SalesNowDB Logo
No.221
更新日 2025年07月25日

Salesforceは役に立たない?活用できない5つの原因と改善策を徹底解説!

メイン画像

「高額な投資をしてSalesforceを導入したのに、現場で全く使われない…」
「入力が面倒なだけで、かえって仕事が増えた。これならExcelの方がマシだ」
「鳴り物入りで導入したSFAが、今や誰もログインしない"宝の持ち腐れ"になっている…」

世界No.1のSFA/CRMであるSalesforceは、正しく使えばビジネスを劇的に成長させる強力な武器となります。しかし、その一方で、導入に失敗し「全く役に立たない」状態に陥ってしまう企業が後を絶たないのも、また事実です。

この記事は、なぜ、あなたの会社のSalesforceは役に立たないのか?その根本的な原因を解き明かし、「宝の持ち腐れ」状態から脱却するための具体的な処方箋を、経験豊富なコンサルタントの視点から誠実に提示します。

「Salesforceが役に立たない」と感じる原因

まず、現在の状況を客観的に見てみましょう。「役に立たない」と感じる背景には、多くの場合、いくつかの共通した原因が現れます。あなたの会社は、こんな状態に陥っていませんか?

現場が全く入力してくれない・定着しない

「入力は任意」という雰囲気になっており、データがまばらにしか入っていない。一部の真面目な社員しか使っておらず、営業会議では結局、各自が用意したExcelの資料が使われている。そう感じるのも無理はありません。現場にとってメリットが感じられなければ、ツールは使われないのです。

費用対効果が全く見合っていない

毎月高額なライセンス費用を払い続けているにもかかわらず、売上向上や業務効率化といった目に見える成果が全く出ていない。経営層からは「あの投資は失敗だった」という空気が流れ、担当者は肩身の狭い思いをしている。これは、導入に失敗した多くの企業が抱える深刻な悩みです。

導入前より業務が煩雑になった

顧客情報を入力し、商談を更新し、活動を記録する…。「Salesforceに入力する」という作業自体が目的化してしまい、本来の営業活動の時間を圧迫している。良かれと思って導入したツールが、かえって現場の負担を増やしているとしたら、本末転倒です。

「Excelで十分だった」という声が上がる

現場から「前のやり方の方が早かった」「Excelで管理していた時の方が自由度が高くて良かった」といった不満の声が聞こえてくる。新しいツールへの抵抗感も相まって、変化に対するネガティブな意見が社内に蔓延している。こうした声が聞こえ始めたら、危険信号です。

Salesforceが役に立たない本当の理由は?

上記の症状に一つでも当てはまったのなら、その原因を深く掘り下げてみましょう。Salesforceが役に立たないのは、多くの場合、ツールの性能の問題ではありません。その背景には、導入プロセスや組織のあり方に起因する、共通した「失敗のパターン」が存在するのです。

パターン1:【目的の欠如】「導入」そのものがゴールになっている

これは最も多く、そして最も根深い失敗パターンです。「DXを推進しなければ」「競合他社に乗り遅れたくない」といった焦りから、Salesforceを導入すること自体が目的になっていませんか?「Salesforceを使って、誰の、どんな課題を、どのように解決したいのか」という具体的な目的がなければ、羅針盤のない船で航海に出るようなものです。当然、どこにも辿り着けません。

パターン2:【現場の軽視】トップダウンで導入し、現場を巻き込んでいない

経営層や情報システム部門だけで導入を決定し、現場には「来月からこれを使うように」と一方的に通達する。このやり方では、現場は「やらされ感」を感じるだけで、主体的に活用しようとは思いません。日々の業務を最もよく知る現場の意見を無視して作られたシステムが、現場で歓迎されるはずがないのです。そう、「自分たちのためのツールだ」と認識してもらえなければ、定着はあり得ません。

パターン3:【設計の失敗】自社の業務フローに合わない複雑なシステムを構築

「せっかく高機能なツールを入れるのだから」と、あれもこれもと機能を詰め込み、入力項目を増やしすぎた結果、誰も使えない複雑怪奇なシステムが出来上がってしまうケースです。特に、既存の複雑な業務フローをそのままSalesforce上に再現しようとすると、この罠に陥りがちです。シンプルさが失われ、入力が苦痛になった瞬間、ツールは死んでしまいます。

パターン4:【教育の不足】導入後の研修やフォロー体制を軽視している

「導入さえすれば、あとは現場が勝手に使ってくれるだろう」という楽観的な見通しは、致命的な失敗を招きます。導入時に一度研修を行ったきり、あとは現場任せ。これでは、ITツールに不慣れな社員はすぐにつまずいてしまい、分からないことを聞ける相手もいないため、次第に使うのを諦めてしまいます。継続的な教育と、気軽に質問できるサポート体制の欠如が、定着を阻む大きな壁となるのです。

パターン5:【経営層の無関心】導入後の活用状況を誰もチェックしていない

導入を号令した経営層自身が、Salesforceのダッシュボードを見もせず、活用状況に全く関心を示さない。会議でもSalesforceのデータが一切使われない。これでは、現場は「トップは本気じゃないんだな」「入力しても誰も見ていないなら意味がない」と感じてしまいます。経営層の無関心は、現場のモチベーションを削ぐ最大の要因です。

「役に立たない」状態から脱却するための具体的なアクションプラン

ここまで読んで、「まさに自社のことだ」と頭を抱えた方もいるかもしれません。しかし、ご安心ください。原因が分かれば、打つ手はあります。ここからは、「役に立たない」状態から復活するための、具体的な4つのステップをご紹介します。

Step1:現状把握 - なぜ使われないのかを診断するチェックリスト

まずは、感情論を排し、客観的に現状を診断することから始めましょう。以下のチェックリストに、Yes/Noで答えてみてください。

▢Salesforce導入の「目的」は、全社員が答えられるレベルで明確になっているか?

▢導入前に、現場の担当者から十分なヒアリングを行ったか?

▢現場の担当者が、入力にかかる時間を「負担」ではなく「投資」だと思える工夫があるか?

▢「Salesforceを使うと、自分の仕事がこう楽になる」というメリットを、現場は具体的に理解しているか?

▢経営層は、定期的にSalesforceのデータに目を通し、会議などで活用しているか?

もしNoが多ければ、それがあなたの会社が今すぐ取り組むべき課題です。

Step2:目的の再設定 - 小さな成功(スモールウィン)を目指す

壮大な目標を掲げて失敗したのであれば、一度リセットして、ごく小さな成功(スモールウィン)を目指しましょう。現場の誰もが「それならやりたい!」「楽になる!」と思えるような、具体的で分かりやすい目標を再設定するのです。

目標の例

「全営業担当者の、週報・日報の作成を完全に撤廃する」

「月末の会議で使うグラフ資料を、Salesforceのボタン一つで自動生成できるようにする」

「クレーム情報をリアルタイムで全社共有し、対応漏れをゼロにする」

一つの課題を解決し、成功体験を共有することが、次のステップへの力になります。

Step3:現場の巻き込み - 推進役(アンバサダー)を任命する

トップダウンでの改革が失敗したのであれば、今度はボトムアップで進めましょう。現場の中で、ITツールへの関心が高い若手や、現状の業務に問題意識を持つキーパーソンを「推進役(アンバサダー)」に任命するのです。

彼らを中心に、どうすればもっと楽になるかを議論し、改善を進めてもらう。そして、そのメリットを彼ら自身の言葉で周りに広めてもらうのです。「上から言われたから」ではなく、「仲間が言うから」「実際に楽になったから」という納得感が、定着の起爆剤となります。

Step4:外部の専門家(パートナー)に相談する

社内の人間関係やこれまでの経緯がしがらみとなり、改革が進まないケースも多々あります。そうした場合、一度プライドを脇に置き、第三者である外部の専門家(コンサルティングパートナー)に相談するのも非常に有効な手段です。

彼らは「セカンドオピニオン」として、客観的な視点から問題点を指摘し、社内の人間では思いつかないような解決策を提示してくれます。特に、ツールの導入だけでなく「定着支援」に強いパートナーを選ぶことが重要です。

Salesforceからの撤退(解約)を検討すべきケースとは

あらゆる手を尽くしても状況が改善しない場合、最後の手段として「撤退(解約)」という判断も視野に入れる必要があります。これは決して「敗北」ではなく、損失を最小限に抑えるための合理的な経営判断です。

撤退の判断基準

ビジネスモデルとの不適合

自社のビジネスモデルが、顧客を継続的に管理・育成するモデルではなく、Salesforceの思想と根本的に合わない場合。

費用対効果の著しい悪化

改善にかかる追加コスト(コンサル費用など)が、得られる効果を明らかに上回り、投資回収の見込みが立たない場合。

代替ツールの存在

自社の目的に対し、より安価でシンプルなツールで十分だと明確に判断できる場合。

解約前の注意点とデータ移行

解約を決断した場合、これまで蓄積してきた顧客データや営業データの移行が最大の課題となります。事前にデータのバックアップ方法を確認し、次のツールへの移行計画を綿密に立ててから、解約手続きを進めるようにしてください。

よくある質問 (Q&A)

Q1. Salesforceが向いていない企業の特徴はありますか?

A1. 明確に「向いていない」と断言できる企業は少ないですが、強いて言えば「顧客管理の重要性が極端に低いビジネスモデルの企業」や、「組織として変化を一切受け入れられない文化の企業」は、導入に苦労する可能性が高いと言えます。しかし、多くの場合「向いていない」のではなく「使い方が合っていない」ことが原因です。

Q2. 導入に失敗した場合、パートナー企業に責任は問えますか?

A2. 契約内容によります。もし契約書に成果保証(KPI達成など)が含まれていれば、責任を問える可能性はあります。しかし、一般的には「システムの導入」自体が役務となっているケースが多く、導入後の活用や定着は顧客側の責任とされることがほとんどです。だからこそ、導入を丸投げにせず、自社が主体となってプロジェクトを進めることが重要なのです。

Q3. Salesforceをやめて、もっと簡単なツールに乗り換えるのは有効ですか?

A3. 有効な場合もありますが、注意が必要です。もし失敗の原因が「目的の欠如」や「現場の軽視」といった組織的な問題にある場合、ツールを簡単なものに変えたところで、同じ失敗を繰り返す可能性が高いからです。乗り換えを検討する前に、まずはこの記事で挙げたような自社の問題点を改善することが、遠回りのようで一番の近道です。

まとめ

この記事では、「Salesforceが役に立たない」と感じる原因と、その状況から脱却するための具体的な処方箋を見てきました。

結論として、Salesforceが役に立つかどうかは、ツールそのものの性能ではなく、導入する企業の「目的意識」「導入プロセス」「組織の覚悟」に、そのほとんどがかかっています。

もし今、あなたの会社のSalesforceが「宝の持ち腐れ」になっているとしても、決して手遅れではありません。この記事で紹介した失敗パターンを直視し、診断チェックリストで現状を把握し、小さなアクションプランからでも実行してみてください。

「ツールが悪い」と嘆くステージは終わりです。この記事が、あなたの会社のSalesforceを「役に立たないお荷物」から、ビジネスを成長させる「最強の武器」へと変える、復活のきっかけになることを心から願っています。

Salesforce活用を復活させるリード整備には企業データベース「Sales Now」

Salesforceが「宝の持ち腐れ」になっていると感じるなら、まずは精度の高いリードデータを基盤から見直すことが重要です。
「Sales Now」は全国540万社を網羅した業界最大級の企業データベースで、部署・拠点・担当者単位の最新連絡先情報をワンクリックで取得できます。

今すぐTOPページでサービス内容をご確認いただき、Salesforceを「役に立たないお荷物」から「最強の武器」へと変える一歩を踏み出してみませんか?

CTA