DATA INSIGHTS

成長企業50,440社の実像
560万社のデータから浮かぶ、従業員が急増する企業の共通点

AI企業データプラットフォーム「SalesNow」が保有する560万社のデータベースのうち、従業員数の年間増減率が算出可能な約228万社を分析。1年間で従業員が50%以上増加した50,440社の特徴を明らかにする。

Published 2026-03-09 by SalesNow Data Lab

Key Takeaway: 560万社のデータベースから従業員数の年間増減率が算出可能な2,275,504社を分析したところ、1年間で従業員が50%以上増加した企業は50,440社(2.2%)であった。うち倍増(100%以上増加)は47,554社(2.1%)。業種別では建設・工事・土木が倍増企業数で最多、倍増率では運送・物流・輸送が8.6%で最高。地理的には東京以外の企業が約8割を占める。本レポートでは急成長企業の構造的特徴に焦点を当てる。
50,440社
従業員50%以上増加企業数
約228万社中 / 全体の2.2%
47,554社
うち従業員倍増(100%以上増加)
全体の2.1%
14,484社
倍増かつ従業員100人以上
大規模企業でも倍増が発生

調査概要

データソース AI企業データプラットフォーム「SalesNow」保有データベース(560万社) 分析対象 560万社のうち、雇用保険被保険者数の年間増減率(one_year_delta_ratio)が算出可能な2,275,504社 指標 被保険者数の年間増減率(one_year_delta_ratio)を使用して成長率を算出 フィルタ条件 成長率500%以下(M&A等の異常値を除外)。トップ企業一覧は現在の従業員数100人以上に限定 成長率計算 (現在 - 1年前) / 1年前 × 100 該当企業数 50%以上増加: 50,440社(2.2%) / うち倍増(100%以上): 47,554社(2.1%) / 倍増かつ100人以上: 14,484社 データ取得日 2026年3月9日

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年3月9日時点) / 2,275,504社の年間従業員増加率の分布

Key Findings

1

約228万社の成長率分布 -- 64%が安定、2.2%が急成長

2,275,504社のうち、1年間で従業員が50%以上増加した企業は50,440社(2.2%)であった。倍増(100%以上増加)に至った企業は47,554社(2.1%)と、急成長企業の大半が倍増以上の伸びを示している。

最大のボリュームゾーンは安定層(年間増減率±1%以内)で約64.2%(1,460,261社)を占める。一方、従業員が減少(1%超のマイナス成長)している企業も約17.8%(405,902社)存在する。急成長と縮小の両極で動きが見られるが、過半数の企業は安定的に推移している。

成長率帯 構成比(概算) 補足
マイナス成長(1%超の減少) 約17.8% 従業員が減少した企業群(405,902社)
安定(±1%以内) 約64.2% ほぼ横ばいの安定層(1,460,261社)
10〜50% 約0.05% 緩やかな成長(1,092社)
50〜100% 約0.13% 2,886社
100%以上(倍増) 約2.1% 47,554社(成長率500%以下に限定)

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年3月9日取得) / 2,275,504社の成長率分布。構成比は概算値。一部の成長率帯(1〜10%)はデータ定義の境界によりカバレッジが不完全な可能性がある

SalesNow Data Lab リサーチチーム
Finding 1 について

外部統計 帝国データバンク「企業動向」の雇用DI(2025年10月時点)では、正社員が「不足」と感じている企業は51.4%に達している。また、厚生労働省「雇用動向調査」(2024年)の入職率は全産業平均で約16%。入職率と離職率の差から見ると、多くの企業では従業員数の純増幅は年間数%以内にとどまる。2.1%の企業が倍増しているという結果は、M&A・組織再編の影響を含むため、有機的成長のみの割合はこれより低い可能性がある。

留意点 本分析の「成長率」は被保険者数ベースであり、厚労省の入職率(常用労働者ベース)や帝国データバンクのDI(主観的判断)とは定義が異なる。統計間の直接比較には注意が必要である。また、安定層(±1%)と成長帯(1〜10%等)の境界定義により、一部の成長率帯のカバレッジが不完全な可能性がある点にも留意されたい。

2

業種別では「建設」が倍増企業数で最多 -- 倍増率は「運送・物流」がトップ

倍増企業47,554社の業種別内訳を見ると、建設・工事・土木が5,599社で最多。運送・物流・輸送(2,563社)、製造(2,551社)、その他サービス(2,464社)が続く。

一方、業種内での倍増率(その業種の分析対象企業に占める倍増企業の割合)が最も高いのは運送・物流・輸送の8.6%。IT(7.4%)、化学(7.2%)、人材(6.9%)が続いた。建設は企業数では最多だが、倍増率は2.7%と、母数の大きさを反映した結果となっている。

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年3月9日時点) / 倍増企業47,554社の業種別内訳(上位15業種)。倍増率は各業種の分析対象企業数に対する倍増企業の割合

順位 業種 倍増率
1 建設・工事・土木 2.7%
2 運送・物流・輸送 8.6%
3 製造 5.7%
4 その他サービス 4.6%
5 機械系 6.7%
6 小売・販売 3.0%
7 医療・製薬・福祉 6.2%
8 食品 5.3%
9 IT 7.4%
10 商社 3.9%
11 コンサル 4.4%
12 車・乗り物 4.5%
13 人材 6.9%
14 エンタメ 5.0%
15 化学 7.2%

※ 倍増企業数の上位15業種を掲載。順位は倍増企業数順。倍増率は各業種の分析対象企業数に対する倍増企業の割合

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年3月9日取得) / 倍増企業47,554社の業種別分布(上位15業種)

注意: 倍増企業数と倍増率は異なる視点を提供する。建設・工事・土木は倍増企業の絶対数では最多だが、業種内での倍増率では2.7%と相対的に低い。逆に運送・物流・輸送は倍増率8.6%と最も高く、業界全体で人員拡大の動きが活発であることを示唆している。
SalesNow Data Lab リサーチチーム
Finding 2 について

外部統計 厚生労働省「労働経済動向調査」(2025年11月)によれば、業種別の労働者過不足判断D.I.は、建設業が+50、運輸業・郵便業が+46、医療・福祉が+42と、いずれも深刻な人手不足が報告されている。建設・運送・医療が倍増企業の上位に位置する本分析の結果は、人手不足業種との重なりが見られる。運送・物流の倍増率8.6%は2024年問題(時間外労働規制強化)への対応として人員増強が進んでいる可能性を示唆する。

留意点 倍増には有機的な採用増だけでなく、M&A・グループ再編による従業員移転も含まれる。特に建設・製造・機械系では業界再編の動きが活発であり、倍増企業数が多い背景には組織統合の影響がある可能性に留意が必要である。

3

東京以外が約8割 -- 地方分散型の成長

倍増企業47,554社の本社所在地を都道府県別に見ると、東京都が9,212社(19.4%)で最多だが、約8割(38,342社)は東京以外に本社を置く。大阪府4,140社(8.7%)、愛知県2,940社(6.2%)と続くが、北海道1,893社、福岡県1,853社など地方圏からも多数の倍増企業が生まれている。

従業員の倍増は東京一極集中の現象ではなく、全国各地で広く発生していることが読み取れる。

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年3月9日時点) / 倍増企業47,554社の本社所在地別上位10都道府県

都道府県 社数 構成比
東京都 9,212社 19.4%
大阪府 4,140社 8.7%
愛知県 2,940社 6.2%
神奈川県 2,207社 4.6%
北海道 1,893社 4.0%
福岡県 1,853社 3.9%
埼玉県 1,626社 3.4%
兵庫県 1,583社 3.3%
静岡県 1,335社 2.8%
千葉県 1,282社 2.7%

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年3月9日取得) / 倍増企業47,554社の本社所在地による分類(上位10都道府県)

SalesNow Data Lab リサーチチーム
Finding 3 について

外部統計 総務省「住民基本台帳人口移動報告」(2025年)によれば、東京都は転入超過が続いているものの、超過数は減少傾向にある。大阪府・福岡県・愛知県は転入超過が拡大しており、三大都市圏以外でも人材の集積が進む兆しがある。

留意点 本分析は本社所在地に基づく分類であり、実際の雇用拠点(工場・支店・営業所等)とは異なる場合がある。例えば東京本社の企業が地方拠点で大量採用しているケースでは、東京都にカウントされる。都道府県別の分布はあくまで本社登記地ベースとして解釈する必要がある。

4

倍増企業14,484社(100人以上)に見る成長パターン

倍増企業47,554社のうち、現在の従業員数100人以上の企業は14,484社に上る。成長率上位を見ると、多くの企業が成長率500%(キャップ値)に集中しており、M&A・組織再編の影響が色濃い。

上位にはIT・コンサル・建設・運送など多様な業種が混在しており、特定業種に偏らない成長パターンが見て取れる。また医療・福祉法人の倍増も目を引く。

重要な注意: M&A・組織再編・グループ内の従業員付け替えによる増加と、有機的な採用増を本データだけでは区別できない。特に上位企業には組織再編の影響が含まれている可能性が高い。個社データの解釈には十分な注意が必要である。
SalesNow Data Lab リサーチチーム
Finding 4 について

外部統計 個社データのため対応する外部統計は存在しない。ただし、M&A件数は2025年に過去最多を更新しており(レコフデータ調べ)、組織再編に伴う従業員移動が活発化していることは間接的に裏付けられる。上位企業が500%キャップに集中している事実は、M&A・組織再編の影響が大きいことを強く示唆している。

留意点 上位企業の多くが成長率500%(キャップ値)に達しており、実際の成長率はこれを超えている可能性がある。これらの企業にはグループ再編・分社化・持株会社化に伴う従業員移転が含まれる可能性が極めて高い。有機的成長のみを抽出するには、登記情報や有価証券報告書との突合が必要であり、本分析の範囲外である。

従業員倍増企業トップ10(100人以上)

以下は従業員が倍増(100%以上増加)し、かつ現在の従業員数100人以上の14,484社のうち、成長率上位10社の一覧です。上位企業の多くが成長率500%(キャップ値)に達しており、M&A・組織再編の影響を含む可能性が高い点にご留意ください。

# 企業名 業種 都道府県 従業員数 成長率
1 株式会社スズケンビジネスアソシエ - 愛知県 105 500.0%
2 MHIエアロスペースシステムズ株式会社 IT 愛知県 252 500.0%
3 不二総合コンサルタント株式会社 コンサル 静岡県 210 500.0%
4 上松輸送株式会社 その他サービス 東京都 105 500.0%
5 通商株式会社 建設 大阪府 231 500.0%
6 社会福祉法人清水会 - 大阪府 105 500.0%
7 オオサカデリバリー株式会社 - 大阪府 399 500.0%
8 社会福祉法人清章福祉会 - 兵庫県 126 500.0%
9 医療法人慈恵会 - 高知県 126 500.0%
10 株式会社ニチリョー 医療 埼玉県 105 500.0%

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年3月9日取得) / 従業員数は被保険者数ベース / 成長率500%以下に限定 / 現在100人以上の条件 / 上位企業の多くが500%キャップに集中しており、M&A・組織再編の影響を含む可能性が高い / 「-」は業種未分類

データの制約と透明性について

本レポートのデータには以下の制約があります。分析結果の解釈にあたってご留意ください。

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出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年3月)
株式会社SalesNow (2026)「成長企業50,440社の実像 — 560万社のデータから浮かぶ、従業員が急増する企業の共通点」SalesNow Data Lab, 2026年3月9日.

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