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BPOテクノロジー株式会社 メイン画像
Case StudyBPOテクノロジー株式会社代表取締役社長 山田 真也様

「ヒトとAIの最適なチームワーク」を探求するBPOテクノロジー、ナレッジ×AI×企業データによる営業変革の全貌 —— 汎用提案から、1商談ごとの個別提案へ

会社のナレッジを集約した社内AI基盤を軸に、お客様の潜在ニーズを捉える企業データインフラ「SalesNow」を活用

取り組みの目的

  • 「人々の時間を増やし、幸せを増やす ― ヒトとAIの最適なチームワークの探求 ―」の理念のもと、サービスそのものにAIを組み込み、お客様への価値提供の質を高める
  • 会社全体に蓄積された数百件規模のナレッジをAIで全スタッフに開放し、会社の総合力をすべてのお客様に還元する
  • 汎用的なサービス説明にとどまらず、お客様一社一社の状況に踏み込んだ「個別提案型」の営業へ変革する

直面していた課題

  • BPO事業者の特性上、潜在ニーズ段階のお客様とは一般的・抽象的な会話にとどまりやすく、同社の強みであるナレッジを活かした踏み込んだ提案につなげにくかった
  • 蓄積されたマニュアル・ナレッジが人の記憶できる量を超え、会社全体の知見を一人ひとりのお客様に還元しきれていなかった
  • お客様が「今、どの業務で人手を求めているのか」をタイムリーに捉える外部データが必要だった

得られた成果

  • 商談前の準備が大きく変わり、汎用資料の説明から、1商談ごとに個別の提案資料を用意する「個別提案型」営業へ進化
  • 求人情報を起点に、毎月約2〜3割のお客様へデータを起点とした提案機会を創出。的を射た提案が信頼の醸成につながり、次の依頼へ発展
  • 会社全体のナレッジをAI基盤に集約し、部門を越えた知見をすべてのお客様への提案に活用できる体制を実現
  • 経営の組織フォーメーションを再設計。企画・分析にかけていた時間をAIで圧縮し、実行へ人のウェイトをシフト
BPOテクノロジー株式会社 代表取締役社長 山田 真也様。「人々の時間を増やし、幸せを増やす」を掲げ、オンラインアシスタント®️「フジ子さん」を運営する

生成AIの登場以降、多くの企業が営業やバックオフィスへのAI導入を進めています。しかし、その多くは「議事録の書き起こし」や「文章生成の補助」といった部分最適にとどまり、事業モデルそのものの変革には至っていないのが実情です。

こうした中、創業時から「ヒトとAIの最適なチームワーク」を事業の根幹に据え、サービスそのものにAIを組み込んできたのが、オンラインアシスタント®️「フジ子さん」を運営するBPOテクノロジー株式会社様です。「人々の時間を増やし、幸せを増やす」を経営理念に掲げる同社は、日本の全47都道府県と世界41カ国から集うスタッフがフルリモートで働く体制を構築し、総務省「テレワーク先駆者百選」にも早期から選出された、テレワーク・AI活用の先駆企業です。

そして、このAIを前提とした営業変革を根底から支えているのが、データの存在です。AIがどれだけ進化しても、その判断の精度は、最終的に参照するデータの質によって決まります。同社の営業活動において、お客様の「今」を捉えるシグナルを供給しているのが、国内約1,400万件を網羅する企業データベース「SalesNow」です。お客様がどの業務で人手を求めているのか——その手がかりを、AI時代の企業データインフラとして足元から支えています。

「一般的なものからは、一般的なことしか引き出せない。AI活用の質は、参照するデータをいかに整えるかで決まります。」—— BPOテクノロジー株式会社 代表取締役社長 山田 真也様

本記事では、BPOテクノロジー様の「ナレッジ × AI × 企業データ」による営業変革の全貌と、その土台を支えるデータ活用の考え方を、代表取締役社長 山田 真也様に伺いました。

会社概要 — 全国47都道府県・世界41カ国から、チームで支えるオンラインアシスタント®️「フジ子さん」

日本全国・世界41カ国のスタッフがフルリモートで働く。総務省「テレワーク先駆者百選」にも早期から選出

山田様 BPOテクノロジーは、2つの主力事業を展開しています。1つ目がオンラインアシスタント®️「フジ子さん」です。主に中小企業のお客様を対象に、経理・営業事務・労務をはじめとする事務業務全般を、弊社のテレワーカーが代行するサービスです。2つ目がオンラインBPOサービスで、こちらは「フジ子さん」をエンタープライズのお客様向けにチューニングした、業務をオンラインで代行するBPOサービスです。

弊社の理念は「人々の時間を増やし、幸せを増やす」です。この「人々」とは、お客様であり、弊社で働いてくださっているスタッフの皆さんでもあります。お客様に対しては、本当に注力すべき重要な業務に使える時間を増やす。スタッフに対しては、フルリモート・フルフレックスの働き方によって、一人ひとりが自分のために使える「可処分時間」を増やす。この理念を追求することで、働き手にとってもお客様にとっても、より良い社会への一石を投じたいと考えています。

弊社の強みは、「チーム」でお客様を支援することです。日本でこれから顕在化できる労働力は、フルタイムでバリバリ働く方々ではなく、「1日4時間、中抜けもしながら、テレワークなら働ける」という方々です。ただ、企業がそうした方に毎日の安定的な業務を直接お願いするのは、実はハードルが高い。弊社は、ある方が対応できない時間を別のスタッフが埋める、チームとしての対応体制を構築することで、地方に眠る労働力を、毎日安定稼働が必要な業務に対しても提供できるようにしています。現在は日本の全47都道府県、そして世界41カ国から、スタッフの皆さんがご自宅で働いてくれています。日本の夜間の業務をヨーロッパのチームが昼間に対応するといった、人にとって自然な時間で持続可能に働ける体制も、弊社ならではの価値だと思っています。

AI・データ活用の位置づけ — 社名に「AI」を込めて創業した会社

「ヒトとAIの最適なチームワークの探求」を掲げ、DX支援からAX(AIトランスフォーメーション)支援へ

山田様 弊社の前身の社名は「フジア(FUJIA)株式会社」でした。「フジ」は日本の象徴である富士山、「I」はインターナショナル、そして「A」はAIです。日本人と海外人材とAI——この三者が最適なチームワークを組んで世の中にサービスを提供していく、という願いを社名に込めて創業しました。つまり弊社にとってAIは、後から取り入れたものではなく、創業時からの事業構想そのものなんです。ディープラーニングの時代は、中小企業の実務にコストパフォーマンス良く取り込める技術ではまだありませんでしたが、生成AIの登場で技術が汎用的にスケールできる段階に入った。そのタイミングから、積極的に実務へ組み込み始めました。

これまでの弊社は、DXが苦手なお客様に代わってクラウドツールを操作し、業務を回す「DX支援」が中心でした。これからは、業務をAIに置き換えていくAX(AIトランスフォーメーション)支援の比率が徐々に増えていくと考えています。「フジ子さん」を使っていたら、アシスタント側がAIを活用しているので、お客様は気づいたらAXできていた——そういうサービスになっていくはずです。弊社にとってAIは、業務の内容そのものと言えるかもしれません。

社内AI基盤 — 会社の全ナレッジを、すべてのお客様へ

数百件規模のマニュアル・ナレッジを集約した社内AI基盤に、全スタッフがチャットで質問できる

山田様 弊社には「マスタAI」と呼んでいる社内AI基盤があります。経理・営業事務・労務からECやクリニックの事務まで、多種多様な業務を長年やらせていただいてきた中で、ノウハウやナレッジが数百件規模で蓄積されています。もはや人が覚えられる量ではありません。そこで、これらをAIの拡張知識として与え、全スタッフがチャットで質問できるようにしました。「先輩に聞く」のではなく「マスタAIに聞く」。スタッフにとっては身近な知恵袋のような存在です。今年の頭にリリースし、つい先々月に劇的に強化できました。まだまだ伸びしろがあると思っています。

これが効いてくるのは、お客様への価値還元です。お客様には担当のメインアシスタントが付きますが、従来、お客様に還元できるナレッジは、その担当者個人とチームの経験に限られていました。会社全体で積み上げたナレッジを研修で伝えようにも、人が覚えられる限界がある。今は、別部門・別チームの、一度だけ対応した事例まで含めて、会社の全ナレッジをすべてのお客様への支援に活かせる体制になっています。

社内の働き方も変わりました。社内会議はすべて文字起こしされ、会議資料を人が手作りするのはやめました。社員研修も大きく変わっています。これまでは「社内マニュアルを覚えているか」をテストしていましたが、今は「どう聞けばAIから引き出せるか」を覚えてもらう研修に変わりつつあります。何ページにもわたる情報を記憶する必要はなく、一行の聞き方さえ覚えればいい。新しく入る方が覚えることの多さは切実な課題だったので、それを劇的に軽減できはじめています。

営業変革 — 汎用説明から、1商談ごとの個別提案へ

事前情報とナレッジを掛け合わせ、1商談ごとに個別の提案資料をAIで準備する

山田様 営業には、契約前の見込みのお客様へのアプローチと、契約後のお客様への提案という2つの軸があります。

契約前で言うと、以前は汎用的なサービス説明資料をご説明し、お客様からの「こういう業務はできるか」というご質問に答える形で成約につなげていました。今は、事前のアンケートで「何の業務を、どうしていきたいか」を書いていただけているお客様に対しては、30分の商談の中身がまったく変わりました。「できる・できない」の回答ではなく、できることを前提に「どうより良くしていくか」をお話しできる。お客様が本当に知りたいのは、どの会社にも当てはまる汎用的な事例ではなく、「自社の業務を次にどうしていけるのか」という深い事例です。今はAIを使えば1商談ごとに提案資料を準備できますから、お客様に合わせた提案資料を動的に用意し、一般論ではなく個別具体論に踏み込めるようになりました。お客様の潜在的で抽象的なニーズを、具体的で顕在的なものへ引き上げていく——AIによって提案を尖らせることができています。

契約後のお客様に対しては、ご支援してきた業務のナレッジから「このお客様は次にこういう課題をお持ちのはずだ」という予測を立てて提案する取り組みが始まっています。例えば、お客様が利用中のツールの活用状況をAIで分析し、「便利なのにまだ使われていない機能」を見つけて、1ツール・1機能の単位まで踏み込んだご提案をする。汎用的な営業活動から、個別具体的な提案へ——弊社のナレッジをお客様への営業活動として還元していく、その中核にAIがあります。

SalesNowの位置づけ — お客様の「今」を捉える、潜在ニーズのシグナル

求人情報を起点に、お客様の潜在ニーズをタイムリーに捉える企業データインフラとして「SalesNow」を活用

山田様 SalesNowのデータは、新規のお客様に対しても、既存のお客様に対しても、重要な情報源になっています。弊社はBPO事業者ですので、お客様が「どの部門の、どんな仕事」を求めているのかは、求人情報として現れるケースが多いんです。求人情報を見れば、このお客様はこの部門のこのポジションで人手が足りていないかもしれない、必要な業務内容やレベル感まで読み取れる。それを弊社のナレッジとぶつけることで、「優先的にご提案すべきお客様はどこか」「その求人の周辺のご提案なら喜んでいただけるのではないか」という重要な手がかりになっています。

導入前の課題もここにありました。BPO事業者や人材関連の事業者に共通すると思いますが、顕在ニーズのあるお客様はお話ししてくださる一方、情報収集段階の潜在的なニーズのお客様とは、どうしても一般的・抽象的なコミュニケーションにとどまってしまう。弊社のナレッジを活かした実りあるご提案につなげにくいという課題がありました。データがあることで、潜在ニーズ段階のお客様にも、的を射たお話がしやすくなりました。既存のお客様への営業も、結局は「まだご依頼いただいていない業務」という潜在ニーズへの働きかけですから、同じように重要に使わせていただいています。

実は、SalesNowを知る前から「こういうことがやりたい」とずっと考えていました。それを良い形でサービスとして提供されていたのがSalesNowだった——導入の決め手を挙げるなら、それに尽きます。重要なのは、どの会社が、いつ求人を出したのかをタイムリーに知れること。コミュニケーションのタイミングこそが、とても重要ですから。

成果 — 「押し売り」ではなく「ありがとう」と言われる営業へ

山田様 求人情報を起点としたご提案は、正直、そのポジションの仕事をそのままいただけることは多くありません。ただ、それをフックにコミュニケーションできることで、お客様は「自分たちのことを考えた上で言ってくれているんだな」と感じてくださる。押し売り感が減って、「ありがとう」という気持ちになっていただきやすいんです。そこで得られた信頼感から、「だったらこういうこともやってもらえないか」と、お客様との距離が縮まる効果がとても効いています。

定量面で言えば、お客様のうち2〜3割が毎月求人を出されていて、しかも求人を出す企業は毎月入れ替わります。つまり毎月、約2〜3割のお客様との新たな商談の糸口が生まれ続けている。営業面では非常に重要な「営業のネタ」を提供してもらっていると思います。内部の情報だけではどうしても限界があり、お客様が何を求めているのかという外部の手がかりが必要不可欠です。その手がかりを与えてくれる重要なツールになっています。

意思決定の面では、去年と今年ではまるで違う会社になりました。会議のあり方も、企画の進め方も、まるで変わりました。弊社はAIで経営を最速で進めるために、組織フォーメーションそのものを変更しています。以前は企画系の部門が多く、事業規模の成長とともに中間管理職・企画職を抱え、内部統制の強化も進めていたので、新しい物事を進めるための手続きにも人手がかかる状況でした。しかし、資料作成・調査・数字の分析はAIで大幅に圧縮できます。企画や分析にかけていた時間を圧縮し、人のウェイトを「実行」に大きく移しました。あわせて、すべての現場データが集まる週次の会議体を設け、現場の情報をAIで直接参照しながら、全部門的な改善のPDCAを高速に回し始めています。AIという手段があることで、これまで経営が活用しきれていなかった現場の膨大なデータを、直接活用できるようになったんです。

今後の展望 — AIエージェントの時代に、外部データと社内ナレッジを掛け合わせる

山田様 短期的には、今年から数年は「AIエージェント化」が求められるフェーズだと思っています。去年までは生成AIをいかに活用するかが中小企業の実務における重要テーマでしたが、これからは業務をいかに自律的に進められるようにするか。弊社としては、お客様のAIエージェント化を支えるナレッジを磨き、それをご支援できるスタッフも増やしていきたいと考えています。

中長期的には、先進的にAIへ取り組める企業様だけでなく、段階的に導入を進めていかれる大多数の企業様——マジョリティ層に対して、外部からナレッジを提供していくことがますます重要になります。先進的なお客様へのサービス提供を通じて蓄積したナレッジを、多くの企業様へ価値として還元していく。この仕組みは、これまでも、これからも変わらない弊社の役割だと思っています。

営業・マーケティングの文脈では、社内のナレッジをいかに活用するかに加えて、SalesNowのような外部の情報からお客様のニーズをどう捉えるか——社外のデータをどう活用するかが鍵になります。外部情報を営業ナレッジ化していく、その活用をさらに進めていきたいですね。

弊社のスタッフは、「トライアウト」という実技試験を経て採用率数%の狭き門を突破した方々です。ITリテラシーの高いメンバーが世界41カ国から集まってくれているからこそ、DXのご支援ができ、これからはAXのご支援もできる。この強みを発揮しながら、事業を進めていきます。

SalesNowへの期待 — AIエージェント時代の企業データインフラとして

山田様 AIのアウトプットの質は、参照するデータの質と鮮度で決まります。一般的なデータからは、一般的なことしか引き出せません。だからこそ、AIが参照するデータの基盤を整えることが、すべての出発点になります。

SalesNowに対しては、弊社がAIエージェント化を進めていくにあたって、MCPに対応されていることはとてもありがたいと思っています。企業の求人情報やニュース、会社概要といった外部データを、弊社のナレッジ基盤と掛け合わせてAIに判断させていく——その可能性が大きく広がります。より企業にとって使いやすい形への進化とサポートを、これからも期待しています。

山田 真也様 の顔写真

山田 真也様

BPOテクノロジー株式会社

代表取締役社長

「人々の時間を増やし、幸せを増やす ― ヒトとAIの最適なチームワークの探求 ―」を理念に掲げ、創業時から人とAIの協働を前提とした事業を構想・推進。オンラインアシスタント®️「フジ子さん」とオンラインBPOサービスを通じて、全国47都道府県・世界41カ国のスタッフとともに、企業の業務変革を支援している。

BPOテクノロジー株式会社

2017年2月設立 人材・アウトソーシング 従業員数144名(2026年6月現在)

企業名:
BPOテクノロジー株式会社(BPO Technology Inc.)
事業内容:
オンラインアシスタント®️「フジ子さん」、オンラインBPOサービスの運営
業界:
BPO/インターネットを活用したサービス業( 情報・通信業 )
主な実績:
総務省「テレワーク先駆者百選」選出/全47都道府県・世界41カ国のフルリモート体制
設立:
2017年2月 / 所在地: 東京都中央区銀座

※2026年7月インタビュー。この記事はSalesNowが取材・構成しました。本文中に記載の企業名・役職・数値情報等はインタビュー当時のものです。

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