【2025年最新】Salesforceの料金を徹底解説!
目次
「Salesforceを導入したいが、料金体系が複雑でよく分からない…」
「『高い』という評判を聞くけど、結局、自社の場合、総額でいくらかかるのだろうか?」
「どの料金プラン(エディション)が、自社にとって最適なのか判断できない」
世界No.1のCRM/SFAであるSalesforce。その導入を検討する上で、誰もが直面するのが「料金」に関する疑問です。具体的な予算策で頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Salesforceの導入・予算策定を支援する専門家の視点から、その複雑な料金体系を徹底的に解剖します。
Salesforceの料金体系を理解するための3つの基本
まず、Salesforceの料金を理解する上で、基本となる3つのルールを押さえましょう。
1. 製品(クラウド)ごとに料金が異なる
Salesforceは、営業支援の「Sales Cloud」、カスタマーサービスの「Service Cloud」、マーケティングの「Marketing Cloud」など、目的別に複数の製品(クラウド)を提供しており、それぞれに異なる料金体系が存在します。多くの企業が最初に導入する本記事では、最も基本となる「Sales Cloud」の料金を中心に解説します。
2. 機能に応じた「エディション」を選ぶ
各製品の中には、機能の範囲に応じて「エディション」と呼ばれる複数の料金プランが用意されています。車のグレード(ベーシック、デラックス、プレミアムなど)のように、エディションが上がるほど機能が豊富になり、料金も高くなります。
3. ユーザー数に応じた月額(年額)ライセンス制
Salesforceの料金は、利用するユーザー1人あたりの月額課金制です。ただし、契約は基本的に年単位となり、料金も年額一括で支払うのが一般的です。
主力製品「Sales Cloud」の料金プラン
それでは、主力製品である「Sales Cloud」の4つのエディションについて、その料金と機能の違いを見ていきましょう。
料金・機能比較一覧表【2025年7月時点】
| エディション | 月額料金/ユーザー(税抜) | 主なターゲット | 機能ハイライト(この価格で何ができるか) |
|---|---|---|---|
| Essentials | 3,000円 | 5名以下の小規模チーム/スタートアップ | 基本的な顧客管理とシンプルな商談管理 |
| Professional | 12,000円 | 中小企業 | 売上予測、案件管理、見積作成など本格的なSFA機能 |
| Enterprise | 24,000円 | 中堅・大企業 | ワークフロー自動化、APIによる外部システム連携 |
| Unlimited | 48,000円 | 大企業/高度な活用 | 24時間365日のプレミアサポート、複数の開発環境 |
(注) 最新かつ正確な料金は、必ずSalesforce公式サイトでご確認ください。
各エディションは誰向け?何が違うのかを深掘り
上記の表だけでは、自社にどれが合うのか判断が難しいでしょう。価格の背景にある「価値」を解説します。
Essentials
まずはSalesforceを試してみたい、5名以下の小規模チーム向け。基本的な顧客・案件情報を記録する「デジタルな顧客台帳」としては機能しますが、本格的な営業プロセス管理や自動化はできません。
Professional
多くの中小企業にとっての「標準モデル」です。売上予測や案件管理、見積作成といった、SFA(営業支援システム)としてのコアな機能が揃います。Excel管理からの脱却を目指すなら、このエディションがスタートラインになります。
Enterprise
最も多くの企業に選ばれているエディションです。その理由は、「自動化(ワークフロー)」と「外部連携(API)」という、企業の生産性を飛躍的に向上させる2大機能が解放されるからです。Professionalとの価格差は、この「業務をシステムに任せる」ことができる価値の差と言えます。
Unlimited
文字通り、機能制限がほぼなく、サポートも最上位のプランです。全社規模での利用や、基幹システムとの連携など、自社の業務に合わせて大規模な開発・カスタマイズを行いたい大企業向けの選択肢です。
【要注意】Salesforce導入の総費用(TCO)
Salesforce導入の予算を立てる際、ライセンス料金だけで計算するのは非常に危険です。 実際に導入・活用していくためには、以下のような追加費用がかかることを必ず念頭に置いてください。
1. 初期導入支援費用(コンサル・設定費用)
Salesforceは多機能なため、購入してすぐに使えるわけではありません。自社の業務に合わせて、要件定義、設定、データ移行などを行う必要があります。この初期設定を支援する、Salesforce社やパートナー企業のコンサルタント費用です。
相場はどのくらい?
依頼する範囲や企業の規模によりますが、数十万円(小規模な設定のみ)〜数千万円(大規模な要件定義・開発)と幅があります。
2. 運用・保守、定着化支援費用
システムは導入して終わりではありません。現場のユーザーが使いこなせるようにするためのトレーニング、利用ルールの徹底、問い合わせ対応といった「定着化」の活動が不可欠です。この部分をサポートするパートナー費用や、社内の運用担当者の人件費です。
3. AppExchangeアプリの追加費用
名刺管理ツールや帳票出力ツールなど、Salesforceの標準機能だけでは足りない部分を補うための追加アプリ(AppExchange)を導入する場合、別途ライセンス費用がかかります。
総費用は「年間ライセンス費用の1.5倍〜3倍」を想定しておく
一概には言えませんが、一つの目安として、初年度にかかる総費用(TCO:Total Cost of Ownership)は、「年間ライセンス費用の1.5倍〜3倍程度」を想定しておくと、現実的な予算計画が立てやすくなります。
費用シミュレーション
では、上記の考え方を基に、具体的なモデルケースで概算費用をシミュレーションしてみましょう。
ケース1:営業担当5名で、まずは基本的な商談管理を始めたい中小企業
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選択エディション | Professional(@12,000円/月) |
| 年間ライセンス費用 | 5名 × 12,000円 × 12ヶ月 = 72万円 |
| 概算総費用(初年度) | 72万円 + 初期設定費用(例:80万円〜) = 総額 150万円〜250万円程度 |
ケース2:営業・マーケの20名で、業務自動化も視野に入れたい中堅企業
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選択エディション | Enterprise(@24,000円/月) |
| 年間ライセンス費用 | 20名 × 24,000円 × 12ヶ月 = 576万円 |
| 概算総費用(初年度) | 576万円 + 導入支援・運用サポート費用など = 総額 900万円〜1,500万円程度 |
ケース3:複数部署100名で、基幹システムとも連携したい大企業
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選択エディション | Unlimited(@48,000円/月) |
| 年間ライセンス費用 | 100名 × 48,000円 × 12ヶ月 = 5,760万円 |
| 概算総費用(初年度) | 5,760万円に、大規模な開発を伴う導入パートナー費用などを加えると、総額 1億円を超えることも珍しくありません。 |
Salesforceの導入コストを抑えるための3つのコツ
「やはり高い…」と感じた方のために、コストを賢く抑えるためのポイントを3つご紹介します。
コツ1:本当に必要な機能とユーザー数を厳選し、スモールスタートする
最初から全社・全部署で導入する必要はありません。最も課題が大きく、効果が出やすい部門(例えば営業部)に絞り、本当に必要なライセンス数から始めましょう。成功事例を作ってから、横展開していくのが最も賢明です。
コツ2:標準機能を最大限活用し、過度なカスタマイズを避ける
自社の業務プロセスを100%システムに反映させようとすると、カスタマイズ費用が膨大になります。「Salesforceの標準機能という『世界のベストプラクティス』に、自社の業務を合わせていく」という発想を持つことで、コストを抑え、かつ導入期間も短縮できます。
コツ3:Salesforce社やパートナー企業のキャンペーン・支援プログラムを活用する
決算期や特定の時期には、新規導入向けの割引キャンペーンが実施されることがあります。また、中小企業向けの導入支援プログラムなどが提供されている場合もあります。情報収集を怠らず、活用できる制度は積極的に活用しましょう。
よくある質問 (Q&A)
Q1. 他のクラウド製品(Service Cloudなど)の料金は?
A1. はい、各製品にそれぞれのエディションと料金プランが設定されています。例えば、カスタマーサービス向けの「Service Cloud」は、Enterpriseエディションが月額24,000円/ユーザー(税抜)と、Sales Cloudと同額です。詳細は公式サイトの料金ページでご確認ください。この記事で解説した「総費用」の考え方は、他のクラウド製品を導入する際にも同様に当てはまります。
Q2. 支払い方法は?年契約が必須ですか?
A2. はい、Salesforceは基本的に年単位での契約となり、料金も年額一括前払いが標準です。月額料金で表示されていますが、実際の支払いは年額になる点に注意して、キャッシュフロー計画を立てる必要があります。
Q3. 見積もりはどこに依頼すればいいですか?
A3. 2つの方法があります。1つはSalesforceの公式サイトから直接問い合わせる方法。もう1つは、Salesforceの導入を支援している「認定パートナー企業」に相談する方法です。パートナーに相談する場合、ライセンス料金だけでなく、自社に合わせた導入支援費用も含めた、より具体的で総額に近い見積もりを取得できるメリットがあります。
まとめ
Salesforceの料金は、その多機能性、拡張性、信頼性を反映したものであり、決して安価ではありません。
しかし、その価格を「コスト」と見るか、「未来への投資」と見るかが重要です。
この記事で解説したように、自社の目的を明確にし、適切なエディションを選び、ライセンス以外の費用も含めた現実的な予算を立て、そして導入後の活用までを計画的に実行する。そうしてSalesforceがもたらす価値(売上向上、生産性向上、顧客満足度向上)を最大化できたとき、その投資は「高い」どころか、むしろ「安い」ものに変わるはずです。