「企業情報APIを導入したいが、どのAPIでどんなデータが取得できるのかわからない」「法人番号APIと商用APIでは取得できる項目にどれほど差があるのか知りたい」。企業情報APIの導入を検討する際、このような疑問を持つ開発者やDX推進担当者は少なくありません。

企業情報APIで取得できるデータ項目は、提供元のサービスによって大きく異なります。無料の公的APIでは法人番号や所在地などの基本情報に限られますが、商用APIでは財務情報、組織データ、求人・ニュースなどの活動データまで幅広く取得可能です。

本記事では、企業情報APIで取得できるデータ項目を体系的に整理し、APIサービスごとの取得可能範囲を比較表付きで解説します。企業情報APIの基礎知識については「企業情報APIとは?仕組み・できること・導入メリットを徹底解説」もあわせてご覧ください。

企業情報APIで取得できるデータとは

APIレスポンスの基本構造

企業情報APIにリクエストを送ると、JSON形式のレスポンスとして企業データが返却されます。一般的なレスポンスには、法人を一意に特定する識別子(法人番号など)をキーとして、企業の属性情報が階層構造で格納されています。

たとえば、法人番号を指定して1社の情報を取得する場合、基本的なレスポンス構造は以下のようになります。

階層 データカテゴリ 含まれる主な項目
第1階層 基本情報 法人番号、商号、所在地、設立年月日、法人種別
第2階層 企業属性 業種コード、従業員数、資本金、売上高、上場区分
第3階層 連絡先情報 代表電話番号、部署直通番号、メールアドレス、Webサイト
第4階層 活動データ 求人情報、ニュース、プレスリリース、資金調達情報

APIによっては上記のすべてを返すものもあれば、第1階層の基本情報のみに限定されるものもあります。どこまでのデータが必要かを事前に整理しておくことが、最適なAPIを選ぶうえで重要です。

無料APIと商用APIのデータ範囲の違い

企業情報APIは大きく「無料の公的API」と「有料の商用API」に分けられます。取得可能なデータ範囲には明確な差があります。

比較項目 無料API(公的機関提供) 商用API
代表的なサービス 法人番号API、gBizINFO API SalesNow API、その他商用サービス
基本情報 法人番号・商号・所在地 法人番号・商号・所在地+詳細属性
財務データ なし〜限定的 資本金・売上高・利益など網羅的
連絡先情報 なし 代表電話・部署直通・メールなど
活動データ なし 求人・ニュース・プレスリリースなど
データ更新頻度 月次〜四半期 日次〜リアルタイム
対象法人数 全法人(登記ベース) 独自収集で1,400万件超(SalesNow APIの場合)

無料APIは「法人の存在確認」や「基本情報の名寄せ」には十分ですが、営業活動やマーケティングに活用するには情報が不足します。商用APIを組み合わせることで、実務に耐えるデータ基盤を構築できます。

基本データ項目(法人番号・社名・住所・代表者等)

法人番号APIで取得できる基本項目

国税庁が提供する法人番号公表サイトのAPIでは、以下の基本項目を無料で取得できます。法人番号は国内すべての法人に付与される13桁の一意な番号であり、企業データの名寄せキーとして広く利用されています。

項目名 内容 活用例
法人番号 13桁の一意識別番号 SFA/CRMの名寄せキー、データ連携の統一ID
商号または名称 登記上の法人名 企業検索、表記ゆれの統一
本店所在地 都道府県から番地まで エリア別のターゲティング
法人種別 株式会社・合同会社・NPO法人等 法人形態によるフィルタリング
変更年月日 商号・所在地の変更日 移転企業の検知(営業シグナル)
処理区分 新規・変更・閉鎖 廃業企業の除外、新設法人のリスト化

法人番号APIは無料で利用でき、全法人を対象としたデータ取得が可能です。一方、電話番号や業種分類、従業員数といった営業活動に必要な情報は含まれていません。法人番号APIの詳しい使い方は「法人番号APIの使い方|仕様・取得データ・活用法を解説」で解説しています。

商用APIで追加取得できる項目

商用の企業情報APIでは、法人番号APIの基本項目に加えて、営業・マーケティングの実務に直結するデータを取得できます。SalesNow APIを例にすると、以下のような項目が追加で利用可能です。

カテゴリ 追加取得できる項目 活用シーン
代表者情報 代表者氏名、役職 決裁者へのダイレクトアプローチ
業種分類 大分類・中分類・小分類(複数業種対応) 業界別のターゲティング・セグメンテーション
連絡先 代表電話番号、部署直通番号、メールアドレス テレアポやメール営業での直接連絡
WebサイトURL コーポレートサイト、採用サイト等 企業分析、フォーム営業
SNSアカウント X(旧Twitter)、Facebook、LinkedIn等 SNS経由のリレーション構築
上場区分 東証プライム・スタンダード・グロース等 企業規模によるセグメント分け

特に部署直通の電話番号は、代表電話経由のアプローチと比較して商談化率が大きく向上するデータ項目です。商用APIを活用することで、「つながる営業リスト」を自動的に構築できる点が大きな価値となります。

財務・企業規模データ(資本金・売上・従業員数等)

取得できる財務項目の詳細

企業の財務データは、ターゲットの優先順位付けや受注確度の予測に欠かせません。企業情報APIで取得できる主な財務・企業規模データは以下のとおりです。

項目名 内容 営業活用での意味
資本金 登記上の資本金額 企業規模の目安。ターゲット企業の絞り込みに使用
売上高 直近年度の売上高 契約単価の見込み算出、企業の成長性判断
営業利益 直近年度の営業利益 投資余力の判断材料
従業員数 正社員数(連結・単体) 営業組織の規模推定、ライセンス数の見込み
設立年月日 法人の設立日 企業の成熟度判断、スタートアップの特定
決算月 会計年度の末日月 予算策定時期に合わせたアプローチタイミングの最適化
拠点数 本社・支店・営業所の数 全国展開企業の特定、拠点別アプローチの計画

決算月のデータは見逃されがちですが、企業の予算策定サイクルに合わせたアプローチを可能にする重要な項目です。たとえば3月決算の企業であれば、新年度予算が確定する1〜2月が提案の最適タイミングとなります。

上場企業と未上場企業の違い

財務データの取得可能範囲は、対象企業が上場企業か未上場企業かで大きく異なります。

項目 上場企業 未上場企業
売上高 有価証券報告書で公開(正確な数値) 推定値または非公開
営業利益・経常利益 公開あり 基本的に非公開
従業員数 連結・単体ともに公開 公開している場合と非公開の場合あり
資本金 公開あり 登記情報から取得可能
取得難易度 EDINETや決算短信から容易 独自収集が必要(難易度が高い)

日本の法人約1,400万件のうち、上場企業は約4,000社に過ぎません。つまり大多数の企業は財務情報を公開しておらず、無料のAPIだけでは取得が困難です。SalesNow APIでは、独自のデータ収集ネットワークを活用して未上場企業の財務データもカバーしており、BtoB営業で必要となる中小・中堅企業のデータも取得可能です。財務情報APIの詳細については「財務情報APIの活用方法」もご参照ください。

活動・シグナルデータ(求人・ニュース・プレスリリース等)

アクティビティデータの種類

企業の「今」の動きを示すアクティビティデータは、基本情報や財務データとは異なり、時間とともに変化するリアルタイム性の高い情報です。商用の企業情報APIで取得できる主なアクティビティデータは以下のとおりです。

データ種別 取得できる情報 更新頻度の目安
求人情報 募集職種、雇用形態、勤務地、給与レンジ、掲載媒体 日次
ニュース 企業に関する報道記事、メディア露出 日次
プレスリリース 新サービス発表、業務提携、受賞など 日次
資金調達 調達額、調達ラウンド、投資家情報 随時
移転・拠点変更 本社移転、新拠点開設、拠点統廃合 随時
認証・表彰 ISO取得、プライバシーマーク取得、各種表彰 随時

これらのアクティビティデータは無料の公的APIでは提供されていません。商用APIの付加価値として、営業活動の「タイミング」を捉えるために活用される重要なデータ項目です。

営業活用での価値

アクティビティデータは、企業の課題やニーズを推測するための強力なシグナルとなります。具体的な活用シーンを見てみましょう。

  • 求人情報 × 営業ツール提案:「営業職を10名以上募集中の企業」をAPIで抽出すれば、営業組織の拡大フェーズにある企業をピンポイントでターゲティングできます
  • 資金調達 × 新規導入提案:シリーズB以降の調達を行った企業は、組織基盤への投資意欲が高い傾向にあります。SFA/CRMやデータツールの提案に適したタイミングです
  • プレスリリース × クロスセル:新サービスを発表した企業は、マーケティングやリード獲得に投資する可能性が高く、関連サービスのクロスセル機会となります
  • 移転情報 × オフィス関連サービス:オフィス移転を計画している企業は、什器・通信・セキュリティなど複数の領域で発注ニーズが発生します

SalesNow APIでは、これらのアクティビティデータをリアルタイムに近い頻度で更新しており、APIレスポンスに含めて取得できます。基本情報と組み合わせることで「IT業界×従業員100名以上×直近1ヶ月以内に営業職の求人を掲載」のような高精度なセグメント抽出が、プログラムから自動実行可能になります。

SalesNow APIを活用してデータ基盤を構築した企業では、営業担当者1人あたり月8.6時間の工数削減を実現しています。パーソルキャリアやクラウドワークスなどの導入企業では、APIを通じた企業データの自動取得により、営業リスト作成の効率化と商談数の向上を達成しています。

APIサービス別データ項目比較表

法人番号API / gBizINFO / SalesNow API の比較表

主要な企業情報APIサービスについて、取得可能なデータ項目を一覧で比較します。自社の要件に合ったAPIを選定する際の参考にしてください。

データ項目 法人番号API gBizINFO API SalesNow API
法人番号 取得可 取得可 取得可
商号(社名) 取得可 取得可 取得可
本店所在地 取得可 取得可 取得可
代表者名 取得不可 取得可 取得可
業種分類 取得不可 取得可(大分類) 取得可(大〜小分類)
従業員数 取得不可 取得可(一部) 取得可
資本金 取得不可 取得可(一部) 取得可
売上高 取得不可 取得不可 取得可
電話番号 取得不可 取得不可 取得可(部署直通含む)
メールアドレス 取得不可 取得不可 取得可
WebサイトURL 取得不可 取得可 取得可
求人情報 取得不可 取得不可 取得可
ニュース・PR 取得不可 取得不可 取得可
補助金・認定情報 取得不可 取得可 取得可
対象法人数 全登記法人(約600万件) 約200万件 1,400万件超
利用料金 無料 無料 有料(カスタム見積り)

法人番号APIは名寄せの基盤として優秀ですが、営業実務に必要なデータ項目はほとんど含まれていません。gBizINFO APIは補助金や認定情報に強みがあるものの、連絡先や活動データは取得できません。

営業やマーケティング目的で企業データをシステムに組み込む場合は、SalesNow APIのような商用APIを活用することで、基本情報から活動データまで1つのAPIで網羅的に取得できます。法人番号APIで取得した法人番号をキーにしてSalesNow APIの詳細データと結合する、という設計パターンも実用的です。

まとめ

本記事では、企業情報APIで取得できるデータ項目について体系的に解説しました。要点を整理します。

  • 企業情報APIのレスポンスは、基本情報・企業属性・連絡先・活動データの4階層で構成される
  • 無料の法人番号APIでは法人番号・商号・所在地の基本3項目が取得可能。名寄せの基盤として活用できる
  • 商用APIでは代表者・業種・連絡先・財務データ・活動データまで幅広く取得でき、営業実務に直結する
  • 財務データは上場企業は公開情報から取得容易だが、未上場企業は独自収集が必要で商用APIの強みが出る
  • 求人・ニュース・資金調達などの活動データは、営業タイミングを捉えるシグナルとして高い活用価値がある
  • SalesNow APIは1,400万件超のデータを基本情報から活動データまで網羅的に提供し、1つのAPIで完結できる

企業情報APIの選定では、「どのデータ項目が必要か」を明確にしたうえで、取得可能範囲と自社の要件を照合することが重要です。まずは必要なデータ項目を洗い出し、最適なAPIサービスの導入を検討してみてください。

よくある質問

Q. 企業情報APIで取得できるデータにはどのようなものがありますか?

企業情報APIで取得できるデータは主に3カテゴリに分けられます。①基本データ(法人番号・社名・住所・代表者・設立年月日・電話番号)、②企業規模データ(資本金・売上・従業員数・業種分類)、③活動シグナルデータ(求人情報・ニュース・プレスリリース・財務変動)です。サービスによって取得可能な項目は異なります。

Q. 企業情報APIのデータ品質を判断する基準は何ですか?

企業情報APIのデータ品質は5点で評価できます。①更新頻度(毎日か月次か)、②網羅率(国内法人を何%カバーするか)、③正確性(廃業・移転情報への追従速度)、④収録項目の深さ(部署直通電話・組織図の有無)、⑤データソースの透明性(収集元が明確か)です。

Q. SalesNow APIは他のAPIと比べてどんな強みがありますか?

SalesNow APIの強みは、1,400万件超の国内法人100%網羅・毎日230万件のデータ更新・部署直通電話番号と組織図の提供にあります。他のAPIでは取得困難な担当部署へのダイレクトアプローチ情報も含まれており、AIプロダクトやSaaS開発に組み込むことでエンドユーザーの営業効率を大幅に向上させます。