊富な導入事例、洗練された機能、そして将来への継続的な投資に対する信頼の表れであり、これ自体がSalesforceの揺るぎない強みの一つと言えるでしょう。

Salesforceの5つの本質的な強み

では、その圧倒的なポジションを支える、競合他社にはない本質的な強みとは何でしょうか。5つのポイントに分けて解説します。

強み1:ビジネスに合わせて進化する「圧倒的な拡張性・カスタマイズ性」

Salesforceは、全ての企業に同じ機能を提供するのではなく、それぞれの企業のビジネスに合わせて機能を自由に追加・変更できる設計思想に基づいています。

機能追加のマーケットプレイス「AppExchange」

スマートフォンのApp Storeのように、ビジネス向けのアプリケーションを追加できるマーケットプレイスが「AppExchange」です。日本の複雑な帳票出力や名刺管理といった、標準機能だけではカバーしきれない特定のニーズに応えるアプリが7,000以上も揃っています。これにより、開発コストをかけずに、自社の業務にフィットしたシステムを構築できます。

自社開発も可能なプラットフォーム「Salesforce Platform」

AppExchangeにもない、自社独自の非常に特殊な要件がある場合でも、Salesforce Platformという開発基盤の上で、独自のアプリケーションを開発することが可能です。この圧倒的な柔軟性が、企業の成長や変化にシステムが追随し続けることを可能にしています。

強み2:常に最先端を走る「AIや新技術への投資力」

テクノロジーの世界は日進月歩です。Salesforceは、その変化に追随するのではなく、常に変化をリードしてきました。

全てのユーザーが使えるAI「Einstein」

Salesforceには「Einstein」というAIが標準で組み込まれています。これにより、営業担当者は「次にアプローチすべき最適な顧客」をAIから提案されたり、マーケティング担当者は「最も効果的なメール配信時間」を予測したりと、全てのユーザーが専門家でなくとも、日々の業務の中で自然にAIの恩恵を受けることができます。

年3回の無償バージョンアップ

Salesforceは、年に3回、全てのユーザーに対してプラットフォームのバージョンアップを無償で提供しています。これにより、ユーザーは常に最新のテクノロジーとセキュリティ環境を利用し続けることができるのです。自社でシステムを保有する場合、このような継続的なアップデートには膨大なコストがかかります。

強み3:全社最適を実現する「網羅的な製品ラインナップ」

Salesforceは、単なる営業支援(SFA)ツールではありません。企業のあらゆる顧客接点をカバーする、網羅的な製品群を提供しています。

営業・サポート・マーケティングを繋ぐ「Customer 360」の思想

営業部門向けの「Sales Cloud」、サポート部門向けの「Service Cloud」、マーケティング部門向けの「Marketing Cloud」。これらの製品群は、同じプラットフォーム上でシームレスに連携します。これにより、部門間で顧客情報が分断される「サイロ化」を防ぎ、全社一丸となって一人の顧客に対応する「Customer 360」という理想的な顧客中心の経営を実現します。

強み4:導入後の成功を支える「世界最大のコミュニティと学習環境」

ツールの導入で最も難しいのは、それを現場に「定着」させることです。Salesforceには、その定着化を強力に支援する、他社にはない独自の文化と仕組みがあります。

無料で学べるオンライン学習ツール「Trailhead」

初心者から上級者まで、誰もがゲーム感覚でSalesforceのスキルを無料で学べる「Trailhead」というオンライン学習プラットフォームがあります。体系的なカリキュラムと実践的な演習により、ユーザーの自律的なスキルアップを促します。

ユーザー同士が助け合う「Trailblazer Community」

Salesforceには「Trailblazer(先駆者)」と呼ばれる、世界で数百万人規模のユーザーコミュニティが存在します。活発なオンラインフォーラムや、全国各地で開催されるユーザーグループの勉強会などを通じて、ユーザー同士が企業の垣根を越えて助け合い、成功のノウハウを共有し合う文化が根付いています。

強み5:信頼の基盤となる「世界最高水準のセキュリティ」

顧客情報は、企業の最も重要な資産です。Salesforceは、政府機関や金融機関など、世界で最も厳しいセキュリティ基準が求められる組織にも採用されています。マルチテナントアーキテクチャや徹底した第三者認証により、企業の重要資産をあらゆる脅威から守ります。

知っておくべきSalesforceの「弱み」とその対策(注意点)

一方で、Salesforceの導入を検討する上で、一般的に「弱み」や「懸念点」とされるポイントも存在します。しかし、これらは事前に正しく理解し、対策を講じることで乗り越えることが可能です。

弱み1:価格が高い・コストがかかる

最もよく挙げられるのが価格に関する点です。国産の安価なツールと比較すると、ライセンス費用は高価に見えるかもしれません。

【対策】ROI視点での価値判断と、成果から逆算したプランニング

Salesforceの導入は、単なるコストではなく「投資」です。重要なのは、その投資によってどれだけの利益(Return)が見込めるかというROI(投資対効果)の視点です。業務効率化による人件費削減、受注率向上による売上増加などを試算し、価格以上の価値があるかを判断しましょう。また、いきなり高機能なプランを選ぶのではなく、達成したい成果から逆算し、必要十分なプランを選択することが重要です。

弱み2:多機能すぎて使いこなせない・定着しない

「F1マシンのような高性能なツールを導入しても、普通の免許しか持っていなければ乗りこなせない」という比喩が使われることがあります。

【対策】目的の明確化とスモールスタートの徹底

この課題の本質は、ツールの機能ではなく、導入する側の目的が曖昧であることに起因します。「何のために導入し、どの課題を解決したいのか」という目的を明確にし、まずはその目的達成に必要な機能だけに絞って利用を開始する「スモールスタート」が成功の鍵です。最初から全ての機能を使いこなす必要はありません。

弱み3:導入や設定に専門知識が必要

柔軟性やカスタマイズ性が高い反面、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、ある程度の専門知識や経験が必要になる場面があります。

【対策】自社に合った信頼できるパートナー企業の選定

Salesforceには、企業の導入や定着化を支援する専門のパートナー企業が数多く存在します。自社の業界やビジネスを深く理解し、プロジェクトに寄り添って伴走してくれる信頼できるパートナーを見つけることが、導入プロジェクトの成否を大きく左右します。

よくある質問(Q&A)

Q. 国産の安価なCRMツールとの一番の違いは何ですか?

A. 価格や日本の商習慣への細やかな対応力は、国産ツールに分がある場合もあります。しかし、本記事で解説した「プラットフォームとしての圧倒的な拡張性・先進性」と「世界最大のユーザーコミュニティ」は、国産ツールにはないSalesforceだけの決定的な違いです。短期的な業務改善だけでなく、長期的な企業成長の基盤を築きたい場合に、その差は顕著になります。

Q. 結局、どのプランから始めるのがおすすめですか?

A. 企業の規模や目的によって異なりますが、多くの中小企業にとっては、本格的な営業管理機能を備えた「Professional」エディションが良いスタート地点となります。まずはスモールスタートしたい場合は「Starter」エディションも選択肢です。重要なのは、自社の「目的」を明確にし、それに合ったプランを選ぶことです。

Q. 導入によるROI(投資対効果)は、どのくらい期待できますか?

A. Salesforceが公開している顧客の成功事例によれば、売上の増加、生産性の向上、顧客満足度の向上など、様々な面で高いROIが報告されています。しかし、これは企業によって大きく異なります。自社でROIを試算する際は、「業務効率化によるコスト削減効果」と「受注率向上などによる売上・利益増加効果」の両面から、保守的かつ現実的な数値を基に算出することをお勧めします。

まとめ

本記事では、Salesforceの「本質的な強み」と、多くの方が懸念する「弱み」への対策を解説しました。

結論として、Salesforceの導入は、単なる業務ツールへの支出ではありません。それは、市場の変化、ビジネスの成長、テクノロジーの進化といった、あらゆる不確実な未来の変化に対応し続けることができる「経営基盤」そのものへの戦略的投資です。

目先の機能や価格だけで判断するのではなく、3年後、5年後の自社の未来を見据えた時、Salesforceという選択肢が持つ本当の価値が見えてくるはずです。

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