SalesNowDB Logo
No.257
更新日 2025年08月08日

SalesforceのCTI連携方法!メリット・料金・失敗しないツールの選び方を徹底解説

メイン画像

「営業担当者が電話対応とSalesforceへの入力作業に追われ、本来の業務に集中できない」
「コールセンターでお客様を待たせてしまい、満足度がなかなか上がらない」

もし貴社がこのような課題を抱えているなら、その解決策はSalesforceとCTIの連携にあるかもしれません。

本記事では、CTI連携の基本的な仕組みから、具体的なメリット・デメリット、そして最も重要な「自社に最適なツールの選び方」まで、網羅的にご紹介します。

SalesforceのCTI連携とは?

Salesforce CTI連携とは、Salesforce(顧客管理システム)とCTI(Computer Telephony Integration)システムを繋ぎ、電話とコンピュータの機能を統合させる仕組みのことです。これにより、電話での顧客対応とSalesforce上の顧客情報をシームレスに結びつけ、電話業務にまつわる様々な課題を解決します。

CTIシステムとSalesforceを繋ぐ仕組み

CTI連携の基本的な流れは以下の通りです。まず、お客様から着信があると、CTIシステムがその電話番号を認識します。次に、その電話番号をキーにしてSalesforce内の顧客情報を瞬時に検索し、担当者のPC画面に、該当するお客様の基本情報や過去の対応履歴などを自動でポップアップ表示させます。そして、通話が終了すると、通話時間や録音データ、対応内容のメモなどがSalesforceの活動履歴として自動的に記録されます。

このように、従来は別々に管理されていた「電話」と「顧客情報」を一元化することで、業務の効率化と品質向上を同時に実現します。

なぜ、SalesforceとCTIの連携が重要なのか?

現代のビジネスにおいて、顧客一人ひとりに合わせた体験を提供することは、競争優位性を保つ上で不可欠です。SalesforceとCTIの連携は、この「パーソナライズされた顧客体験」を実現するために、非常に有効な手段となります。

営業部門における重要性

過去のやり取りを瞬時に把握し、顧客の状況に合わせた最適な提案が可能になります。これにより、インサイドセールスの効率が向上し、商談化率や成約率の向上に繋がります。

コールセンターにおける重要性

お客様を待たせることなく、スムーズで質の高い対応が可能になります。これにより、顧客満足度(CS)が向上し、企業のブランドイメージや顧客ロイヤリティを高めることに貢献します。

「働き方改革」や「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が推進される中、電話業務をデジタル化し、データに基づいた戦略的な顧客対応を実現するために、SalesforceとCTIの連携は重要な経営戦略の一つと言えるでしょう。

SalesforceとCTIを連携させる7つのメリット

CTI連携がもたらす具体的なメリットを7つの観点から解説します。

メリット1:着信時の顧客情報ポップアップ表示

電話が鳴った瞬間に、相手の顧客情報がPC画面に表示されます。これにより、お客様の名前を呼びながらスムーズに対応を開始でき、過去の購入履歴や問い合わせ内容も一目でわかるため、質の高いコミュニケーションが実現します。

メリット2:ワンクリックでの電話発信

Salesforceの顧客リスト画面に表示されている電話番号をクリックするだけで、PCから直接電話をかけられます。電話番号を手で入力する手間と時間を削減し、入力ミスによる誤発信も防ぎます。

メリット3:通話内容の自動録音とSalesforceへの紐づけ

全ての通話を自動で録音し、音声データをSalesforceの活動履歴に紐づけて保存できます。「言った・言わない」のトラブルを防止するだけでなく、担当者間の応対品質の平準化や教育研修にも活用できます。

メリット4:活動履歴の自動作成・入力の手間削減

通話開始・終了時刻、通話時間といった活動履歴が自動でSalesforceに記録されます。担当者は簡単なメモを追記するだけで済むため、後処理業務の負担が大幅に軽減され、本来注力すべき業務に時間を使えます。

メリット5:正確なデータに基づく分析とレポーティング

「誰が」「いつ」「誰に」「どれくらいの時間」電話したか、といった活動データが全て正確に蓄積されます。これらのデータをSalesforceのレポート機能で分析し、「架電数と商談化率の相関」などを可視化することで、データに基づいた戦略立案が可能になります。

メリット6:オペレーターの応対品質向上

ポップアップ機能により、経験の浅いオペレーターでも顧客情報を踏まえた応対が可能になります。また、スーパーバイザーは通話録音を聞いて具体的なフィードバックを行うことで、応対品質の均一化と向上を図れます。

メリット7:テレワーク環境へのスムーズな対応

クラウド型のCTIツールを選べば、インターネット環境さえあれば、自宅からでもオフィスと同じように電話業務を行えます。PCとヘッドセットだけで業務が完結するため、多様な働き方の実現にも貢献します。

SalesforceとCTI連携のデメリットと対策

多くのメリットがある一方、導入前に知っておくべきデメリットも存在します。事前に対策を理解しておきましょう。

デメリット1:導入・運用コストがかかる

CTIツールの導入には、初期費用や月額のライセンス費用が発生します。

【対策】

導入によってどれだけの効果(例:人件費削減、売上向上)が見込めるのかを事前に試算し、費用対効果を慎重に検討することが重要です。多くのツールで無料トライアルが提供されているため、実際に試してから本格導入を判断することをおすすめします。

デメリット2:社内への定着に時間がかかる場合がある

新しいツールの導入は、現場の担当者にとって一時的な負担増や操作方法の学習を伴います。

【対策】

なぜ導入するのか、それによって業務がどう改善されるのかを丁寧に説明し、社内での共通認識を醸成することが不可欠です。分かりやすいマニュアルの用意や、導入後のフォローアップ体制を整えるなどの工夫が求められます。

デメリット3:システム連携の複雑さとサポートの重要性

CTIはSalesforceだけでなく、既存の電話回線やビジネスフォンとも連携するため、環境によっては予期せぬトラブルが発生する可能性もあります。

【対策】

導入から運用まで、手厚いサポートを提供してくれるベンダーを選ぶことが非常に重要です。Salesforceと電話システムの両方に精通したサポート体制があるか、導入実績が豊富か、といった点を確認しましょう。

Salesforce対応CTIシステムを選ぶ5つのポイント

数あるCTIツールの中から、自社に最適なものを選ぶための5つのポイントをご紹介します。

ポイント1:自社の課題(インサイドセールス or コールセンター)を明確にする

まず、「誰が」「何のために」CTIを導入するのかを明確にしましょう。インサイドセールス部門であれば架電効率を高める機能、コールセンターであれば顧客満足度を向上させる機能が、それぞれ重要になります。

ポイント2:提供形態(クラウド型/オンプレミス型)を確認する

提供形態には、サーバー管理が不要でスピーディーに導入できる「クラウド型」と、自社内にサーバーを構築する「オンプレミス型」があります。特別な理由がない限りは、柔軟性とコストパフォーマンスに優れたクラウド型が現在の主流です。

ポイント3:Salesforce以外のツールとの連携性

現在利用している、あるいは将来的に利用する可能性のある他のツール(ビジネスチャットやMAツールなど)との連携が可能かどうかも確認しておきましょう。

ポイント4:料金体系とサポート体制

料金体系は「初期費用+月額費用(ユーザー数に応じた課金)」が一般的です。自社の規模に合った無駄のない料金プランを選びましょう。また、導入時やトラブル時のサポート内容(対応時間、費用など)も事前に必ず確認してください。

ポイント5:AppExchangeでの評価とレビューを参考にする

AppExchangeは、Salesforceと連携できるアプリの公式ストアです。実際にツールを利用しているユーザーの正直なレビューや評価が多数掲載されているため、信頼性の高い情報源として大変参考になります。

Salesforceと連携できるおすすめCTIツール比較7選

ここでは、上記の選び方を踏まえ、Salesforceと連携できる代表的なCTIツールを7つご紹介します。機能や特徴を比較検討し、自社に合ったツールを見つけてください。

ツール名主な特徴こんな企業におすすめ
MiiTel (ミーテル)AIによる音声解析でトークを可視化。営業の質向上に特化。インサイドセールスの成果を最大化したい、営業教育を効率化したい企業。
BIZTEL (ビズテル)豊富な機能と安定性で業界トップクラスの実績。コールセンター向け。中〜大規模のコールセンターを持つ、高い拡張性と信頼性を求める企業。
Dialpad (ダイアルパッド)Google/Microsoft 365連携に強く、直感的なUIで使いやすい。コミュニケーションツール全体の効率化を図りたい企業。
MediaCalls低コストながら豊富な機能を搭載。コストパフォーマンスに優れる。コストを抑えてCTIを導入したいスタートアップや中小企業。
Comdesk Lead携帯回線利用で安定した通話品質。外出先からの架電に強い。フィールドセールスや、移動中の架電が多い営業担当者がいる企業。
カイクラ中小企業に特化。シンプルな機能と手厚いサポートが魅力。ITに不慣れな担当者が多い、初めてCTIを導入する企業。
Vonage Contact Centerグローバルでの豊富な実績。大規模・複雑な要件にも対応可能。グローバル展開している、多言語対応が必要な大企業のコールセンター。

MiiTel (ミーテル)

AIが通話内容をリアルタイムで解析し、「話す速度」などをスコアリングして可視化します。トップセールスの話し方を分析し、チーム全体の営業力強化に繋げられるのが最大の強みです。

BIZTEL (ビズテル)

10年以上の歴史と2,000社以上の導入実績を誇る、信頼性の高いクラウドCTIです。コールセンターに必要な機能(ACD、IVRなど)を網羅し、柔軟なカスタマイズ性も魅力です。

Dialpad (ダイアルパッド)

Google WorkspaceやMicrosoft 365との親和性が非常に高く、ビデオ会議やチャット機能も統合されています。洗練されたUIで、ITリテラシーを問わず使いやすい点が評価されています。

MediaCalls

コールセンターに必要な機能を網羅しつつ、比較的低コストで導入できるのが魅力です。インバウンド・アウトバウンド双方に対応し、コストパフォーマンスに優れています。

Comdesk Lead

インターネット回線ではなく携帯電話回線を利用するため、通信環境に左右されない安定した通話品質を実現します。かけ放題プランを活用することで通信コストを削減できる場合があります。

カイクラ

「ITが苦手な人でも使える」をコンセプトに、中小企業の電話業務に特化したシンプルな機能と分かりやすい画面設計が特徴です。専任担当者による手厚いサポート体制も強みです。

Vonage Contact Center

世界中の多くの企業で利用されているグローバルスタンダードなツールです。Salesforceとの連携が非常に深く、複雑なワークフローの自動化など、高度な要件にも応えることができます。

【Q&A】SalesforceとCTI連携に関するよくある質問

Q1. AppExchange以外で探す方法はありますか?

A. 各ツールの提供元企業のウェブサイトやIT製品比較サイトでも探せます。しかし、Salesforceとの連携が目的の場合、まずはAppExchangeで探すことを推奨します。AppExchange掲載アプリはSalesforceのセキュリティ基準をクリアしており、連携の安定性が担保されているためです。

Q2. 導入にかかる期間はどれくらいですか?

A. クラウド型CTIツールであれば、最短数日〜1ヶ月程度で導入できることが多いです。ただし、社内での要件定義や担当者へのトレーニングなども含めると、2〜3ヶ月程度の期間を見込んでおくと余裕を持った計画が立てられます。

Q3. 小規模なチームでも導入するメリットはありますか?

A. 大いにあります。むしろ、一人ひとりが複数の役割を担う小規模チームほど、業務効率化の効果を実感しやすいと言えます。電話対応の時間を削減し、より付加価値の高い業務に集中できることは、チーム全体の生産性を高めることに繋がります。

まとめ

本記事では、Salesforce CTI連携の基本から、メリット・デメリット、ツールの選び方、具体的な製品、成功事例までを網羅的に解説しました。

SalesforceとCTIの連携は、単なる業務効率化ツールではありません。それは、顧客情報を最大限に活用し、一人ひとりのお客様との関係性を深化させ、企業の競争力を高めるための戦略的な投資です。

この記事を参考に、まずは自社の課題を改めて整理し、気になるCTIツールの資料請求や無料トライアルを申し込んでみてはいかがでしょうか。行動を起こすことで、貴社の電話業務、そして顧客との関係は、必ず次のステージへと進化するはずです。

営業リスト作成にも役立つ企業データベース「SalesNow」

CTIツールとSalesforceの連携で得た顧客情報を最大限に活かすには、精度の高い営業リストが不可欠です。

「SalesNow」は、全国540万社を網羅した業界最大級の企業データベースで、部署・拠点・人物単位の連絡先情報も掲載。営業活動の精度とスピードを高めたい企業に最適なツールです。

CTA