1月-12.5%→2月-5.9%→3月-1.1%→4月-10.3%→5月-19.4%→6月-2.1%と6ヶ月連続前年割れは継続しているが、6月では下げ止まりの兆しが見えた。5月の突出したマイナスが特異点だった可能性も浮上する。
1-6月累計は74,634社で前年同期比-8.8%(前月累計-10.0%から1.2pt改善)。年後半のペース次第だが、過去最多更新ストリーク途切れは依然として濃厚な情勢である。
調査概要
出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年7月20日時点) / 対象: 法人番号新規指定法人の全数集計 / 2024年は前年データなし(前年同月比は2025年1月以降のみ表示)
Key Findings
2026年6月は12,660社 — 前年比-2.1%で減速幅大幅縮小、5月の-19.4%からV字改善
2026年6月の新設法人数は12,660社で、前年同月(12,933社)を273社下回り、前年同月比-2.1%となった。
直前5月の-19.4%からは17.3ptもの改善となり、減速幅が大きく縮小した。月次の前年同月比は1月-12.5% → 2月-5.9% → 3月-1.1% → 4月-10.3% → 5月-19.4% → 6月-2.1%と推移し、5月の突出したマイナスが特異点だった可能性も浮上する。
2026年6月の絶対水準12,660社は、2024年6月(12,401社)を上回る一方、2025年6月(12,933社)を下回る水準となった。5月に3年で最少水準まで落ち込んだ後、6月は3年間の中位に回復した形となる。
2026年1-6月の累計は74,634社で前年同期比-8.8%(2025年1-6月: 81,813社)。Q1(1-3月)の-6.6%から1-4月-7.5%、1-5月-10.0%とマイナス幅が拡大してきたが、6月を加えた1-6月では-8.8%と1.2pt改善している。ただし累計ベースでは依然として大幅なマイナス圏にあり、2025年通年159,897社で達成した過去最多更新ストリーク途切れは依然として濃厚な情勢である。
2026年1-6月は74,634社で前年同期比-8.8% — 累計マイナス幅は縮小に転じる
2026年1-6月の新設法人数累計は74,634社で、2025年同期(81,813社)を7,179社下回り、前年同期比-8.8%となった。
累計ベースのマイナス幅は、Q1(1-3月)-6.6% → 1-4月-7.5% → 1-5月-10.0% → 1-6月-8.8% と推移し、6月で初めて縮小方向に転じた。ただし依然として大きなマイナス圏にあり、上期の減速基調は明確である。
仮にこの-8.8%ペースが通年で維持されれば、2026年通年は約146,000社前後(159,897社 × 0.912 = 145,825社)まで縮小する計算となり、2024年154,719社・2025年159,897社のいずれも下回る。「過去最多更新ストリーク途切れ」は依然として濃厚だが、通年の縮小幅は5月時点の想定(-10%)よりも緩やかになる可能性が出てきた。
| 期間 | 新設法人数 | 前年同期比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2024年1-6月 | 79,548社 | - | 参考値 |
| 2025年1-6月 | 81,813社 | +2.8% | 前年比増加 |
| 2026年1-6月 | 74,634社 | -8.8% | 3年で最少、上期は減速基調維持 |
| 2026年Q1(1-3月) | 36,871社 | -6.6% | 参考: Q1単独 |
| 2026年4月単月 | 13,731社 | -10.3% | 参考: 4月単独、ピーク月 |
| 2026年5月単月 | 11,372社 | -19.4% | 参考: 5月単独、3年で最少 |
| 2026年6月単月 | 12,660社 | -2.1% | 参考: 6月単独、下げ止まりの兆し |
出典: SalesNow DB(2026年7月20日取得) / 法人番号指定日ベースの月次全数集計の累計
過去3年の6月比較 — 2026年6月は3年で最少水準を維持しつつ、5月の急落から回復
2026年6月の新設法人数12,660社は、2024年6月(12,401社)は上回るが、2025年6月(12,933社)を273社下回った。過去3年で見れば中位の水準にあり、5月の3年で最少水準(11,372社)からは大きく回復した格好である。
直前5月の-19.4%と6月の-2.1%の乖離が大きいことから、5月の突出したマイナスに一時的な要因(法人番号指定日の集計タイミングの揺れ、繁忙期後の一時的な起業意欲の減退など)が含まれていた可能性が高まる。5-6月の平均でみると前年比-11.0%程度で、これは4月の-10.3%とほぼ同水準である。
年間の季節パターンを整理すると、ピークは4月と10月に集中する(日本企業の会計年度開始と下半期開始に対応)。2024年は4月14,305社・10月13,957社、2025年は4月15,305社・10月16,210社がピークだった。6月は谷月の一つで、2024年12,401社・2025年12,933社と4-5月から若干減少して推移してきた。
2026年6月の12,660社は、この「谷月として若干減少する6月」のパターンに近い水準で着地している。4月13,731社→5月11,372社→6月12,660社と推移し、4月→5月の-17.2%が例外的で、5月→6月では+11.3%と回復した形。5月単月の急落は特異事象の可能性が高まっている。
ただし、6月時点でも6ヶ月連続前年割れは継続しており、1-6月累計-8.8%も大きなマイナスである。上期を通じて起業需要が前年より鈍化していること自体は否定できない。
| 年月 | 新設法人数 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 2024年1月 | 12,929 | - |
| 2024年2月 | 11,941 | - |
| 2024年3月 | 13,776 | - |
| 2024年4月 | 14,305 | - |
| 2024年5月 | 14,196 | - |
| 2024年6月 | 12,401 | - |
| 2024年7月 | 13,030 | - |
| 2024年8月 | 14,012 | - |
| 2024年9月 | 10,759 | - |
| 2024年10月 | 13,957 | - |
| 2024年11月 | 12,347 | - |
| 2024年12月 | 11,066 | - |
| 2025年1月 | 14,174 | +9.6% |
| 2025年2月 | 11,369 | -4.8% |
| 2025年3月 | 13,922 | +1.1% |
| 2025年4月 | 15,305 | +7.0% |
| 2025年5月 | 14,109 | -0.6% |
| 2025年6月 | 12,933 | +4.3% |
| 2025年7月 | 14,186 | +8.9% |
| 2025年8月 | 12,252 | -12.6% |
| 2025年9月 | 13,239 | +23.1% |
| 2025年10月 | 16,210 | +16.1% |
| 2025年11月 | 10,487 | -15.1% |
| 2025年12月 | 11,711 | +5.8% |
| 2026年1月 | 12,404 | -12.5% |
| 2026年2月 | 10,698 | -5.9% |
| 2026年3月 | 13,768 | -1.1% |
| 2026年4月 | 13,731 | -10.3% |
| 2026年5月 | 11,372 | -19.4% |
| 2026年6月 | 12,660 | -2.1% |
出典: SalesNow DB(2026年7月20日取得) / 法人番号指定日ベースの月次全数集計 / ハイライト行はピーク月および最新月
創業側のピークアウトは継続 — 6月-2.1%で下げ止まりの兆しも、通年ストリーク途切れは濃厚
2025年に顕在化した「創業過去最多 × 倒産12年ぶりの1万件超」という二極化構造は、2026年に入ってから創業側の減速が明確化している。ただし6月の-2.1%は5月の-19.4%から大幅に改善しており、単純な減速加速シナリオでは説明できない動きが見えてきた。
5月の急落(-19.4%)は3年で最少水準まで落ち込んだが、6月は12,660社まで回復し、前年6月(12,933社)比では-2.1%に収まった。5月-19.4%は一時的な要因を含む可能性が高まっており、通年トレンドは-8.8%程度(1-6月累計ペース)が現実的な見通しと考えられる。
この変化の解釈として、創業側の減速は継続しつつも、5月ほどの急落は例外的というシナリオが浮上した。TDBの倒産統計が示す「人手不足倒産の過去最多」は、新規参入側にも同じ制約(人材不足・資金調達コスト上昇・原材料高)が及ぶことを意味するが、その影響は緩やかに現れている可能性がある。
論点は「過去最多更新ストリーク途切れの可能性」から「どの程度縮小するか」へ移行している。1-6月-8.8%が通年で維持されれば、2026年通年は約146,000社まで縮小する計算であり、2024年154,719社・2025年159,897社のいずれも下回る水準となる。過去最多更新ストリーク途切れは依然として濃厚である。
ただし、新設法人の業種別内訳や退出企業の属性との突合は本レポートの対象外であり、創業減速の原因特定には別途分析が必要である。また、年後半(7-12月)の動向次第では年間トレンドが変化する可能性も残る。引き続き月次データで再評価する。
市場環境との照合
SalesNowの新設法人データと以下の外部統計を照合し、整合性を確認した。
- TSR(東京商工リサーチ): 2024年の新設法人数 153,938社(過去最多、前年比+0.3%)。SalesNowの2024年集計値154,719社と約+0.5%の差異があるが、集計基準の差異の範囲内
- TDB(帝国データバンク): 2025年の倒産件数 10,261件(12年ぶりの1万件超)。人手不足倒産が過去最多を更新しており、労働市場の逼迫が企業の存続に直接影響
- 日本政策金融公庫: 創業融資実績は堅調に推移しており、資金調達環境の観点からは創業を後押しする要因が継続。ただし融資実行から法人設立まで時間差があるため、4月実績への反映は限定的
- 総務省 労働力調査: 完全失業率は2%台後半で低位安定。雇用環境が良好な中での創業需要は維持されているが、人材確保コストの上昇が起業のハードルになっている可能性
- 厚労省「一般職業紹介状況」: 有効求人倍率 1.18倍(2026年2月、前月比横ばい)。労働市場の逼迫が続く中での新設法人減速は、人材確保困難が創業を抑制している示唆となる
2025年までの「過去最多水準」と「2026年1-6月累計-8.8%」の対比は、二極化構造が「増加側の減速」局面に明確に移行していることを示す。ただし6月-2.1%で減速幅が縮小しており、5月-19.4%の急落は一時的要因を含む可能性がある。年後半のデータで通年の縮小幅を確定させることが次の重要な分析タイミングとなる。
このデータを引用する
出典: AI企業データプラットフォーム「SalesNow」調べ(2026年7月)
株式会社SalesNow (2026)「新設法人レポート 2026年6月版 — 前年比-2.1%で減速幅大幅縮小、6ヶ月連続前年割れは継続」SalesNow Data Lab, 2026年7月20日.
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