【そのまま使える例文付き】もう悩まない！フォローアップの基本と実践テクニック

「商談後の連絡、どうすれば？」「面接後の候補者へのアプローチは？」

こうした悩みを解決するのが、成果に直結する「フォローアップ」です。しかし、その重要性を理解していても、やり方を間違えれば相手に不快感を与えかねません。

本記事では、フォローアップの基本から、コピーしてすぐに使えるシーン別メール例文、そして成功のコツまでを徹底解説します。この記事を読めば、あなたのフォローアップは「ただの確認」から「信頼を築くコミュニケーション」へと変わるはずです。

フォローアップとは？

まずは基本に立ち返り、「フォローアップ」という言葉の正確な意味と、なぜそれがビジネスにおいて不可欠なのかを理解しましょう。

フォローアップの基本的な意味

フォローアップ（follow up）を直訳すると「追跡する」「さらに〜する」といった意味になります。ビジネスシーンにおいては、一度アプローチした相手や事柄に対して、その後の状況を確認し、関係性を維持・深化させるために適切な働きかけを行うことを指します。

重要なのは、単に進捗を確認するだけでなく、相手の関心度合いを測り、次のアクションに繋げるための「継続的なコミュニケーション」であるという点です。

ビジネスシーンにおけるフォローアップの重要性とは？

一度きりの接触で商談や採用がうまくいくケースは稀です。顧客は複数の企業を比較検討し、候補者は複数の企業に応募しています。このような状況で相手から忘れられてしまわないためにも、フォローアップは極めて重要です。

適切なフォローアップは、相手に「自分のことを気にかけてくれている」というポジティブな印象を与え、あなたやあなたの会社に対する信頼感を高める効果があります。この小さな信頼の積み重ねが、最終的に大きな成果へと繋がるのです。

アフターフォロー、リマインドとの明確な違い

フォローアップと混同されやすい言葉に「アフターフォロー」と「リマインド」があります。それぞれの違いを明確に理解しておきましょう。

簡単に言えば、検討段階からゴールまで並走するのが「フォローアップ」、ゴール後の関係をケアするのが「アフターフォロー」、予定を思い出させるのが「リマインド」と覚えておくと分かりやすいでしょう。

フォローアップが重要な3つの理由

現代のビジネス環境において、フォローアップの重要性はますます高まっています。その背景にある3つの理由を解説します。

1. 顧客満足度の向上とLTVの最大化

新規顧客の獲得コストが増大する中、既存顧客との関係を維持し、長期的に収益をもたらしてもらうことの重要性が高まっています。LTV（Life Time Value：顧客生涯価値）という指標が重視されるのもこのためです。

丁寧なフォローアップによって顧客の疑問や不安を解消し、安心感を与えることは、顧客満足度の向上に直結します。満足度が高まれば、リピート購入や上位プランへのアップグレード、さらには知人への紹介といった好循環が生まれ、結果的にLTVの最大化に繋がります。

2. 機会損失の防止と競合優位性の確保

情報過多の時代において、顧客は常に多くの選択肢にさらされています。一度問い合わせや商談があっても、その後のフォローがなければ、顧客の関心は時間とともに薄れ、競合他社に流れてしまうかもしれません。

適切なタイミングでフォローアップを行うことは、自社の製品やサービスを再び思い出してもらい、検討のテーブルに乗せ続けるために不可欠です。この「忘れさせない努力」が、貴重なビジネスチャンスを逃さないことに繋がり、競合に対する大きなアドバンテージとなります。

3. 長期的な信頼関係の構築

フォローアップは、単に商品やサービスを売り込むための行為ではありません。相手の状況を気遣い、有益な情報を提供し、課題解決のパートナーであろうとする姿勢を示すことで、人としての信頼関係を築くことができます。

たとえ今回すぐに成果に結びつかなかったとしても、この信頼関係が土台にあれば、「何かあったときには、あの人に相談しよう」と思ってもらえます。ビジネスは短期的な取引の連続ではなく、長期的な関係性の上に成り立つものです。フォローアップは、その最も基本的で重要な一歩と言えるでしょう。

【シーン別】フォローアップのメール・電話例文集

ここからは、若手ビジネスパーソンがすぐに実践できるよう、具体的なシーン別のメール例文と、電話でフォローアップする際のポイントをご紹介します。

シーン1：商談・打ち合わせ後の御礼と状況確認（メール例文）

商談後は、記憶が新しいうちにフォローアップするのが鉄則です。当日中、遅くとも翌営業日の午前中には送りましょう。

【例文1】基本的な御礼メール

件名：【株式会社〇〇】〇月〇日のお打ち合わせの御礼（株式会社△△ 担当者名）

株式会社□□
営業部 部長 〇〇様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の（担当者名）です。

本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
〇〇様が抱えていらっしゃる（課題）について、弊社サービス「サービス名」が
どのようにお役立てできるかをお話しでき、大変有意義な時間でございました。

本日のお打ち合わせ内容を、改めて下記にまとめさせていただきました。
・（課題1）に対しては、（解決策1）をご提案
・（課題2）に対しては、（解決策2）をご提案
・今後のスケジュール：〇月〇日までに本日いただいたご質問への回答を提出

お話の中で挙がりました（特定の話題）に関する参考資料を添付いたしましたので、
ご査収いただけますと幸いです。

今後、ご検討を進められる上で、ご不明な点や追加で必要な情報などございましたら、
いつでもお気軽にお申し付けください。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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署名
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【例文2】次回の約束を取り付けたい場合

（上記例文に続けて）

つきましては、今回ご提案させていただいた内容につきまして、
より具体的なお見積もりや導入事例のご説明をさせていただきたく、
改めて30分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。

来週でしたら、以下の日程で調整が可能でございます。
・〇月〇日（月）13:00〜16:00
・〇月〇日（火）10:00〜12:00
・〇月〇日（水）終日

〇〇様のご都合はいかがでしょうか。
上記以外でも調整可能ですので、ご希望の日時をお知らせいただけますと幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

シーン2：資料請求・問い合わせへの対応（メール例文）

Webサイトからの資料請求や問い合わせは、顧客の関心度が非常に高い状態です。可能な限り迅速に（できれば自動返信後、数時間以内に）個別でフォローしましょう。

【例文3】資料請求者へのフォローメール

件名：【株式会社△△】「〇〇」の資料ダウンロードありがとうございます。

〇〇様

この度は、弊社サービス「〇〇」の資料をダウンロードいただき、
誠にありがとうございます。
株式会社△△の（担当者名）と申します。

お送りした資料は、〇〇様が現在お持ちの（想定される課題）の解決に
お役立ていただける内容となっております。

もし資料をご覧いただく中で、ご不明な点や、
「自社の場合はどうだろう？」といった具体的な疑問点がございましたら、
お気軽にご質問ください。

また、よろしければ、〇〇様の現状の課題やご状況を簡単にお伺いし、
最適な活用方法をご提案させていただくことも可能です。
下記URLより、15分程度のオンライン説明会をご予約いただけます。
[オンライン説明会の予約URL]

〇〇様のお役に立てますことを、心より願っております。

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署名
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シーン3：採用面接後の候補者への連絡（メール例文）

採用活動におけるフォローアップは、優秀な人材を確保し、入社後のミスマッチを防ぐ上で極めて重要です。候補者の不安を和らげ、自社への志望度を高めることを意識しましょう。

【例文4】面接後の御礼と今後の流れを伝えるメール（当日〜翌日）

件名：【株式会社△△】〇月〇日の一次面接の御礼

〇〇様

本日はお忙しい中、一次面接にお越しいただき、
誠にありがとうございました。
株式会社△△ 採用担当の（担当者名）です。

〇〇様の（具体的な経験やスキル）に関するお話は大変興味深く、
弊社への強いご関心も感じられ、非常に嬉しく思っております。

本日お話しいただいた内容をもとに、社内で検討を進めさせていただきます。
選考結果につきましては、1週間以内を目処に、
改めてメールまたはお電話にてご連絡いたします。

取り急ぎ、本日の面接の御礼を申し上げます。

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署名
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【例文5】選考結果の連絡が遅れる場合のお詫びメール

件名：【株式会社△△】選考結果のご連絡時期について

〇〇様

お世話になっております。
株式会社△△ 採用担当の（担当者名）です。

先日は、弊社の一次面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。

〇月〇日までにご連絡する予定でございました選考結果ですが、
現在、慎重に選考を進めており、ご連絡まで今しばらくお時間を頂戴したく、
ご連絡いたしました。

誠に申し訳ございませんが、〇月〇日までには必ずご連絡いたしますので、
何卒ご容赦いただけますと幸いです。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

シーン4：セミナー・イベント参加者へのお礼（メール例文）

セミナーやイベントは、多くの見込み客と一度に接点を持てる貴重な機会です。参加の熱が冷めないうちにフォローアップし、個別相談や商談に繋げましょう。

【例文6】参加者全体への一斉送信メール

件名：【ご参加御礼】〇月〇日開催「〇〇セミナー」の資料送付につきまして

セミナーにご参加の皆様

昨日は、弊社主催の「〇〇セミナー」にご参加いただき、
誠にありがとうございました。
株式会社△△の（担当者名）です。

セミナーはいかがでしたでしょうか。
皆様のビジネスの一助となれば幸いです。

当日の投影資料をPDFにてお送りいたしますので、
ぜひご活用ください。
[資料ダウンロードURL]

また、セミナー内でお時間の都合上お答えできなかったご質問への回答を、
下記ページにまとめましたので、併せてご覧ください。
[Q&AページのURL]

今後とも皆様のお役に立つ情報を提供してまいりますので、
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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署名
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【例文7】特に有望な参加者への個別フォローメール

件名：【株式会社△△】先日の〇〇セミナーの御礼（個別のご案内）

株式会社□□
〇〇様

お世話になっております。
株式会社△△の（担当者名）です。

先日は、弊社主催の「〇〇セミナー」にご参加いただき、
誠にありがとうございました。

セミナー後のアンケートにて、弊社の「サービス名」に
ご関心をお持ちいただき、ありがとうございます。

もしよろしければ、〇〇様の事業内容や現在の課題に合わせて、
より具体的なサービスのご活用方法や導入事例を
ご紹介させていただきたく、個別相談会（30分程度）の機会を
いただけないでしょうか。

下記よりご都合の良い日時をご予約いただけます。
[個別相談会 予約URL]

〇〇様からのご連絡を、心よりお待ちしております。
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署名
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電話でフォローアップする際のポイントと会話例

メールだけでなく、電話でのフォローアップも効果的です。特に、込み入った話や温度感を確かめたい場合に有効です。

電話フォローアップのポイント

目的を明確にする

電話をかける前に、何を伝え、何を得たいのかを整理する。

相手の状況を気遣う

「ただいま5分ほどよろしいでしょうか？」と最初に確認する。

要件は簡潔に

ダラダラと話さず、要点をまとめてから電話する。

話した内容は記録する

電話後にメールで内容を再度送ると、丁寧な印象を与え、記録にも残る。

会話例（商談後のフォロー）

「株式会社□□の〇〇様でいらっしゃいますか。わたくし、株式会社△△の（担当者名）と申します。先日はお打ち合わせのお時間をいただき、ありがとうございました。その後のご検討状況はいかがでしょうか？」

「さようでございますか。もしよろしければ、先日お話しきれなかった〇〇の件について、追加の資料をお送りしたいのですが、メールで送付させていただいてもよろしいでしょうか？」

フォローアップを成功に導く5つのコツ

効果的なフォローアップには、いくつかの共通したコツがあります。これらを意識するだけで、あなたのフォローアップは劇的に変わります。

コツ1：目的を明確にする

「なんとなく連絡する」のは最も避けたいフォローアップです。連絡する前に、「このフォローアップで何を得たいのか」を明確にしましょう。

• 御礼と関係構築
• 相手の検討状況の確認
• 課題のヒアリング
• 次のアポイントの獲得
• 意思決定の促進

目的が明確であれば、伝えるべき内容も自然と決まり、相手にとっても分かりやすいコミュニケーションになります。

コツ2：最適なタイミングを見極める

フォローアップはタイミングが命です。早すぎるとせかしている印象を与え、遅すぎると忘れられてしまいます。シーンごとの一般的な目安は以下の通りです。

コツ3：相手に有益な情報を提供する

「いかがでしょうか？」と状況を確認するだけのフォローアップは、相手に返信の負担をかけるだけです。連絡する際は、必ず相手にとって何かしら価値のある情報を添えることを心がけましょう。

• 関連する導入事例やお客様の声
• 相手の業界に関する最新ニュースや調査データ
• お役立ち資料（ブログ記事、ホワイトペーパーなど）
• 製品のアップデート情報

「自分のことを考えてくれている」と感じてもらうことが、信頼関係の構築に繋がります。

コツ4：相手に負担をかけない「簡潔さ」と「気遣い」

忙しいビジネスパーソンにとって、長文のメールや要領を得ない電話はストレスになり得ます。相手への配慮を忘れず、スマートなコミュニケーションを心がけましょう。具体的には、以下の表のような工夫が有効です。

コツ5：継続的な仕組みを作る（ツール活用も視野に）

特にチームでフォローアップを行う場合、その活動が属人化しないように「仕組み化」することが重要です。仕組み化することで、対応漏れを防ぎ、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができます。

Excelやスプレッドシートでの管理

まずは手軽に始められる方法です。「いつ、誰が、誰に、どんなフォローをしたか」を記録・共有するだけでも、担当者が不在の際に他のメンバーが対応できるなど、基本的な情報共有が可能になります。

CRM/SFAツールの活用

より本格的な管理を目指すなら、CRM（顧客関係管理）やSFA（営業支援）ツールの導入が効果的です。顧客情報やこれまでの接触履歴を一元管理し、「次のアクションはいつか」を自動で通知してくれるため、対応漏れをなくし、営業活動全体を効率化できます。

メールテンプレートの作成

シーン別のメールテンプレートをチームで共有し、品質を標準化する方法です。誰が対応しても一定の品質を保てるだけでなく、メール作成の時間を短縮し、よりスピーピーディーなフォローアップが実現します。

やってはいけない！フォローアップのNG例と注意点

良かれと思ってやったフォローアップが、かえって相手に悪印象を与えてしまうこともあります。よくあるNG例を知り、未然に防ぎましょう。

しつこい連絡で相手に不快感を与える

返信がないからといって、毎日電話をかけたり、同じ内容のメールを何度も送ったりするのは逆効果です。適切な間隔を空け、それでも反応がなければ一度引く勇気も必要です。

目的が不明確な連絡をする

「その後いかがでしょうか？」だけの連絡は、相手に「だから何？」と思わせてしまいます。必ず、コツ3で解説したような有益な情報提供とセットで行いましょう。

前回までの経緯を無視する

「前回お話しした通り〜」と言いながら、内容が違っていたり、過去のやり取りを把握していなかったりすると、一気に信頼を失います。連絡する前には必ず過去の履歴を確認しましょう。CRM/S.FAなどのツールは、こうしたミスを防ぐのに役立ちます。

【Q&A】フォローアップに関するよくある質問

最後に、フォローアップに関してよく寄せられる質問にお答えします。

Q. フォローアップはいつまで続けるべきですか？

A. 明確な決まりはありませんが、相手の反応や案件の温度感によって判断するのが一般的です。例えば、BtoBの商談であれば、3回程度アプローチしても全く反応がない場合、一度アプローチを中断し、「また何かお役に立てそうな情報があればご連絡します」と伝えて区切りをつけるのが良いでしょう。そして、数ヶ月後に新機能のリリースなど、新しい情報ができたタイミングで再度連絡してみるのが効果的です。

Q. フォローがない、返信がない場合はどうすればいいですか？

A. まず、相手が多忙で見落としている可能性を考えましょう。1週間ほど待ってから、「先日お送りしたメールですが、ご確認いただけましたでしょうか？」と、件名に【再送】などをつけて、前回とは少し角度の違う情報（例えば、別の導入事例など）を添えて再度連絡してみましょう。それでも反応がなければ、しつこく追いかけるのは避け、一度リストから外してタイミングを改めるのが賢明です。

Q. 効率的にフォローアップを行う方法はありますか？

A. あります。以下の方法がおすすめです。

メールテンプレートの活用

シーンごとに基本となるメールの型を用意しておくことで、作成時間を大幅に短縮できます。

タスク管理ツールの活用

「〇月〇日に〇〇さんにフォローする」といったタスクを登録し、抜け漏れを防ぎます。

CRM/SFA/MAツールの導入

顧客管理システム（CRM/SFA）やマーケティングオートメーション（MA）ツールを使えば、顧客へのアプローチ履歴を管理し、適切なタイミングでのフォローを自動化することも可能です。

まとめ

本記事では、フォローアップの基本から具体的な例文、成功のコツまでを網羅的に解説しました。最も大切なのは、フォローアップを単なる「追いかける」行為ではなく、相手の状況を理解し、信頼関係を「育む」コミュニケーションと捉えることです。

商談後のメールに有益な情報を添える、候補者に寄り添った連絡をするなど、この記事で紹介した小さな工夫をぜひ実践してみてください。一つひとつの丁寧な積み重ねが、あなたのビジネスを次のステージへと確実に導いてくれるでしょう。