調査概要
出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年4月20日時点) / 対象: 709,951社(上位15業界) / 成長企業率 = 従業員数がYoYで増加した企業 ÷(成長企業+縮小企業)
出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年4月20日時点) / 成長企業=従業員数がYoYで増加した企業、縮小企業=YoYで減少した企業
出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年4月20日時点) / 主要5業界の従業員総数推移(半期スナップショット、2024年3月〜2026年2月)
Key Findings
SalesNowが追跡する4,370万人は日本の就業者の64.2%(雇用者ベースでは約71.6%) — データカバレッジの全体像
総務省労働力調査(2025年12月)によれば、日本の就業者数は6,806万人(自営業者・家族従業者等を含む)。SalesNowが従業員データを保有する284.3万社の従業員総数は4,370万人(社会保険被保険者数ベース)であり、就業者全体の64.2%を捕捉している。なお、同調査の雇用者数(約6,100万人)を母数とした場合、カバレッジは約71.6%に相当する。
このうち業界タグが付与された上位15業界の71.0万社(25.0%)・2,406万人が本レポートの業界別分析対象である。その他の企業(業界タグなし・16位以下の業界含む)は業界別の集計には含まれないが、全体のカバレッジ計算には含まれる。
SalesNowのデータと日本の就業者数との差分である約2,440万人には、自営業者、家族従業者、公務員、農業従事者、社会保険未加入の短時間労働者等が含まれると推定される。SalesNowのデータは社会保険被保険者数ベースであるため、これらの層は構造的に捕捉されにくい。なお、総務省「労働力調査」の雇用者数(約6,100万人、自営業者等を除く)を母数とした場合のカバレッジは約71.6%となる。
| 区分 | 企業数 | 従業員数 | 就業者に対する割合 (社保被保険者ベース) |
|---|---|---|---|
| SalesNow全体 | 2,843,489 | 43,704,937 | 64.2% |
| うち上位15業界 | 709,951 | 24,055,553 | 35.3% |
| その他(タグなし・16位以下含む) | 2,133,538 | 19,649,384 | 28.9% |
| 日本の就業者数(参考、自営業者等含む) | - | 68,060,000 | 100% |
出典: SalesNowデータは2026年4月20日時点スナップショット(社会保険被保険者数ベース) / 日本の就業者数は総務省「労働力調査」2025年12月分(季節調整値、自営業者等含む) / 雇用者数(約6,100万人)ベースではカバレッジ約71.6%
従業員総数の前月版からの変化について
SalesNow全体の従業員総数は2月版の45,120,412人から、3月版では43,704,937人へ約142万人減少した。ただしこれは実態的な雇用減ではなく、DB側の精緻化(社会保険離脱者・退職者データの反映、重複・異常値の除去)によるものである。業界別の従業員数も同様にDB精緻化の影響を受けている。実態的な雇用動態は、個社レベルの前年同月比で見た「成長企業率」(Finding 1・Finding 2)で判断することが適切である。
成長企業率50%超えの業界がITのみに縮小 — 3業界→1業界、雇用拡大の勢いが弱まるシグナル
2026年3月(最新スナップショット)における業界別の成長企業率(従業員がYoYで増加した企業の割合)を見ると、50%を超えたのはIT(50.1%)のみとなった。2月版では3業界(IT 51.7%、コンサル 50.4%、医療・製薬・福祉 50.3%)が50%超だったが、コンサルと医療・製薬・福祉が50%を割り込み(48.0%、48.6%)、「過半数の企業が雇用を増やしている」状態は3業界から1業界に縮小した。ITも51.7%→50.1%と低下しており、全業界で成長企業の比率が下落する傾向が見られる。
15業界を俯瞰すると、成長企業率40%台後半に集中している(43〜48%のレンジ)。最低は小売・販売の42.6%、最高はITの50.1%であり、業界間の格差は5ポイント程度に収まる。これは2月版(小売44.9%〜IT51.7%の6.8pt幅)からレンジが僅かに狭まっており、業界横断的に雇用動態が「縮小寄り」に揃ってきている構造を示唆する。
個社レベルの実態として、縮小企業数が成長企業数を上回る業界が14/15業界(ITのみ逆転)。医療・製薬・福祉やコンサルのような従来「成長側」だった業界も含めて、ほとんどの業界で「一部の伸びる企業が全体の従業員総数を支え、過半数は前年比マイナス」という雇用集約の構造が強化されている。
| 業界 | 企業数 | 従業員総数 | 成長企業 | 縮小企業 | 成長企業率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 建設・工事・土木 | 212,393 | 3,520,109 | 40,992 | 53,564 | 43.4% |
| 小売・販売 | 69,439 | 2,777,490 | 11,867 | 16,007 | 42.6% |
| 人材※ | 15,793 | 2,340,237 | 4,577 | 5,338 | 46.2% |
| 機械系 | 35,958 | 2,146,652 | 8,373 | 10,728 | 43.8% |
| 運送・物流・輸送 | 30,171 | 1,909,346 | 9,270 | 10,732 | 46.3% |
| その他サービス | 54,384 | 1,553,109 | 12,347 | 14,695 | 45.7% |
| 医療・製薬・福祉 | 26,288 | 1,456,940 | 7,864 | 8,315 | 48.6% |
| 製造 | 45,218 | 1,444,603 | 9,819 | 12,791 | 43.4% |
| 車・乗り物 | 24,838 | 1,288,729 | 5,074 | 5,958 | 46.0% |
| 食品 | 30,220 | 1,280,996 | 7,370 | 8,239 | 47.2% |
| IT | 18,733 | 1,271,412 | 5,078 | 5,062 | 50.1% |
| コンサル | 25,692 | 1,059,193 | 5,621 | 6,084 | 48.0% |
| 外食 | 13,802 | 868,366 | 3,707 | 4,063 | 47.7% |
| 不動産 | 46,739 | 830,184 | 6,293 | 7,943 | 44.2% |
| 教育 | 7,493 | 302,023 | 1,712 | 2,094 | 45.0% |
出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年4月20日時点) / 従業員総数は2026年4月20日時点のスナップショット / 成長企業率 = 成長企業数 ÷(成長企業数+縮小企業数)
※ 人材派遣業の従業員数には派遣社員を含む。派遣先企業の従業員数にも計上されている場合があり、業界間で一部二重計上の可能性がある
※ 2月版「エンタメ」は3月版の業界別集計対象から外れ、代わりに「教育」が15位に新規ランクインした
成長企業率の読み方
成長企業率は「従業員数がYoYで増加した企業の割合」を示す。50%を超えていれば、その業界では「過半数の企業が雇用を増やしている」ことを意味する。3月版ではITのみが50.1%で唯一50%を超える業界となった。2月版で50%超だったコンサル(50.4%→48.0%)と医療・製薬・福祉(50.3%→48.6%)はいずれも50%を割り込んでおり、雇用拡大の裾野が狭まっている。建設(43.4%)や小売(42.6%)はレンジの下端に位置し、「縮小企業が成長企業を上回る」状態が続く。ITの50.1%も薄氷の差であり、次月以降で50%を維持できるかが焦点となる。
IT業界の成長企業率は50.1%で辛うじて50%超をキープ — 2月版からは1.6pt低下
2026年3月時点で成長企業率が50%を超えた業界はITのみ(50.1%)。IT業界は成長企業5,078社に対し縮小企業5,062社と、わずか16社差で50%超をキープしている。2月版では336社差の51.7%だったため、差が大幅に縮小し、50%ラインに急接近している状況である。
他の上位業界でも成長企業率は低下傾向にある。医療・製薬・福祉は50.3%→48.6%、コンサルは50.4%→48.0%と、それぞれ1.7pt・2.4pt低下して50%を割り込んだ。2月版で「3業界が過半の雇用拡大」という構図から、3月版ではIT一強かつIT自身もリスク状態という構図に変化している。DX・AI関連の需要は継続しているとされるが、個社レベルではIT業界でも縮小企業が成長企業に迫る水準まで増えてきている。
業界別従業員総数ランキングでは、IT業界の従業員総数は3月版で127.1万人、15業界中11位(2月版は136.3万人で9位)。建設業(352.0万人)や小売業(277.7万人)と比較すると規模は小さい。一方、外食業界は成長企業率47.7%(成長3,707社 vs 縮小4,063社)と2月版の50.0%から縮小側に転じており、個社ベースの雇用集約がさらに進んだ。
半期推移 — 2026年3月スナップショットはDB精緻化により低下、長期トレンドは実態と分離して解釈
2024年3月から2026年3月までの6時点の半期推移を分析する。最右列「2026年3月」は今回の更新で新規追加した直近スナップショット値(2026年4月20日時点のDB値)であり、既存の半期時点(2024年3月〜2026年2月、過去レポート掲載値)とはデータソースの更新タイミングが異なる。そのため24M変化率は純粋な雇用動態ではなく、DB精緻化(社会保険離脱者データ反映・重複除去など)の影響を含む値となっている。
実態的な雇用動態の読み方: 従業員総数の絶対値は過去時点(2024/3〜2026/2)との単純比較は不適切である。実態としての雇用動態は Finding 1・Finding 2 で扱った個社ベースの成長企業率(YoY比較)で判断するのが適切である。今回の成長企業率はIT一強(50.1%)、他業界は軒並み50%未満と、雇用拡大の勢いが弱まるシグナルが出ている。
半期スナップショット値の扱い: 2024年3月〜2025年9月の4列は過去レポートの公開時点値を固定値として保持する。今後のレポートでは、最右列(直近スナップショット)のみを毎月更新していく運用とする。長期的な時系列分析には、上記4列は公開時点の確定値として参照可能である。
15業界の相対位置: 従業員総数ランキング(2026年3月直近スナップショット)では、1位・建設352万人、2位・小売278万人、3位・人材234万人という構造は2月版から不変。上位3業界の順位は安定している一方、IT・コンサル・医療・製薬・福祉のような「成長期待業界」の順位は中位(9〜11位)にとどまっている。
| 業界 | 2024年3月 | 2024年9月 | 2025年3月 | 2025年9月 | 2026年2月 | 2026年3月† | 24M変化率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 外食 | 819,498 | 843,847 | 858,364 | 875,345 | 960,554 | 868,366 | +6.0% |
| IT | 1,210,697 | 1,249,692 | 1,244,561 | 1,281,150 | 1,363,268 | 1,271,412 | +5.0% |
| コンサル | 1,013,359 | 1,040,194 | 1,039,431 | 1,063,292 | 1,116,674 | 1,059,193 | +4.5% |
| 医療・製薬・福祉 | 1,398,476 | 1,426,260 | 1,438,416 | 1,462,013 | 1,547,947 | 1,456,940 | +4.2% |
| 小売・販売 | 2,697,464 | 2,750,078 | 2,754,965 | 2,796,214 | 2,904,549 | 2,777,490 | +3.0% |
| その他サービス | 1,512,778 | 1,530,909 | 1,537,445 | 1,555,539 | 1,601,026 | 1,553,109 | +2.7% |
| 人材 | 2,284,106 | 2,303,093 | 2,306,400 | 2,335,661 | 2,446,197 | 2,340,237 | +2.5% |
| 食品 | 1,249,759 | 1,268,094 | 1,268,470 | 1,285,639 | 1,332,458 | 1,280,996 | +2.5% |
| 不動産 | 810,441 | 821,552 | 822,173 | 833,819 | 852,474 | 830,184 | +2.4% |
| 運送・物流・輸送 | 1,879,967 | 1,894,660 | 1,896,661 | 1,916,412 | 1,964,030 | 1,909,346 | +1.6% |
| 建設・工事・土木 | 3,503,486 | 3,537,975 | 3,511,754 | 3,545,296 | 3,648,051 | 3,520,109 | +0.5% |
| 車・乗り物 | 1,283,892 | 1,296,848 | 1,289,027 | 1,300,057 | 1,328,348 | 1,288,729 | +0.4% |
| 製造 | 1,439,657 | 1,447,266 | 1,442,346 | 1,454,044 | 1,533,773 | 1,444,603 | +0.3% |
| 機械系 | 2,155,807 | 2,176,919 | 2,161,223 | 2,182,813 | 2,225,076 | 2,146,652 | -0.4% |
出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年4月20日時点) / 24M変化率 = (2026年3月 - 2024年3月) / 2024年3月 × 100
† 2026年3月列は2026年4月20日時点の直近スナップショット。過去5列(2024年3月〜2026年2月)は公開時点の確定値。DB精緻化により最新スナップショットは2月版より低下しており、24M変化率は実態的な雇用動態ではなく、データソース更新タイミングの差異を含む値である
建設業352万人 — 最大の雇用産業、成長企業率は43.4%とさらに低下
15業界中、従業員総数で最大なのは建設・工事・土木業の352.0万人(2026年4月20日時点スナップショット)。2月版の364.8万人からはDB精緻化により減少しているが、業界中トップの地位は変わらない。
成長企業率は43.4%と2月版の45.1%からさらに低下した。成長企業40,992社に対して縮小企業が53,564社と、その差12,572社(2月版の8,947社から拡大)。縮小側にシフトする企業が増えており、建設業の雇用動態は前月比で悪化している。この背景には、建設業特有の構造問題がある。2024年4月の時間外労働上限規制(いわゆる「2024年問題」)の適用、技能労働者の高齢化(平均年齢は他産業より約5歳高い)、そして若年層の入職率低下が重なり、中小の建設事業者が人員を維持できなくなっている。
建設業の構造問題は複数の業界で見られる「総数維持・個社縮小」の典型例である。業界全体の従業員総数は第1位を維持しているが、成長企業率の低下は大手ゼネコン・サブコンへの雇用集約が加速していることを示唆する。この傾向は3月版では小売・販売(42.6%、2月版44.9%)や機械系(43.8%、2月版45.2%)でも見られ、労働集約型の業界ほど成長企業率の低下幅が大きい傾向がある。
建設業の構造変化を示すデータ
- 成長企業率: 43.4%(成長40,992社 vs 縮小53,564社、差-12,572社)。2月版45.1%から-1.7pt低下
- 従業員総数: 352.0万人(15業界中1位)。2月版364.8万人から減少(DB精緻化の影響)
- 24M変化率: +0.5%(2024年3月 350.3万人 → 2026年3月 352.0万人)※DB精緻化により前月版より小幅な変化に見える
- 示唆: 総数は業界1位を維持するが成長企業率は43.4%と低下 → 大手への集約がさらに加速している可能性
方法論
- データソース: SalesNow保有の企業データ(284.3万社・4,370万人)のうち、業界分類が付与された上位15業界・709,951社を分析対象とした
- 従業員数: 社会保険被保険者数に基づく(年金機構データの月次クロール)。パートタイム等で社会保険未加入の従業員は含まない可能性がある
- 業界分類: SalesNow独自の業界分類体系(大業界30区分)のうち、従業員データの豊富な上位15業界を分析
- 期間: 2024年3月〜2026年3月(半期ごとの4時点スナップショット + 最新月のYoY成長企業率)
- カバレッジ: SalesNowが追跡する従業員総数4,370万人(社会保険被保険者数ベース)は、総務省労働力調査(2025年12月)の就業者数6,806万人(自営業者等含む)の約64.2%に相当する。雇用者数(約6,100万人)を母数とした場合は約71.6%。差分には公務員、農業従事者、個人事業主、社会保険未加入の短時間労働者等が含まれると推定される
- 成長企業率: 従業員数がYoYで増加した企業の割合(成長企業数 ÷(成長企業数+縮小企業数)で算出)。従業員数に変化がなかった企業は分母に含まない
- 注意: 業界分類はSalesNow独自基準であり、日本標準産業分類(JSIC)とは対応が異なる場合がある。また、従業員数は社会保険被保険者数ベースのため、実際の就業者数とは乖離がある。2月版(4,512万人)から3月版(4,370万人)にかけての従業員総数減少は、DB側の精緻化(社会保険離脱者データの反映・重複除去等)によるものであり、実態的な雇用減ではない
- 出典: AI企業データプラットフォームSalesNow調べ
このデータを引用する
出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年4月)
株式会社SalesNow (2026)「業界別雇用動態レポート 2026年3月版 — 284.3万社・4,370万人の従業員データから読む15業界の雇用トレンド」SalesNow Data Lab, 2026年4月20日.
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