SalesNowDB Logo
No.224
更新日 2025年08月05日

【完全ガイド】Salesforce無料トライアルの始め方と失敗しないための活用術

メイン画像

「Salesforceを本格的に検討したいから、まずは無料で試してみたい」
「でも、ただ触るだけで30日間が終わってしまいそう…」
「限られた期間で、自社に合うかどうかをしっかり見極めるには、どうすればいいんだろう?」

Salesforceの導入を検討する中で、無料トライアルは非常に有効なステップです。しかし、その一方で、明確な目的がないまま始めてしまい、貴重な30日間を十分に活用しきれずに終わってしまうケースがあります。

この記事は、Salesforceの導入支援を専門とする筆者が、あなたの会社のトライアルを120%成功に導くための、具体的な準備、活用ノウハウ、そして評価ポイントまでを網羅した「完全ガイド」です。

Salesforceトライアルを始める前に知っておきたい3つのこと

勢いで「トライアル開始」ボタンを押す前に、まずは無料トライアルの基本的な仕様について正しく理解しておくことが重要です。

1. トライアルで利用できるのはどの製品・エディション?

Salesforceの無料トライアルで主に提供されるのは、営業支援ツールである「Sales Cloud」の「Enterprise」エディションです。これは非常に多機能なプランであり、Salesforceの強力な自動化やカスタマイズ機能を体験するには十分すぎる内容となっています。まずはこのSales Cloudで、Salesforceの基本的な操作感や思想に触れてみるとよいでしょう。

2. トライアル期間と、その後のデータはどうなる?

トライアル期間は30日間です。この期間を過ぎると、トライアル環境にアクセスできなくなります。

トライアル中に入力したデータは、期間終了後に有料版へ移行すれば、そのまま引き継いで利用することが可能です。そのため、トライアルを本番導入の準備期間として活用することもできます。もし有料版に移行しない場合、データは一定期間の後に削除されます。

3. 機能制限はある?製品版との違い

トライアル環境は、一部の高度な機能やストレージ容量に制限はありますが、基本的な機能は製品版とほぼ同等です。レポートやダッシュボードの作成、項目のカスタマイズ、シンプルな業務の自動化など、Salesforceのコアな価値を体験するには全く支障ありません。むしろ、機能が多すぎて迷ってしまうほどでしょう。

5分で完了!Salesforceトライアルの申し込み手順

それでは、実際の申し込み手順を、画面のイメージと合わせて見ていきましょう。

Step1:公式サイトのトライアルページにアクセス

まず、Salesforceの公式サイトにある無料トライアルページにアクセスします。

公式URL

Step2:ユーザー情報の入力

氏名、メールアドレス、会社名、電話番号などの基本情報を入力します。ここで入力する情報が、トライアル環境の管理者アカウントになります。

Step3:メール認証とパスワード設定

登録したメールアドレスに確認メールが届きます。メール内の「アカウントを確認」ボタンをクリックし、パスワードを設定すれば、アカウントの作成は完了です。

Step4:トライアル環境へようこそ!

パスワード設定後、自動的にSalesforceのトライアル環境にログインします。サンプルのデータが既に入っているため、すぐに操作を試すことができます。

「始める前」の3つの準備が最も重要

さて、ここからがこの記事で最もお伝えしたい、トライアルを成功させるための本質的なパートです。多くの企業が、この「事前準備」を怠ったために、30日間を無駄にしてしまいます。「とりあえず始めてみよう」は、失敗への最短ルートだと心得てください。

準備1:検証の「目的」と「ゴール」を明確にする

目的がなければ、30日間で何をすべきか分からず、ただ何となく画面を眺めるだけで終わってしまいます。

このトライアルを通じて「何を明らかにしたいのか」という目的と、「何ができていれば成功か」という具体的なゴールを設定しましょう。

悪い目的の例良い目的の例
「Salesforceを試す」「SFAの使い勝手を見る」「現在Excelで行っている商談管理を、Salesforceに置き換えられるか検証する」
悪いゴールの例良いゴールの例
「みんなで色々触ってみる」「参加する営業担当者3名が、それぞれ模擬商談を5件登録し、フェーズ(商談の進捗段階)を更新できる」「週次の営業報告で使う売上見込みレポートを作成できる」

準備2:参加メンバーのアサインと役割分担

一人だけで試しても、組織で使う際の課題は見えてきません。異なる立場のメンバーで試すことで、多角的な評価が可能になります。

最低でも3名以上のメンバーで試すことをお勧めします。

項目内容
推進役(リーダー)1名。トライアル全体の進捗管理や、目的・ゴールの設定を行う。
現場のエース or ITに明るい担当者1〜2名。積極的に機能を試し、活用の可能性を探る。
懐疑的な担当者 or ITが苦手な担当者1名。あえてITツールに抵抗感のあるメンバーを入れることで、「現場の誰もが使えるか」というリアルな視点でのフィードバックが得られます。

準備3:検証に使う「テストデータ」を用意する

Salesforceには最初から英語のサンプルデータが入っていますが、それだけでは自社の業務をリアルに再現できません。

現在使っている顧客リストや商談管理表などから、10〜20件程度のテスト用のデータを用意しましょう。顧客名や金額などはダミーで構いません。自社で実際に使っている項目(例:業種、担当者名、商品名、商談の確度など)が含まれているリアルなデータを用意することで、検証の質が格段に上がります。

目的別・トライアル期間中のタスクリスト

事前準備が完了したら、いよいよ30日間のトライアル開始です。以下のタスクリストを参考に、計画的に検証を進めましょう。

【1週目】まずは触ってみよう!基本操作と画面の理解

目的

Salesforceの基本的な画面構成や用語に慣れる。
この週は、まだ自社のデータを入れる必要はありません。まずは用意されているサンプルデータを使って、自由に触ってみましょう。

タスク例

  • サンプルの顧客情報(リード、取引先)や営業案件(商談)を開いてみる。
  • サンプルのレポートやダッシュボードをクリックし、グラフがどう変わるか見てみる。
  • 画面上部のタブを色々切り替えて、どんなメニューがあるか確認する。

【2週目】自社の業務を再現してみよう!データの入力とカスタマイズ

目的

自社の業務プロセスを、Salesforce上で再現できるか試す。
いよいよ、準備したテストデータを投入し、自社仕様に近づけていきます。

タスク例

  • 準備したテストデータをインポート(一括登録)してみる。
  • 自社の管理項目(例:「決裁ルート」「競合情報」など)を、商談画面にカスタム項目として追加してみる。
  • 営業報告用のレポートを一つ、自分たちで作ってみる。

【3週目】チームで使ってみよう!複数人での共同作業と自動化

目的

Salesforceがチームのコラボレーションをどう促進するかを体験する。
一人で使うのとチームで使うのとでは、全く価値が異なります。

タスク例

  • 特定の商談について、Chatter(社内SNS機能)を使って上司にメンション付きで相談してみる。
  • 他のメンバーに、顧客へのフォローアップを「ToDo(タスク)」として割り当ててみる。
  • 「商談のフェーズが『受注』になったら、自動で関係者に通知メールが飛ぶ」といった、シンプルな自動化を設定してみる。

【4週目】評価と次のステップの検討

目的

これまでの活動を振り返り、評価を下し、今後のアクションを決める。

タスク例

  • 事前に準備した「目的とゴール」が達成できたか、メンバー全員で評価シートを記入し、ディスカッションする。
  • 良い点、悪い点を具体的に洗い出す。
  • トライアル環境のデータを引き継いで有料版に移行するか、再度検討するかを決める。

Salesforceトライアルで評価すべき5つのポイント

評価の際には、以下の5つのポイントをチェックすると、客観的な判断がしやすくなります。

ポイント1:操作性 - 現場のメンバーが直感的に使えるか?

どんなに高機能でも、現場が「使いにくい」と感じれば定着しません。マニュアルを見なくても、ある程度の操作が直感的に行えるかは非常に重要です。

ポイント2:カスタマイズ性 - 自社の業務に合わせて柔軟に変更できるか?

自社独自の管理項目を追加したり、画面のレイアウトを変更したりといったカスタマイズが、プログラミング知識なしで簡単に行えるかを確認しましょう。

ポイント3:レポート機能 - 見たいデータを簡単に見える化できるか?

Excelでピボットテーブルを組むような作業が、ドラッグ&ドロップで簡単にできるか。経営層やマネージャーが見たいと思うデータを、瞬時にグラフや表で表示できるかは、費用対効果に直結します。

ポイント4:モバイル活用 - 外出先でもスムーズに使えるか?

スマートフォンのアプリで、PCと遜色なく情報の確認や入力ができるか。外出の多い営業担当者にとっては生命線となる機能です。

ポイント5:拡張性 - 将来的に機能を追加していけるか?

今は営業支援だけで十分でも、将来的にカスタマーサービスやマーケティングにも活用を広げられるか。会社の成長に合わせてシステムを拡張していける「懐の深さ」も評価ポイントです。

よくある質問 (Q&A)

Q1. トライアル期間を延長することはできますか?

A1. 基本的に、トライアル期間の延長はできません。だからこそ、30日間を計画的に活用することが重要になります。ただし、導入を本格的に検討している場合など、担当営業に相談することで、特別な対応をしてもらえる可能性はゼロではありません。

Q2. トライアル終了後、有料プランに移行するにはどうすればいいですか?

A2. トライアル環境の中から、直接有料プランの購入手続きに進むことができます。手続きを行えば、トライアル中に入力した設定やデータは、そのまま有料版に引き継がれます。もちろん、Salesforceの営業担当者に連絡して、相談しながら進めることも可能です。

Q3. 複数の製品(Sales CloudとService Cloudなど)を同時にトライアルできますか?

A3. 公式サイトから申し込める標準のトライアルは、基本的にSales Cloudが対象です。もしService CloudやMarketing Cloudなど、他の製品も併せて評価したい場合は、個別にSalesforceの営業担当者に問い合わせて、デモンストレーションや、特別なトライアル環境を用意してもらえないか相談する必要があります。

まとめ

Salesforceの無料トライアルは、単なる「お試し期間」ではありません。それは、自社の営業や顧客管理のあり方を見直し、ビジネスを次のステージに進めるための、極めて重要な「導入プロジェクトの第一歩」です。

この記事でご紹介したように、明確な目的を持って準備し、計画的に検証を進めることで、30日間という限られた期間は、驚くほど有意義なものになります。

「とりあえず始めてみる」から、「目的を持って検証する」へ。その意識の転換こそが、あなたの会社のSalesforce導入を成功へと導く、最大の秘訣です。

無料トライアル検証を加速する「Sales Now」

Salesforceの30日間無料トライアルで真に効果を実感するには、検証用のリードリスト準備が欠かせません。
「Sales Now」は全国540万社を網羅する業界最大級の企業データベースで、部署・拠点・担当者単位の最新連絡先情報をワンクリックで取得できます。

まずはTOPページでサービス内容をご確認いただき、無料トライアル期間中に的確なシナリオ検証を行うための営業リスト作成を始めてみませんか?

CTA