「同じ企業が複数表記でSFAに残っていて重複アプローチが発生する」「マーケと営業のリストが整合せず分析が回らない」「Excelで関数を組み立てても精度の限界を感じる」——名寄せ運用に悩むデータマネジメント・営業企画担当者によく見られる課題です。名寄せは『社名の表記ゆれを揃える作業』ではなく、データソースを横断して同一企業を1レコードに収束させ、SFA/CRMから営業活動までを統合する取り組みです。
本記事は、名寄せをExcelの手作業から「組織として回る仕組み」へ変えるための実践ガイドです。基本概念とデータクレンジングとの違い・必要になる3つの場面・5ステップ手順・Excel実装・専用ツール活用・精度を高める実践テクニック・SalesNowでできること・スマートドライブ事例・SalesNow MCPによる自然言語名寄せ・ROI試算・着手前チェックリストまでを順に扱います。読み終える頃には、自社の現状からどこに最初の一手を打てば最短で精度が上がるかが見えてくるはずです。
特定のテーマを先に知りたい方は、以下の関連記事から読み進めることもできます。
- 名寄せの全体像・5ステップ手順を知りたい方 → 名寄せとは?意味・手順・ツール活用まで徹底解説
- 名寄せ × データクレンジング全体を知りたい方 → 名寄せ・データクレンジングのやり方|手順・ツール比較・コツを解説
- Excelで名寄せを実装したい方 → エクセルで名寄せする方法|関数・手順・限界まで徹底解説
名寄せとは?基本概念とデータクレンジングとの違い
マーケティング部門が管理するリードリストと、営業部門がSFAに入力した顧客情報の中に、同じ企業が別々のレコードとして存在しているケースは珍しくありません。名寄せは、こうして複数のデータベースやシステムに分散している同一の顧客・企業情報を、1つの正確なレコードに収束させる作業です。正しく実践することで、データの重複を排除し、顧客管理の精度と営業活動の生産性を飛躍的に向上させられます。
名寄せの基本的な仕組み
名寄せは、複数のデータソースに存在するレコードを「照合キー」と呼ばれる基準項目で突き合わせ、同一の企業や人物であるかどうかを判定する作業です。照合キーには、企業名・住所・電話番号・法人番号・メールアドレスなどが使われます。特に法人番号は国内約500万社の法人に一意に付与されているため、最も精度の高い照合キーとして活用されています。
総務省の法人番号公表サイトによると、2026年現在、法人番号が付与されている法人は約500万件に上ります。この法人番号を活用した名寄せの方法は、企業名の表記ゆれ(「株式会社」と「(株)」の違いなど)に影響されないため、手動での名寄せよりも大幅に精度が高くなります。
名寄せとデータクレンジングの違い
名寄せとデータクレンジングは混同されがちですが、それぞれ異なる工程を指します。データクレンジングは個々のレコードの品質を高める作業であり、名寄せはクレンジング済みのデータを統合する作業です。名寄せを成功させるには、事前のデータクレンジングが不可欠です。詳しくは「名寄せ・データクレンジングのやり方|手順・ツール比較・コツを解説」で体系的に解説しています。
| 項目 | データクレンジング | 名寄せ |
|---|---|---|
| 目的 | 個々のデータ品質の向上 | 重複レコードの統合 |
| 対象 | 表記ゆれ・欠損・不正値 | 同一企業・同一人物の重複 |
| 実行順序 | 先に実施 | クレンジング後に実施 |
| 代表的な手法 | 表記統一・欠損値補完・不正データ削除 | 照合キーによる突合・スコアリング |
| ツール例 | Excel・ETLツール | SalesNow・uSonar・専用ツール |
名寄せが必要になる3つの場面
名寄せが必要になる場面とは、データの重複や分散によって業務効率や営業精度が低下している状態を指します。多くの企業で名寄せが放置されている理由は「手間がかかる」ことですが、放置するほど問題は深刻化します。
SFA/CRMのデータ重複が営業活動を阻害している
SalesforceやHubSpotなどのSFA/CRMを導入している企業では、同一企業が複数のレコードとして登録されているケースが頻繁に発生します。ある調査では、CRM内のデータの約25~30%が重複しているとされています。重複データの存在は、同じ企業に別々の営業担当者がアプローチしてしまう「二重営業」の原因になります。顧客からの信頼低下や、社内リソースの無駄遣いに直結する重大な問題です。
名寄せを行うことで、1社1レコードの正確なデータベースが構築され、チーム全体のアプローチ精度が向上します。SalesNowの名寄せ機能を活用した企業では、重複排除によりSFA内のデータ品質が大幅に改善し、営業効率の向上に成功しています。
部門間でバラバラに管理されたリストを統合したい
マーケティング・営業・カスタマーサクセスなど、複数部門がそれぞれ独自のリストを管理していると、企業全体として「どの企業にどのようなアプローチをしているのか」が把握できなくなります。展示会リスト、Webフォーム経由のリード、テレアポリストなど、ソースの異なるデータを名寄せで統合することが、組織的な営業活動の第一歩です。
M&Aや事業統合で複数のデータベースを一元化する必要がある
企業合併や事業統合の際、それぞれの企業が保有していた顧客データベースを一つに統合する必要があります。この場合、データの形式やカラム構成が異なるケースが多く、単純な結合では大量の重複が発生します。法人番号をキーにした名寄せの方法を採用することで、正確かつ効率的な統合が可能になります。
名寄せの方法を5ステップで解説
名寄せの作業全体は、データの現状把握 → クレンジング → 照合 → 統合 → 検証の5ステップで構成されます。手当たり次第にレコードを統合するのではなく、この順序で体系的に進めることで、作業の手戻りを防ぎながら精度の高い名寄せを実現できます。
ステップ1:データの棚卸しと現状分析
最初に行うべきは、名寄せ対象となるデータの全体像を把握することです。具体的には以下の項目を確認します。
- データソースの数と種類(SFA、MA、Excel、外部リストなど)
- 各データソースのレコード件数
- 共通して保持している項目(企業名、住所、電話番号、法人番号など)
- データの鮮度(最終更新日)
- 重複の推定規模(全体の何%程度が重複しているか)
この段階で重複率の概算を出しておくと、名寄せにかかる工数の見積もりが可能になります。一般的に、管理されていないデータベースでは全体の20~30%が重複しているとされています。
ステップ2:照合キーの選定とルール設計
名寄せの精度を決定するのが照合キーの選定です。照合キーとは「同一企業かどうかを判定するための基準項目」のことで、以下の優先順位で設定することを推奨します。
- 法人番号(精度:最高):一意の13桁の番号で完全一致が可能
- 企業名+住所(精度:高):表記統一が前提
- 電話番号(精度:中):代表番号の変更リスクあり
- メールドメイン(精度:中):同一ドメインの別企業に注意
- 企業名のみ(精度:低):同名企業・表記ゆれのリスク大
法人番号を照合キーに活用できるかどうかが、名寄せの精度を大きく左右します。SalesNowは国内1,400万件超の企業・組織データベースを保有しており、法人番号を基準にした高精度な名寄せを実現しています。
ステップ3:データクレンジングの実施
名寄せの前処理として、データクレンジングを必ず実施します。具体的な作業内容は以下の通りです。
- 表記ゆれの統一:「株式会社」→「(株)」、全角半角の統一、旧字体の変換
- 住所の正規化:都道府県の補完、番地表記の統一(「1-2-3」→「1丁目2番3号」)
- 空白・特殊文字の除去:余分なスペース、改行コード、制御文字の削除
- 欠損値の補完:外部データベースからの情報取得による補完
- 明らかな不正データの除去:テストデータ、ダミーデータの削除
データクレンジングを省略すると、名寄せの精度は著しく低下します。同一企業であっても表記が異なれば別レコードと判定されてしまうためです。
ステップ4:照合と統合の実行
クレンジング済みのデータに対して、設定した照合キーで突合処理を行います。照合の方法には大きく2種類があります。
- 完全一致照合:照合キーが完全に一致するレコードを統合する方法。法人番号による照合がこれに該当し、精度は最も高い
- あいまい照合(ファジーマッチング):編集距離やN-gram類似度を使い、部分的に一致するレコードを候補として抽出する方法。企業名など表記ゆれが残るデータに有効
統合時には「マスターレコード」を決定し、どちらのデータを残すかのルールを事前に定めておくことが重要です。一般的には、データの鮮度が高いほう、または情報の充実度が高いほうをマスターとします。
ステップ5:結果検証と継続的なメンテナンス
名寄せは一度実施すれば終わりではありません。名寄せ後のデータを検証し、過検出(本来別の企業なのに統合してしまった)や未検出(同一企業なのに統合されなかった)がないかを確認します。検証の際は、統合件数・残存重複率・データカバレッジをKPIとして測定するのが効果的です。
また、日々の業務でデータは増え続けるため、定期的な名寄せの実施体制を構築することが不可欠です。手動での定期実施は現実的ではないため、SalesNowのような自動名寄せ機能を持つツールの導入が有効です。
Excelで名寄せを行う具体的なやり方
データ件数が1,000件以下の小規模なリストであれば、Excelの関数やフィルター機能でも十分に名寄せが行えます。専用ツールを導入する前のスポット利用や、PoC段階のデータ整備にも適しています。ここでは実務で使われる代表的な関数と手順を整理します。
COUNTIF関数で重複を検出する方法
最も基本的な名寄せのやり方は、COUNTIF関数を使った重複検出です。企業名や電話番号のカラムに対して、同じ値が何件存在するかをカウントし、2以上の場合を重複として検出します。たとえば、A列に企業名が入力されている場合、B列に「=COUNTIF(A:A,A2)」と入力し、結果が2以上のレコードを抽出します。
ただし、この方法では「株式会社SalesNow」と「(株)SalesNow」のような表記ゆれは検出できません。事前にSUBSTITUTE関数で表記を統一しておく必要があります。
VLOOKUP関数で別シートのデータと照合する方法
複数のリストを突き合わせる場合は、VLOOKUP関数が有効です。シート1のデータに対して、シート2の照合キー列を検索し、一致するレコードの有無を確認します。法人番号が両方のリストに含まれていれば、完全一致の照合が可能です。
Excelでの名寄せの限界
Excelでの名寄せには明確な限界があります。データ件数が数千件を超えると処理速度が著しく低下し、あいまい照合には対応できません。また、名寄せのたびに手動作業が必要なため、継続的なメンテナンスに向いていません。
| 比較項目 | Excel手動名寄せ | 名寄せツール |
|---|---|---|
| 対応件数の目安 | 1,000件以下 | 数万~数百万件 |
| 表記ゆれ対応 | 手動での事前統一が必要 | 自動で正規化 |
| あいまい照合 | 不可 | 対応 |
| 法人番号による照合 | 自力で番号を取得する必要あり | 内蔵データベースで自動照合 |
| 継続的なメンテナンス | 毎回手動作業 | 自動実行が可能 |
| コスト | 無料(人件費のみ) | 月額費用が発生 |
1,000件以上のデータを扱う場合や、定期的な名寄せが必要な場合は、専用ツールの活用を検討すべきです。なお、少量のリストを手軽に整備したい場合は、SalesNow Lite(月額0円・1件50円から)で必要な企業データを取得し、法人番号付きのクリーンなリストを作成する方法も有効です。
名寄せツールを活用する方法と選び方
Excelの関数で対応しきれないデータ規模に達したら、専用の名寄せツールに切り替えるタイミングです。専用ツールは大量のレコードに対して自動的に重複検出・照合・統合を実行でき、さらに外部の企業データベースと連携することで名寄せの精度を一段階引き上げられます。ここでは選定の判断軸を整理します。
名寄せツールの3つのタイプ
名寄せツールは、機能の範囲によって大きく3つのタイプに分類できます。
- データクレンジング特化型:表記統一・正規化に強く、名寄せはその一部機能。Trilliumなどが該当
- 名寄せ・データ統合型:名寄せに特化し、法人番号照合やあいまいマッチングに対応。uSonarなどが該当
- セールスインテリジェンス型:名寄せに加えて、新規開拓リスト作成・アクティビティ通知・SFA連携まで一気通貫で対応。SalesNowが該当
名寄せツール選定の4つの基準
ツール選定で失敗しないためには、以下の4つの基準で比較することが重要です。
- 法人番号対応の有無:法人番号を照合キーとして使えるかどうか。これが名寄せ精度を大きく左右する
- 保有データベースの規模:照合先のマスターデータが充実しているほど、名寄せの精度と補完力が高まる
- SFA/CRM連携:Salesforce・HubSpotとの連携に対応しているか。連携できなければ手動でのデータ移行が必要になる
- 名寄せ後の活用機能:名寄せで「整備」して終わりか、その後の「行動(営業活動)」まで支援できるか
SalesNowは、国内1,400万件超の企業・組織データベースを基盤とし、上記4基準すべてに対応しています。名寄せからSFA連携、新規開拓までを一つのツールで完結できる点が、他の名寄せ専用ツールとの差別化ポイントです。
主要な名寄せツールの比較
| ツール名 | タイプ | 法人番号照合 | SFA連携 | 新規開拓機能 |
|---|---|---|---|---|
| SalesNow | セールスインテリジェンス型 | 対応 | Salesforce / HubSpot | 対応(1,400万件超のDB) |
| uSonar | 名寄せ・データ統合型 | 対応 | Salesforce / 各種MA | 限定的 |
| Trillium | データクレンジング特化型 | 対応 | API連携 | 非対応 |
名寄せの精度を高める実践テクニック
名寄せの実装が終わっても、精度を継続的に改善する余地は必ず残ります。誤統合(本来別の企業を統合してしまう)と統合漏れ(本来同じ企業を別レコードのままにしてしまう)の両方を最小化するには、照合キーの工夫・前処理の徹底・複数キーの組み合わせという3つの実践テクニックが効きます。
複数の照合キーを組み合わせるマルチキー照合
単一の照合キーだけでは、精度に限界があります。たとえば企業名のみで照合すると、「日本電気株式会社」と「NEC」は別企業と判定されてしまいます。企業名+住所+電話番号など、複数のキーを組み合わせたマルチキー照合を採用することで、精度を大幅に向上させることができます。
具体的なマルチキー照合のロジックとしては、以下の優先順位を設定します。
- 法人番号が一致 → 同一企業と確定
- 法人番号がない場合、企業名+住所が一致 → 同一企業の候補
- 企業名が部分一致+電話番号が一致 → 同一企業の候補
- 候補に対して人間が目視確認 → 最終判定
表記ゆれの辞書を整備する
名寄せ精度を上げるためには、業界特有の表記ゆれパターンを辞書として整備しておくことが有効です。よくある表記ゆれのパターンは以下の通りです。
- 「株式会社」↔「(株)」↔「㈱」
- 「東京都港区赤坂」↔「東京都港区赤坂」(全角半角の違い)
- 「03-1234-5678」↔「0312345678」(ハイフンの有無)
- 「アクセンチュア」↔「Accenture」(日英表記の違い)
- 旧社名と新社名の対応(社名変更履歴)
SalesNowでは、国内1,400万件超の企業データベースに蓄積された表記パターンをもとに、表記ゆれを自動で正規化する機能を備えています。手動で辞書を整備する手間を大幅に削減できます。
名寄せルールの属人化を防ぐドキュメント整備
名寄せのルールが担当者の頭の中にしか存在しない状態は危険です。担当者の異動や退職によって名寄せの品質が低下するリスクがあります。照合キーの優先順位、マスターレコードの選定基準、例外処理のルールなどを文書化し、チームで共有しておくことが重要です。
SalesNowの名寄せ機能で実現できること
SalesNowの名寄せ機能は、1,400万件超の企業・組織データベースを「正」の基準として、SFA/CRM内の顧客データを自動で照合・統合・補完する仕組みです。法人番号ベースの照合により、Excelの手作業や自社内ロジックでは難しい高精度の名寄せが、運用コストを抑えながら実現できます。
名寄せの先に取り組みたい、リードと取引先の企業単位での統合は「顧客データ統合とは?リードと取引先を企業単位に名寄せ・統合する方法」で詳しく解説しています。
法人番号基準の自動名寄せ
SalesNowは法人番号を基準にした自動名寄せに対応しています。SFA/CRMに登録されている企業データに法人番号を付与し、重複レコードを自動で検出・統合します。手動では数日かかる数万件規模の名寄せを、短時間で完了させることが可能です。
「整備から行動まで」一気通貫の価値
従来の名寄せツールは「データを整備する」ところで完結していました。SalesNowが他の名寄せ方法と大きく異なるのは、整備したデータを使って「新規開拓」「アプローチ」「商談獲得」まで一気通貫で支援できる点です。名寄せでSFAデータを整備した後、SalesNowの1,400万件超のデータベースからターゲット企業を抽出し、部署直通電話番号・組織図を活用した精度の高いアプローチに直結させることができます。
SalesNowの導入企業では、名寄せによるデータ整備と新規開拓の効率化を同時に実現し、商談数2.3倍・売上1.5倍という成果を上げています。ROBOT PAYMENT社の導入事例でも、名寄せによる営業効率化の成果が確認されています。
Salesforce・HubSpotとの連携
SalesNowはSalesforce・HubSpotとのネイティブ連携に対応しており、SFA/CRM内のデータに対して直接名寄せを実行できます。連携設定後は、新規データが追加されるたびに自動で名寄せが行われるため、手動メンテナンスの工数を大幅に削減できます。
名寄せ運用の法的留意点(個人情報保護法・第三者提供制限)
名寄せの実装で見落とされがちなのが法令対応です。法人情報そのものは個人情報保護法の保護対象ではありませんが、CRM/SFA上で名寄せする顧客データには担当者氏名・個人メールアドレス・個人携帯番号などの個人情報や、Cookie等の「個人関連情報」が含まれることがほとんどです。名寄せの段階で必ず抑えるべき2つの論点を整理します。
論点1:個人情報保護法(個人情報・個人関連情報の取り扱い)
担当者氏名や個人メールアドレスを名寄せ対象に含める場合、個人情報保護委員会のガイドラインに従って利用目的の明示・適切な取得方法の確保が必要です。複数のシステムに分散した個人情報を1つに統合する名寄せ作業そのものは利用目的の範囲内であれば問題ありませんが、当初の取得目的を逸脱する形で統合・利活用する場合は、利用目的の変更通知や新たな同意取得が必要になります。
論点2:個人関連情報の第三者提供制限
2022年4月施行の改正個人情報保護法では、Cookie等の「個人関連情報」を第三者に提供する場合、提供先で個人情報として取得することが想定されるなら本人同意の取得確認が義務化されました。サードパーティから購入した名寄せ用マスタデータと自社CRMの個人情報を紐付ける運用を行う場合は、提供元が同意を取得済みであることをデータ提供契約で必ず確認してください。
実践事例:スマートドライブがSalesforce連携で名寄せ・データ整備を自動化した取り組み
Salesforce内のデータが重複・欠損し名寄せが追いつかなかった
モビリティデータを活用したSaaSを提供するスマートドライブ(従業員104名)では、展示会やWebフォームなど複数チャネルから流入するリードがSalesforceに蓄積されていましたが、同一企業が異なる表記で重複登録されるケースが頻発していました。手動での名寄せ作業が営業チームの負担になっており、データの信頼性にも課題を抱えていました。
法人番号を軸としたSalesforce上の自動名寄せ
同社はSalesNowのSalesforce連携機能を活用し、法人番号をキーとした自動名寄せの仕組みを導入しました。新規リードが登録されるたびに法人番号で既存データとの照合が自動的に行われ、重複を防ぎながら企業情報(業種・売上高・従業員数など)が自動補完されます。手作業で行っていたデータクレンジングと名寄せが不要になりました。
データ基盤の整備がターゲティング精度の向上につながった
Salesforce上のデータ品質が改善されたことで、セグメント分析やターゲット企業の優先順位付けが正確に行えるようになりました。名寄せの自動化により、営業チームは情報整理ではなくアプローチ活動に時間を使えるようになり、営業プロセス全体の効率が向上した事例です。
スマートドライブの取り組みの詳細は、SalesNow導入事例ページ(株式会社スマートドライブ)からお読みいただけます。
SalesNow MCPで「自然言語×名寄せ」を実装する
名寄せの実装は、ここ数年で「Excel関数で組み立てる」「専用ツールのUIで設定」「LLMから自然言語で指示する」の3スタイルに分岐しました。それぞれの守備範囲を理解することが、どのタイミングで専用ツールに切り替えるべきかの判断軸になります。
名寄せ実装の3スタイル比較
| スタイル | 進め方 | 限界・注意点 |
|---|---|---|
| ① Excel関数で 組み立てる |
ASC/JIS/TRIM/SUBSTITUTE/COUNTIF/VLOOKUPを組み合わせ、Excel上でクレンジング・照合・統合をワークフロー化 | 1,000件以下のスポット用途には十分。継続運用や数万件規模ではSFA/CRM自動連携・名寄せ精度の両面で頭打ちになる |
| ② LLM単独で 名寄せを試みる |
ChatGPTやClaudeにCSVを貼り付けて「このリストを名寄せして」と自然言語で指示する | LLMが企業データベースに接続していないため、表記の似た別社を統合する/異名同社を別社判定するハルシネーション・誤統合が発生。法人番号での厳密照合ができない |
| ③ MCP接続で 企業DB×LLM |
SalesNow MCP経由でClaude等のLLMがSalesNowの1,400万件超の企業データに直接アクセスし、自然言語の指示で法人番号付き統合リストを生成 | MCP対応の企業データソースとMCP環境のセットアップが必要。初回構築は1〜2時間程度の工数 |
「このCSVリストの企業名から法人番号を割り出して、正式社名・本店所在地・業種・従業員数も補完して」と指示するだけで、SalesNow MCPがデータベースを直接参照し、ハルシネーションのない統合リストを返してくれます。Excel関数で詰まっていた表記ゆれ・あいまい一致・グループ会社判定が、自然言語の1回の指示で完結します。MCPの仕組みは「MCP×企業データ活用ガイド|SalesNow MCPで実現する仕組み・実装・API連携」で詳しく解説しています。
名寄せ運用のROIをどう測るか
名寄せのために専用ツールや企業データベース連携を導入する判断は、感覚ではなくROI(投資対効果)の試算で決めるのが定着のセオリーです。経営層への提案も「名寄せを整備したい」ではなく「これだけの投資でこれだけのリターンが見込める」という形で語ることがGo判断を引き出します。
投資項目と効果項目の整理
| 区分 | 具体項目 |
|---|---|
| 投資(コスト) | 名寄せ専用ツール/企業データベース月額/既存データからの移行工数/SFA連携の追加開発/運用ルール整備工数 |
| 効果(リターン) | 名寄せ作業時間の削減(×人件費)/重複アプローチによるブランド毀損リスクの回避/名寄せ精度向上による商談化率改善/旧社名・グループ会社判定の自動化による失注削減 |
ROI試算の3つのチェックポイント
- 現状の名寄せ時間を測る:1回あたりの作業時間×頻度×担当者の人件費を最低3か月分記録
- 計測KPIを3つに絞る:「名寄せ作業時間」「重複削除後のレコード数」「名寄せ後リストからの商談化率」の3軸で評価
- 四半期ごとに振り返る:1か月では効果が見えにくいため、3か月単位で施策評価と運用ルール調整を行う
名寄せ着手前のチェックリスト10項目
名寄せを着手する前に、以下の10項目を確認しておくと、ツール選定や運用設計の手戻りを減らせます。
- ☐ 名寄せ対象のデータ件数(数百件/数千件/数万件以上)を把握している
- ☐ 名寄せ後の活用目的(営業リスト/CRM統合/レポート集計)が明確になっている
- ☐ 照合キー(企業名・法人番号・電話番号・住所のどれを主軸にするか)が決まっている
- ☐ 国税庁法人番号公表サイトのCSV/APIから法人番号マスタを取得できる
- ☐ 表記ゆれパターン(株式会社/(株)/㈱、全角半角、スペース)を一覧化できている
- ☐ Excel・専用ツール・MCP接続のどこを起点に始めるかが決まっている
- ☐ 名寄せ後のレコード重複判定基準(完全一致/あいまい一致)が決まっている
- ☐ 個人事業主・拠点情報・グループ会社の扱いを運用ルールで整理している
- ☐ SFA/CRMへの取り込み後の運用ルール(再名寄せ頻度・新規データ追加時の処理)が決まっている
- ☐ 数万件超や定期運用の場合は専用ツールへの切替判断軸を持っている
10項目中7つ以上に「☐」を付けられない場合は、ツール導入に入る前にデータ整備と照合キー設計から着手するのがおすすめです。
まとめ
名寄せの方法は、データの棚卸し→照合キーの選定→データクレンジング→照合・統合→検証・メンテナンスの5ステップで進めるのが基本です。小規模なリスト(1,000件以下)であればExcelの関数で対応できますが、それ以上の規模では名寄せツールの活用が不可欠です。
名寄せの精度を最も高める方法は、法人番号を照合キーとして活用することです。SalesNowは国内1,400万件超の企業データベースと法人番号基準の自動名寄せ機能を備えており、データの「整備」から「活用」までを一気通貫で支援します。名寄せだけで終わらない、営業成果に直結するデータ基盤の構築を検討してみてください。
よくある質問
Q. 名寄せの方法にはどのような種類がありますか?
名寄せの方法は大きく3つに分類できます。Excelを使った手動名寄せ、法人番号をキーにした突合、名寄せツールによる自動処理です。データ件数が1,000件以下ならExcelで対応可能ですが、それ以上の規模ではSalesNowなどの名寄せツールを活用することで精度と効率が大幅に向上します。
Q. 名寄せとデータクレンジングの違いは何ですか?
データクレンジングは表記ゆれの修正・欠損値の補完・不正データの削除など、個々のレコードの品質を高める作業です。名寄せはクレンジング済みのデータを照合し、同一人物・同一企業のレコードを統合する作業を指します。名寄せを正確に行うには、事前のデータクレンジングが不可欠です。
Q. 名寄せの精度を上げるにはどうすればよいですか?
名寄せの精度を高めるには、法人番号を照合キーとして活用することが最も効果的です。法人番号は国内すべての法人に一意に付与されているため、表記ゆれの影響を受けません。SalesNowは国内1,400万件超の企業データベースと法人番号を基準にした名寄せ機能を備えており、高精度な自動名寄せを実現します。