【2025年版】明日から使えるSalesforce活用術15選!
目次
「Salesforceを導入したものの、日々の活動を入力するだけで手一杯…」
「便利なツールのはずなのに、正直Excel管理の時とあまり変わらない気がする…」
「チーム全体でもっとうまく活用して、かけたコストに見合う成果を出したい!」
Salesforceを導入した多くの企業で、このような「活用レベルの停滞」という壁に突き当たります。Salesforceは、ただ情報を入力するだけの「管理ツール」ではありません。それは、あなたの営業活動を劇的に効率化し、成果を最大化するための「戦闘ツール」なのです。
この記事では、「ただ入力するだけ」のステージから脱却し、Salesforceを真の武器に変えるための、明日からすぐに実践できる15の活用術を解説します。
なぜ多くの企業がSalesforceを「活用」しきれていないのか?
多くの可能性を秘めたSalesforceが、なぜ「宝の持ち腐れ」になってしまうのでしょうか。本格的な活用術に入る前に、その根本的な原因を3つのポイントで見ていきましょう。
「入力」が目的化してしまっている
上司に報告するため、会議で詰められないようにするため。いつしか、Salesforceにデータを「入力すること」自体が仕事の目的になっていませんか?これでは、単なる手間のかかる報告ツールでしかありません。
自分にとっての「メリット」を実感できていない
入力という「手間」に対して、それに見合う「見返り(メリット)」、例えば「入力すれば報告書作成が自動化されて楽になる」「入力すれば受注確度の高い顧客が分かる」といった実感がなければ、活用は進みません。
Salesforceは「育てる」ものという視点の欠如
Salesforceは、導入して終わりではありません。ビジネスの変化や現場の習熟度に合わせて、設定を見直したり、新しい使い方を試したりと、継続的に「育てていく」意識がなければ、その価値は陳腐化していきます。
【営業担当者編】個人の生産性を劇的に向上させる8つの活用術
まずは、最前線で戦う営業担当者のあなたが、日々の業務を楽にし、より賢く成果を出すための8つの武器(活用術)です。
活用術1:メールテンプレートと差し込み項目で、メール作成時間を90%削減する
【効果】
メール作成にかかる時間を劇的に短縮し、コア業務に集中できる。
アポイント後のお礼メールや、定期的なフォローアップメールなど、毎回同じ内容を書いていませんか?「メールテンプレート」機能を使えば、定型文を保存しておき、数クリックで呼び出せます。さらに、「差し込み項目」を使えば、「{!Contact.Name}様」と入力するだけで、相手の名前を自動で挿入。パーソナライズされたメールを、わずか数十秒で作成可能です。
活用術2:ToDo(タスク)管理を極め、「対応漏れゼロ」を実現する
【効果】
「うっかり忘れ」をなくし、顧客からの信頼を高める。
「〇月〇日、A社に電話する」「B社向けの提案書を金曜までに作成」といった”やるべきこと”は、すべて顧客や商談に紐づく「ToDo」として登録しましょう。Salesforceのホーム画面に今日のToDoが表示され、リマインダーも設定できるため、対応漏れが確実になくなります。
活用術3:モバイルアプリを使いこなし、移動時間や隙間時間を有効活用する
【効果】
外出先での報告業務がなくなり、直行直帰も可能に。生産性が向上する。
Salesforceのモバイルアプリは非常に強力です。顧客訪問直後に、スマートフォンの音声入力で簡単な活動報告を済ませる。次の訪問先への移動中に、その顧客の過去の商談履歴を確認する。こうした活用で、これまで無駄にしていた隙間時間が、価値を生む時間へと変わります。
活用術4:Chatterで、関係者や上司にスピーディに相談・情報共有する
【効果】
メールを探す手間がなくなり、関係者との連携スピードが格段に向上する。
特定の商談に関する相談や共有事項は、その商談レコードに紐づく社内SNS「Chatter」で行いましょう。上司や技術担当者に「@(メンション)」をつけて質問すれば、メールよりも早く、的確なアドバイスがもらえます。全てのやり取りが商談の履歴として残るため、後から見返すのも簡単です。
活用術5:類似の成功商談を検索し、トップセールスのノウハウを盗む
【効果】
個人の経験だけでなく、組織の知見を活かして提案の質を高められる。
「同じ業界の、似たような規模の会社で、過去に受注した商談はないか?」とSalesforce内で検索してみましょう。そこには、トップセールスが作成した提案資料や、効果的だったメールの文面、価格交渉の履歴といった、成功のヒントが詰まっています。
活用術6:「リストビュー」をカスタマイズし、自分だけの最強の営業リストを作る
【効果】
アプローチすべき顧客が明確になり、日々の営業活動の優先順位付けができる。
取引先やリードの一覧画面(リストビュー)を、自分専用にカスタマイズしましょう。「自分が担当する、3ヶ月以上接触のない、評価が高い顧客」といった条件で絞り込んだリストを作成すれば、それはあなただけの「宝のリスト」になります。
活用術7:自分専用のレポートを作成し、活動のボトルネックを特定する
【効果】
感覚ではなく、データに基づいて自分の営業活動を振り返り、改善できる。
「自分の失注理由で、最も多いのは何か?」「どのフェーズで商談が停滞しがちか?」といったレポートを自分で作成してみましょう。自分の営業活動の癖や弱点を客観的なデータで把握することが、成長への第一歩です。
活用術8:Einstein(AI)の提案を活用し、次のアクションの精度を高める
【効果】
AIを優秀なアシスタントとして活用し、成果に繋がりやすい活動に集中できる。
SalesforceのAI「Einstein」は、「各商談の受注確度スコア」や「顧客への最適な次のアクション」を提案してくれます。このスコアが高い商談から優先的にアプローチするなど、AIの提案を参考にすることで、営業活動の精度を高めることができます。
【マネージャー編】チームの成果を最大化する7つの活用術
次に、チームを率いるマネージャーが、Salesforceを「最強のマネジメントツール」に変えるための7つの活用術です。
活用術9:リアルタイムの「営業活動ダッシュボード」で、チームの健康状態を診断する
【効果】
チーム全体の状況をリアルタイムで把握し、問題の早期発見・早期介入が可能になる。
「チーム全体のパイプライン状況」「メンバー別の活動量」「今月の目標達成率」などを、一つのダッシュボードに集約しましょう。毎朝このダッシュボードを見るだけで、チームの「健康状態」が一目瞭然。もはや、メンバーからの報告を待つ必要はありません。
活用術10:「商談フェーズ分析レポート」で、失注しやすいパターンを特定する
【効果】
チーム共通のボトルネックを発見し、的を射たトレーニングや改善策を打てる。
チーム全体の商談が、どのフェーズから次のフェーズに進む確率が低いのかを分析する「ファネルレポート」を作成します。もし「提案」から「クロージング」への移行率が極端に低いのであれば、チーム全体の提案力や交渉スキルに課題がある、という仮説が立てられます。
活用術11:レポートの登録機能を活用し、データに基づいた的確なフィードバックを行う
【効果】
感覚的な指導ではなく、客観的なデータに基づいた、納得感の高いコーチングが実現する。
「最近、活動量が落ちているね。何か課題でもある?」といった具体的なデータを基にした1on1は、メンバーの納得感を高めます。レポートの「登録(Subscribe)」機能を使えば、毎週特定のレポートを自動で自分宛にメール送信させ、常に最新の状況を把握できます。
活用術12:成功事例をダッシュボードで共有し、チーム全体のナレッジを底上げする
【効果】
トップセールスのノウハウがチームの資産となり、組織全体の営業力が向上する。
受注した商談の共通点(業種、規模、導入製品など)を分析するダッシュボードを作成し、チームで共有しましょう。「今月受注した案件の半数は、〇〇という課題を持っていました」といったインサイトを共有することが、チーム全体のスキルアップに繋がります。
活用術13:承認プロセスを自動化し、見積提出などのスピードを向上させる
【効果】
稟議や承認の待ち時間をなくし、ビジネスのスピードを加速させる。
割引率の高い見積書の申請など、これまで紙やメールで行っていた承認プロセスを、Salesforce上で完結させましょう。申請ボタンを押せば、自動で上司に通知が飛び、スマートフォンからでも承認が可能。顧客を待たせる時間が劇的に短縮します。
活用術14:「入力規則」と「入力支援(フロー)」で、データの品質と入力効率を両立させる
【効果】
データの品質を担保しつつ、現場の入力負担を軽減する。
「商談のフェーズが『受注』になったら、受注理由の入力は必須にする」といった「入力規則」で、データの抜け漏れを防ぎます。同時に、「商品Aを選んだら、関連する項目Bを自動で入力する」といった「入力支援(フロー)」を組むことで、現場の入力の手間を減らす工夫も可能です。
活用術15:レポート・ダッシュボードの定期配信を自動化し、報告業務を撲滅する
【効果】
メンバーの報告業務をゼロにし、マネージャーも常に最新の状況を把握できる。
週次や日次の営業レポートを、指定した時間に自動で関係者にメール配信するよう設定しましょう。これにより、メンバーは報告書を作成する時間を削減でき、マネージャーは手間なく定点観測が可能になります。
活用を成功させるために、最も重要な「考え方」
これらのテクニックを実践する上で、根底に持つべき3つの重要なマインドセットがあります。
「スモールサクセス」を積み重ねる
最初から全てを完璧に使いこなそうとする必要はありません。まずはこの記事の中から、一つでも「これならできそう」と思えるものを試し、その成功体験(スモールサクセス)を積み重ねていくことが、定着への一番の近道です。
目的のために「ツールを使い倒す」
「入力しなければならないから」という義務感でツールに「使われる」のではなく、「自分の営業を楽にするため」「チームの目標を達成するため」という目的意識を持って、主体的にツールを「使い倒す」という姿勢が重要です。
継続的に改善し、育て続ける
ビジネスの状況は常に変化します。一度設定したルールやレポートも、時間が経てば陳腐化します。現場からのフィードバックを吸い上げ、定期的に設定を見直し、改善を続ける。Salesforceを、会社と共に成長する「生き物」として捉え、育て続けることが成功の鍵です。
よくある質問 (Q&A)
Q1. たくさんあって、何から手をつければいいか分かりません。
A1. まずは、【営業担当者編】の「活用術1:メールテンプレート」から始めることを強くお勧めします。設定が簡単で、時間削減という効果を最も早く、そして劇的に実感できるからです。小さな成功体験が、次の活用へのモチベーションに繋がります。
Q2. 現場のITリテラシーが低くても、これらの活用術は実践できますか?
A2. 実践できます。重要なのは、いきなり難しいことに挑戦するのではなく、現場のメンバーが「これなら便利だ」と実感できる、シンプルな機能から始めることです。例えば、「活用術3:モバイルアプリ」で活動報告が簡単になる、「活用術6:リストビュー」で自分だけの顧客リストが作れる、といった、個人のメリットが分かりやすいものから展開していくのが成功の秘訣です。
Q3. 活用をさらに進めるための、おすすめの学習方法はありますか?
A3. Salesforceが提供している無料のオンライン学習ツール「Trailhead(トレイルヘッド)」が最適です。ゲーム感覚で、自分のペースで楽しく機能や活用法を学べます。また、地域のユーザーグループ(Trailblazer Community Groups)に参加して、他社のユーザーと情報交換することも、新たな活用のヒントを得る上で非常に有益です。
まとめ
Salesforceは、導入するだけでは単なる「コスト」でしかありません。この記事で紹介したような「活用術」を実践し、日々の業務効率化や売上向上といった具体的な成果に繋げて、初めて未来への「投資」に変わるのです。
もう、「入力するだけ」の毎日は終わりにしましょう。Salesforceをあなたの、そしてあなたのチームの「最強の営業武器」に変えるのは、今日からのあなた自身の行動です。