DATA INSIGHTS

成長企業48,887社の実像
560万社のデータから浮かぶ、従業員が急増する企業の共通点(2026年6月版)

AI企業データプラットフォーム「SalesNow」が保有する560万社のデータベースのうち、従業員数の年間増減率が算出可能な約202万社を分析。1年間で従業員が50%以上増加した48,887社の特徴を明らかにする。前回(2026年3月)比で運送・物流の倍増率は8.6%→10.93%へ加速した。

Published 2026-03-09 / Updated 2026-06-01 by SalesNow Data Lab

Key Takeaway: 560万社のデータベースから従業員数の年間増減率が算出可能な2,018,745社を分析したところ、1年間で従業員が50%以上増加した企業は48,887社(2.4%)であった。うち倍増(100%以上増加)は46,091社(2.3%)。業種別では建設・工事・土木が倍増企業数で最多、倍増率では運送・物流・輸送が10.93%で最高(前回2026年3月時点8.6%から2.3pt加速)。地理的には東京以外の企業が約8割を占める。本レポートでは急成長企業の構造的特徴に焦点を当てる。
48,887社
従業員50%以上増加企業数
約202万社中 / 全体の2.4%
46,091社
うち従業員倍増(100%以上増加)
全体の2.3%
14,111社
倍増かつ従業員100人以上
大規模企業でも倍増が発生

調査概要

データソース AI企業データプラットフォーム「SalesNow」保有データベース(560万社) 分析対象 560万社のうち、雇用保険被保険者数の年間増減率(one_year_delta_ratio)が算出可能な2,018,745社 指標 被保険者数の年間増減率(one_year_delta_ratio)を使用して成長率を算出 フィルタ条件 成長率500%以下(M&A等の異常値を除外)/倒産・非表示フラグ除外。トップ企業一覧は現在の従業員数100人以上に限定 成長率計算 (現在 - 1年前) / 1年前 × 100 該当企業数 50%以上増加: 48,887社(2.4%) / うち倍増(100%以上): 46,091社(2.3%) / 倍増かつ100人以上: 14,111社 データ取得日 2026年6月1日(前回更新: 2026年3月9日)

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年6月1日時点) / 2,018,745社の年間従業員増加率の分布

Key Findings

1

約202万社の成長率分布 -- 75%が安定、2.3%が倍増

2,018,745社のうち、1年間で従業員が50%以上増加した企業は48,887社(2.4%)であった。倍増(100%以上増加)に至った企業は46,091社(2.3%)と、急成長企業の大半が倍増以上の伸びを示している。

最大のボリュームゾーンは安定層(年間増減率±1%以内)で約74.8%(1,510,479社)を占める。一方、従業員が減少(1%超のマイナス成長)している企業も約22.7%(458,353社)存在する。急成長と縮小の両極で動きが見られるが、4社に3社が安定的に推移している。

成長率帯 構成比 補足
マイナス成長(1%超の減少) 22.70% 従業員が減少した企業群(458,353社)
安定(±1%以内) 74.82% ほぼ横ばいの安定層(1,510,479社)
10〜50% 0.05% 緩やかな成長(1,003社)
50〜100% 0.14% 2,796社
100%以上(倍増) 2.28% 46,091社(成長率500%以下に限定)

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年6月1日取得) / 2,018,745社の成長率分布。一部の成長率帯(1〜10%)はデータ定義の境界によりカバレッジが不完全な可能性がある

SalesNow Data Lab リサーチチーム
Finding 1 について

外部統計 帝国データバンク「企業動向」の雇用DI(2026年4月時点)では、正社員が「不足」と感じている企業は51%前後で推移している。また、厚生労働省「雇用動向調査」(2024年)の入職率は全産業平均で約16%。入職率と離職率の差から見ると、多くの企業では従業員数の純増幅は年間数%以内にとどまる。2.3%の企業が倍増しているという結果は、M&A・組織再編の影響を含むため、有機的成長のみの割合はこれより低い可能性がある。

前回比 3ヶ月前(2026年3月時点)の分析対象は2,275,504社、倍増企業は47,554社(2.1%)であった。今回は分析対象が約202万社へ縮小(倒産・非表示フラグの除外条件を厳格化)し、倍増企業は46,091社(2.3%)。母集団が約11%減少したため単純比較はできないが、急成長層の構造は概ね維持されている。

留意点 本分析の「成長率」は被保険者数ベースであり、厚労省の入職率(常用労働者ベース)や帝国データバンクのDI(主観的判断)とは定義が異なる。統計間の直接比較には注意が必要である。また、安定層(±1%)と成長帯(1〜10%等)の境界定義により、一部の成長率帯のカバレッジが不完全な可能性がある点にも留意されたい。

2

業種別では「建設」が倍増企業数で最多 -- 倍増率は「運送・物流」が3ヶ月でさらに加速し10.93%

倍増企業46,091社のうち業種が判明する31,784社の内訳を見ると、建設・工事・土木が5,351社で最多。運送・物流・輸送(2,597社)、製造(2,541社)、その他サービス(2,416社)が続く。

一方、業種内での倍増率(その業種の分析対象企業に占める倍増企業の割合)が最も高いのは運送・物流・輸送の10.93%。前回(2026年3月)の8.6%から2.3pt上昇し、唯一の二桁倍増率業種となった。IT(8.63%)、化学(8.56%)、人材(8.52%)も前回比で改善している。建設は企業数では最多だが、倍増率は3.00%と、母数の大きさを反映した結果となっている。

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年6月1日時点) / 倍増企業のうち業種が判明する31,784社の業種別内訳(上位15業種)。倍増率は各業種の分析対象企業数に対する倍増企業の割合

順位 業種 倍増企業数 倍増率
1 建設・工事・土木 5,351社 3.00%
2 運送・物流・輸送 2,597社 10.93%
3 製造 2,541社 6.62%
4 その他サービス 2,416社 5.37%
5 機械系 2,364社 7.78%
6 小売・販売 1,919社 3.20%
7 医療・製薬・福祉 1,542社 7.56%
8 食品 1,510社 6.11%
9 IT 1,328社 8.63%
10 商社 1,269社 4.47%
11 人材 1,068社 8.52%
12 車・乗り物 1,060社 5.04%
13 コンサル 1,015社 4.72%
14 エンタメ 958社 5.93%
15 化学 778社 8.56%

※ 倍増企業数の上位15業種を掲載。順位は倍増企業数順。倍増率は各業種の分析対象企業数に対する倍増企業の割合

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年6月1日取得) / 倍増企業46,091社のうち業種が判明する31,784社の業種別分布(上位15業種)

注意: 倍増企業数と倍増率は異なる視点を提供する。建設・工事・土木は倍増企業の絶対数では最多だが、業種内での倍増率では3.00%と相対的に低い。逆に運送・物流・輸送は倍増率10.93%と業種別で唯一の二桁となり、業界全体で人員拡大の動きが3ヶ月でさらに活発化していることを示唆している。
SalesNow Data Lab リサーチチーム
Finding 2 について

外部統計 厚生労働省「労働経済動向調査」(2026年2月)によれば、業種別の労働者過不足判断D.I.は、建設業・運輸業/郵便業・医療/福祉などで人手不足が継続して報告されている。建設・運送・医療が倍増企業の上位に位置する本分析の結果は、人手不足業種との重なりが見られる。運送・物流の倍増率が前回(2026年3月時点)の8.6%から10.93%へ加速した点は、2024年問題(時間外労働規制強化)への対応として人員増強が継続している可能性を示唆する。

前回比 倍増企業数の業種別ランキングTop4(建設・運送・製造・その他サービス)は順位に変動がなく、構造の安定性が確認できる。一方で倍増率の改善が大きかった業種は、運送・物流(+2.3pt)・IT(+1.2pt)・人材(+1.6pt)・化学(+1.4pt)。物流2024年問題対応とDX人材確保の両方が引き続き活発であることを示唆する。

留意点 倍増には有機的な採用増だけでなく、M&A・グループ再編による従業員移転も含まれる。特に建設・製造・機械系では業界再編の動きが活発であり、倍増企業数が多い背景には組織統合の影響がある可能性に留意が必要である。また、本ランキングは業種が判明している企業のみが対象(業種未分類企業を除外)。

3

東京以外が約8割 -- 地方分散型の成長は3ヶ月後も継続

倍増企業46,091社の本社所在地を都道府県別に見ると、東京都が8,768社(19.0%)で最多だが、約8割(37,323社)は東京以外に本社を置く。大阪府3,952社(8.6%)、愛知県2,894社(6.3%)と続くが、北海道1,826社、福岡県1,782社など地方圏からも多数の倍増企業が生まれている。

従業員の倍増は東京一極集中の現象ではなく、全国各地で広く発生している傾向は前回(2026年3月)から変わらない。倍増率(その都道府県の分析対象企業に占める倍増企業の割合)は愛知県2.53%・静岡県2.52%が東京都2.25%を上回り、東海地区の活発さが際立つ。

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年6月1日時点) / 倍増企業46,091社の本社所在地別上位10都道府県

都道府県 社数 構成比
東京都 8,768社 19.0%
大阪府 3,952社 8.6%
愛知県 2,894社 6.3%
神奈川県 2,059社 4.5%
北海道 1,826社 4.0%
福岡県 1,782社 3.9%
埼玉県 1,681社 3.6%
兵庫県 1,539社 3.3%
静岡県 1,318社 2.9%
千葉県 1,286社 2.8%

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年6月1日取得) / 倍増企業46,091社の本社所在地による分類(上位10都道府県)

SalesNow Data Lab リサーチチーム
Finding 3 について

外部統計 総務省「住民基本台帳人口移動報告」(2025年)によれば、東京都は転入超過が続いているものの、超過数は減少傾向にある。大阪府・福岡県・愛知県は転入超過が拡大しており、三大都市圏以外でも人材の集積が進む兆しがある。本分析でも東京以外の地域から倍増企業が約8割を占める構造は3ヶ月を経ても変わっていない。

前回比 2026年3月時点と比較してTop10の顔ぶれに変化はなく、構成比も概ね横ばい(東京都19.4%→19.0%、大阪府8.7%→8.6%)。地域分布の構造は3ヶ月では大きく変動しないことを示唆する。

留意点 本分析は本社所在地に基づく分類であり、実際の雇用拠点(工場・支店・営業所等)とは異なる場合がある。例えば東京本社の企業が地方拠点で大量採用しているケースでは、東京都にカウントされる。都道府県別の分布はあくまで本社登記地ベースとして解釈する必要がある。

4

倍増企業14,111社(100人以上)に見る成長パターン -- 規模が大きいほど倍増率が高い

倍増企業46,091社のうち、現在の従業員数100人以上の企業は14,111社に上る。規模別の倍増率を見ると、100-299人区分で30.72%、300-999人で36.56%、1000人以上で40.61%と、規模が大きくなるほど段階的に上昇する。

これは、規模拡大局面にある企業ほど短期間で従業員数を大きく増加させる構造を反映している。一方、成長率の絶対値上位を見ると、多くの企業が成長率500%(キャップ値)に集中しており、M&A・組織再編の影響が色濃い。上位にはIT・コンサル・建設・運送など多様な業種が混在しており、特定業種に偏らない成長パターンが見て取れる。

従業員規模 分析対象 倍増企業数 倍増率
10-29人 200,012社 10,734社 5.37%
30-99人 83,547社 21,246社 25.43%
100-299人 29,480社 9,056社 30.72%
300-999人 10,148社 3,710社 36.56%
1000人以上 3,312社 1,345社 40.61%

※ 倍増率は各規模区分の分析対象企業数に対する倍増企業の割合。1-9人区分は被保険者数の小さな絶対値変化が高い倍増率として算出される性質があるため、本表からは除外

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年6月1日取得) / 倍増企業46,091社の現在の従業員規模別分布

重要な注意: M&A・組織再編・グループ内の従業員付け替えによる増加と、有機的な採用増を本データだけでは区別できない。特に上位企業には組織再編の影響が含まれている可能性が高い。個社データの解釈には十分な注意が必要である。
SalesNow Data Lab リサーチチーム
Finding 4 について

外部統計 中小企業庁「中小企業白書」(2025年版)によれば、成長企業は規模拡大局面で正社員雇用を加速する傾向が示されている。本分析で大規模企業ほど倍増率が高い結果は、この知見と整合的である。また、M&A件数は2025年に過去最多を更新しており(レコフデータ調べ)、組織再編に伴う従業員移動が活発化していることが間接的に裏付けられる。

前回比 前回(2026年3月時点)の100人以上&倍増企業は14,484社、今回は14,111社。母集団が約11%縮小した中で14,000社台を維持しており、大規模成長企業の構造は概ね安定していることが示唆される。

留意点 上位企業の多くが成長率500%(キャップ値)に達しており、実際の成長率はこれを超えている可能性がある。これらの企業にはグループ再編・分社化・持株会社化に伴う従業員移転が含まれる可能性が極めて高い。有機的成長のみを抽出するには、登記情報や有価証券報告書との突合が必要であり、本分析の範囲外である。

従業員倍増企業トップ10(100人以上)

以下は従業員が倍増(100%以上増加)し、かつ現在の従業員数100人以上の14,111社のうち、成長率上位10社の一覧(2026年3月9日取得時点のスナップショット)。上位企業の多くが成長率500%(キャップ値)に達しており、M&A・組織再編の影響を含む可能性が高い点に留意されたい。個社一覧の最新化は次回更新時に対応する。

# 企業名 業種 都道府県 従業員数 成長率
1 株式会社スズケンビジネスアソシエ - 愛知県 105 500.0%
2 MHIエアロスペースシステムズ株式会社 IT 愛知県 252 500.0%
3 不二総合コンサルタント株式会社 コンサル 静岡県 210 500.0%
4 上松輸送株式会社 その他サービス 東京都 105 500.0%
5 通商株式会社 建設 大阪府 231 500.0%
6 社会福祉法人清水会 - 大阪府 105 500.0%
7 オオサカデリバリー株式会社 - 大阪府 399 500.0%
8 社会福祉法人清章福祉会 - 兵庫県 126 500.0%
9 医療法人慈恵会 - 高知県 126 500.0%
10 株式会社ニチリョー 医療 埼玉県 105 500.0%

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年3月9日取得) / 従業員数は被保険者数ベース / 成長率500%以下に限定 / 現在100人以上の条件 / 上位企業の多くが500%キャップに集中しており、M&A・組織再編の影響を含む可能性が高い / 「-」は業種未分類

データの制約と透明性について

本レポートのデータには以下の制約があります。分析結果の解釈にあたってご留意ください。

このデータを引用する

出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年6月)
株式会社SalesNow (2026)「成長企業48,887社の実像 — 560万社のデータから浮かぶ、従業員が急増する企業の共通点(2026年6月版)」SalesNow Data Lab, 2026年6月1日.

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